いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

金で金を操るマネーゲームの世界が資本主義って言えるの?

2009-06-16 17:59:21 | 日記

 一昨夜(6月14日21時~)NHKスペシャル、”マネー資本主義” 「第3回 年金マネーの“熱狂”はなぜ起きたのか」をみた。

 ”資本主義は物を作って、もしくはサービス(労働)を提供して、それにいくばくかの利益を乗せて売る”のが本来の姿である。

 金融資本主義とは、金で金を操るマネーゲームの世界である。何らの価値あるものも生み出していない。単なる「金のやりとりゲーム」が資本主義と言えるのだろうか。ゲームが崩壊した後に残ったものは、普通の人が期待していたささやかな老後資金さえもむなしく消え、世界に不況の嵐がふきまくる不可解且つあわれな姿だった。

 金融資本主義は、デリバティブ(金融派生商品)などというわけのわからぬ金融商品に仕立て上げて、一見複雑なようにみえても、所詮、金で金を操るパソコン・ゲームに過ぎない。金と金のやり取りの間に、デリバティブ(金融派生商品)を介在させてはいるものの、それらはギャンブルの小道具にすぎなかった。競馬の世界と何ら変わりないではないか、出走する馬が金融派生商品だっただけのことではないか。

 いや、競馬の方がはるかに透明性が高い。競走馬なら、血統、過去の成績や、タイムなど、馬券を買う側にあらゆる分析データが提供されている。デリバティブは、厚化粧で塗りたくって、いかにも高級商品であるかのようにみせかけていた。だが、その中身はセールスしている本人たち(ファンドマネーャー、証券アナリスト、ファイナンシャルプランナー)でさえも、理解できないしろものであることを露呈した。

 マネーゲームは、誰かが得して誰かが損するかの世界であり、そこで儲けが出たとすれば、その分損したものが出るはずだ。皆が得するなどあり得ないし、全員が損することもあり得ない。今回の金融危機は損失だけが浮き彫りにされて一人歩きしているが、その損に見合う分だけ儲けた奴がいるにちがいない・・・このゲームを仕組んだ悪徳集団がいる。今は地下に潜んでいるが、いずれ又、原油や穀物などの先物相場、或いは形を変えた金融商品となって出現するに違いない。彼らの「金余り現象」が地下にマグマのままいつまでも黙っているはずがない、再び浮上してくる日があるだろう・・・忘れた頃に。

 今回の世界的規模の金融危機は、米国の怪しげなサブプライム・ローンの破綻から始まった。
 米国内には、ヒスパニック系住民や黒人など大量の住宅を欲しがる低所得層の住民がいる。

 もともと高額の不動産など買える見込みのない低所得者に、「最初ゆとりローンで低所得者に夢をもたせて誘惑して買わせ、後に、高金利で破綻に追い込まれる」、いずれ破綻することは目に見えていることを知りながら(知らないのは、うまい話にのせられた大量の低所得層)、それをいちはやく証券化して世界にばらまいたとしか思えない。それでも、不動産が値上がりしている間は、その値上がり分で追加のローンを組むことで持続することができた。だが不動産バブルがいつまでも続くわけがなかった。

 破綻することが見え見えのローン(不良債権)を、その他の債権と取り混ぜて、さも優良商品であるかのように、ノーベル経済学賞受賞者があみだした金融工学の手法を使って中身がわからないよう厚化粧を施した、いわば手の込んだ極めて悪質な偽装商品だった。



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