某年某月某日。
京都市内の某ホテルに泊まる。
風評被害で営業妨害にもなりかねないので、あえてホテルの名は秘すけれども、このホテルでおよそ30年前、映画・服飾評論家のO&Pさんが泊まったとき、怪異に遭遇したのだとラジオで聴いた。
いかなる怪異だったのか?
もう詳細は覚えていないのだが、ホテル怪異譚にありがちな、室内に別の人がいる気配がするとか、風呂場の蛇口から勝手に水が流れるとかという内容だったように思う。
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定価2万円~の部屋がシーズンオフのネット価格で5000円というリーズナブルな料金だったので、オイラは気合いを入れて複数の御守りを所持しながら一泊したのであった。
壁に飾っている額縁の裏にお札が貼ってあればその部屋は「出る」とよく聞くが、オイラが泊まった部屋には額すら飾っていなかった。
20時頃、ホテル館内か館外からなのかは判然としないのだけれど、外人さんがカラオケを歌っている声が聞こえていた。
夜も更けると外人の声も止み、いつのまにか静かになっていた。
うつらうつらしていたら、いつのまにか朝になっていた。
元々オイラは「見えたり」「聞こえたり」しない体質なので、なにも起こらなかったことの方が普通なのである。
そのテの体質の方には感じるところがあるのかなあ……?
ま、30年前の怪異なので、幽霊もどこかへ行ってしまったのかもしれませんね。
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