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新聞赤旗「潮流」より
逮捕された当初から母親にあてた手紙で無実を訴えていました。「僕は犯人ではありません。僕は毎日叫んでいます。ここ静岡の風に乗って、世間の人々の耳に届くことを、ただひたすらに祈って僕は叫ぶ」
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▼事件の発生・逮捕から58年、死刑確定から44年。袴田巌さんの再審=やり直し裁判が結審しました。検察側は有罪の立証ができないまま、改めて死刑を求刑しました
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▼でっち上げの証拠に自白の強要。戦前の特高をほうふつさせる取り調べ。救う会が編んだ獄中書簡にこう記されています。「殺しても病気で死んだと報告すればそれまでだと脅し、罵声を浴びせ、こん棒で殴った」(『主よ、いつまでですか』)
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▼えん罪とされる袴田さんの裁判は一家4人を惨殺した真犯人を取り逃がすとともに、日本の捜査機関のぬぐいがたい過ちを突きつけました。公安がうその報告書をつくり違法逮捕した大川原化工機事件のように、国家による最大の人権侵害であるえん罪はいまだ後を絶ちません
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▼刑事裁判を長く担当した裁判官は捜査機関が証拠をねつ造するはずがないという先入観はすてるべきだといいます。どうすれば無実の人をできるだけ早く救えるか。再審や死刑制度とともに警察や検察のあり方を変えることは急務です
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▼つれそい、闘ってきた姉の袴田ひで子さんは「大変、長かった」と。再審開始を決定した村山浩昭元裁判長は「こういうことはあってはならない」としてこう訴えます。救済されるべきものは救済されないとおかしい。