さっき雨の中
傘も差さないで
駅から歩いて帰ってくると
エレベーターのところで
合羽を着た黒人の女の人に出会った
自転車置き場から来たのを見たので
「雨なのに自転車ですか?」と
声をかけると
「ソウタイヘンデシタヨ」と
笑っていた
「hard rainだったねー」と
僕も笑うと
「ソウ、シモキタザワカラジテンシャハシリマシタ」と
言うので
びっくりして
「それは大変だね、1時間だね」と
言うと
「ソウデス、タイヘンデスー」
「トモダチガシモキタザワデ、タイヘンデスー」と
言っていた
エレベーターで
彼女は7Fのボタンを押して
僕は5Fなので先に降りると
「オヤスミナサイー」と
なんだか久しぶりに
東京コミュニケーション的な場面だった
海外を旅していたりすると
よくこんな場面があるけど
東京ではなかなかないので
なんだか嬉しい気持ちになってしまった
雨の日も悪くないのかもしれない
今度、またエレベーターで会ったら
「ドコノクニカラキタノデスカ?」と
聞いてみることにしよう
急にBob Dylanが聴きたくなって
思い出したのが
『a hard rain's a-gonna fall』
And I'll tell it and think it and speak it and breathe it,
And reflect it from the mountain so all souls can see it,
Then I'll stand on the ocean until I start sinkin',
But I'll know my song well before I start singin',
And it's a hard, it's a hard, it's a hard, it's a hard,
It's a hard rain's a-gonna fall.
――Bob Dylan
雨の音を聴きながら
霧のベッドで眠ろう
I will sleep in a foggy bed
while hearing my hard rain's sound.