いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

「アラブの春」は遠かった、

2012-09-16 19:08:48 | 日記

 2011年初頭から始まった、中東・北アフリカに始まった一連の民主化運動はチュニジア、エジプト、リビアでは政権が交代し、米・欧州では「アラブの春」と賞賛された。だが、1年あまり経った現在、イスラム圏全域で反米デモの嵐が席捲している。

 問題の発端はアメリカ人が製作した「イスラム教預言者ムハンマドを馬鹿にしたインターネット・ビデオ」により激怒したイスラム主義者たちによって起された。発端はイスラム教を侮辱したビデオだったかもしれないが、イスラム圏の人々の反米感情はこのビデオによる突発的現象ばかりではなく、反米感情は根深い。

 リビヤでは単なる反米デモではなく、米リビヤ大使のクリス・スティーブンス氏と大使館職員3名がリビヤ東部のベンガジ総領事付近で自動車で安全な場所に避難しようとしていたところを、車両ごとロケット弾で襲撃され、殺害された。

 スティ-ブンス氏は、カダフィ政権を転覆したリビアの反乱を称賛していた。ところが、皮肉にもカダフィ政権を倒した後に解放された勢力によって殺害された。

 カダフィの強権政治によって自由を制限されてはいたが、リビヤ国民はそれなりの豊かさを享受していた。欧米のリビヤに於ける石油利権の収奪は、カダフィ後の生活向上を期待していたリビヤ人民が抱いていた夢を打ち砕いた。やはり欧米の軍事介入はカダフィ殺害が主たる目的だったのではないかという疑惑をリビヤ国民に抱かせたに違いない。

 カダフィは、「アフリカからドル支配体制を打破して、アフリカ統一通貨」を目論んでいた」。アメリカにとっては、カダフィは消さねばならない危険人物だったに違いない。カダフィ逮捕後、彼に抗弁する機会を与えずに殺害した。

参考:カダフィはなぜ殺害されたのか?:機軸通貨の旨味 & TPPとISDとんでも条項 2011-10-29
http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/d/20111029

 アメリカは為替によって日本経済をコントロールしてきた。日本の政治家やエコノミスト・経済学者ジャーナリストを含め為替に対する問題意識が、余りにも低すぎる。

 元外交官の孫崎氏は、昨日(9/15)のツイッターで次のように述べている。

孫崎ツイッター9/15

大企業幹部:「日本の工業が比較的低賃金労働力を吸収。国内での工場なくなればこの労働力の行き場所がない」。全ての根源は円高。1985年のプラザ合意から。ベーカー財務長官に仕掛けられ、日本側日本企業への攻撃意図見抜けず今日まで。知恵絞り、「円高是正」をどう実現させるか、根幹と思う。