創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

『五年目のひとり』山田太一・作

2016-11-20 16:05:55 | テレビ
東日本大震災をテーマにした二作品を観ている。
キルトの家』2012年
時は立ちどまらない』2014年
そして、『五年目のひとり』である。
今回は、『ひとり』という言葉がキーワードになっているような気がする。
一つは、震災で家族、父母を失った『ひとり』の男のドラマ。
もう一つの『ひとり』は、
震災で亡くなった『ひとり』、生き残った『ひとり』、
傍観者であったあなたという『ひとり』、わたしという『ひとり』、
安倍晋三さん、あなたもその『ひとり』だ。
それぞれの『五年目のひとり』に語りかけているように思う。
素晴らしい作品である。






母系制の島

2016-11-20 10:18:40 | エッセイ
先日母系制の島(キリウィナ諸島)について書きました。
昔その島では、男は妊娠とは無関係と考えられていたと読んだことがあります。
だから、もともと父系はなかった。
男は働くだけ。一夫多妻とも。
ふうん、それもいいかもしれない。

今日の一句

2016-11-17 16:05:25 | 俳句
今日の一句
大仏とツーショットの小春かな
ついに顔出し! 飛鳥大仏です。感動しました。写真OKです。でも、ツーショットを撮っているのは私だけ。中学生も沢山いたのに、畏れ多いのでしょう。図々しい老人が勇気を出してツーショット。

そっくり

2016-11-17 10:14:44 | エッセイ
そっくり
私の父母は二人とも亡くなっています。
歳をとるにつれ、父母のことを思い出す頻度が増えました。
話は変わりますが、母系制の島(キリウィナ諸島)があるそうです。
母方の血筋が最優先する社会制度だそうです。
確信のない父系よりその方が確かですよね。
落語にもこんなのがありました。うろ覚えですけれど。
七人の子共のうち、三番目の与太郎はどうも俺に似てへん。
頭は悪いし、いつも鼻を垂らしてやがる。日頃から疑っていたやさき、女房が交通事故に、
今際の際に、思い切って女房に聞きます。
「頼む教えてくれ! 与太郎は俺の子か」
「なにを言うてんのんあんた。あの子だけはあんたの子やで」
確かに、父親はDNA鑑定でもしない限り確証はないわけですね。
しかし、ある歳になると、父親は自分の体のいたるところに現れてきます。そうして、呟くことになります。
「そっくりやなあ」

君への手紙

2016-11-15 11:23:13 | 
僕への手紙と対になっています。

君への手紙
君は僕のことなど何も覚えていない。
でも、いつも君は僕の心の中に住んでいる。
不公平だなあ。
君は僕の母になり、恋人になり、姉になり、妹にもなり、妻にもなった。
そう、全ての女性になった。
朝礼で君の名が呼ばれ、君はいつもの眩しそうな目をして、生徒の間を通り抜け、校長から表彰された。
細い小さな少女。
それが君だった。
「朝鮮人やて」
噂は僕の耳にも入った。
結局一度も話したことはない。
離れて見ていた。
あの時話しかけたら、世界は変わっただろうか。
何も変わらなかったと思う。
変わらないで欲しいから僕は話しかけたりなんかしなかった。
君は他の少女といても、目立たなかった。
控え目で、静かに微笑みを浮かべていた。
君も七十才になっただろう。
生きていないかも知れない。
でも、いつも君は僕の心の中に住んでいる。
僕が死ねば、誰かが君のことを語り始めるだろう。
ひとり死んだらひとり語部が現れる。
そう思いたい。