なのにオイラは京都へゆくの?

大阪の中年男が、京都の山に登った際の赤裸々(?)な公式日記帳やねん。
のはずが……京都・自己満足ブログとなりにけれ。

『河原町ルヴォワール』円居挽

2016-03-16 04:44:25 | 
河原町ルヴォワール (講談社文庫)
円居 挽
講談社

 【内容紹介】
 賀茂川と高野川が合流する鴨川デルタ。瓶賀流(みかがみつる)が目撃したのは、濁流に呑み込まれる友人、龍樹落花(たつきらっか)の姿だった。下流で発見された落花の遺体。その死を信じることのできない妹の撫子。だが、落花殺しの罪で双龍会(そうりゅうえ)に連れ出されたのは、兄の大和だった。同門対決の掟を破った禁断の双龍会が始まる。

 さてみなさん、またお会いしましたねー。

 今日、ご紹介する京都本は、京大ミステリ研ご出身の円居挽(まどいばん)センセがお書きになった、「ルヴォワールシリーズ」4作目の最終巻です。

 冒頭、このシリーズでかなりメイン処のキャラ、龍樹落花ちゃんが鴨川デルタで濁流にのみ込まれて、あっけなく亡くなってしまうんですねえ。怖い、怖い、濁流は怖いですねえ。

 まさか、まさか、まさか、あの落花姉さんが死ぬなんて……傷心する妹の撫子ちゃん。

 なんと実の兄、龍樹大和くんが濁流事故を装って、落花姉さんを殺したらしいんです。

 それがわかって、さあ大変。持った湯呑をバッタと落とし、ドンデン返しに次ぐドンデン返し。

 先の展開が読めないんで、ページをめくるスピードが速くなる、速くなる。

 ところが……不思議と「着地点」がおぼろげながら見えてくるんですねえ。

 最終巻ですし、既刊3作がアンハッピーに終わっていないことを考えますと、「最後にはこうなるんじゃないかな」というのが段々わかってくるんです。

 そうなったら、さめざめ興ざめですねえ。

 わたくしには、シリーズ最終巻にして、シリーズ中ワクワク感が最もなかった作品だったように思いますけれど……最終ページまで飽きなく読み切らせる面白さは十二分ありました。

 それではみなさん、さよなら、さよなら、オ・ルヴォワール。



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