なのにオイラは京都へゆくの?

大阪の中年男が、京都の山に登った際の赤裸々(?)な公式日記帳やねん。
のはずが……京都・自己満足ブログとなりにけれ。

トレッキング・ムービーとしての『隠し砦の三悪人』

2014-09-08 02:50:40 | 映画
隠し砦の三悪人【期間限定プライス版】 [DVD]
三船敏郎,上原美佐,千秋実,藤原釜足,藤田進
東宝

 製作・監督・脚本: 黒澤明
 脚本: 菊島隆三、小国英雄、橋本忍
 出演: 三船敏郎、千秋実、藤原釜足、上原美佐、藤田進、志村喬

 【あらすじ】 from Amazon
 戦乱の世の中、隣国の山名家と戦い敗れた秋月家の侍大将・真壁六郎太(三船敏郎)は、世継ぎの雪姫(上原美佐)を擁して隠し砦にこもり、軍用金とともに同盟国・早川領への脱出を試みる。
   黒澤明監督作品中でも、ハリウッドの時代大作を凌駕するスケールの大きさが誇らしいビッグ・エンタテインメント時代劇大作の優れもの。馬で逃走する敵を主人公が追いかけ、背中から真一文字にぶった斬るといったダイナミックな殺陣の数々は、その後のハリウッド映画アクションものでさまざまな形で流用されている。また、主人公らにまとわりつくふたりの農民(千秋実&藤原鎌足)も、後のアメリカ映画 『スター・ウォーズ』のロボット・コンビのモデルにもなった。いよいよ早川領への脱出シーンの際に、そこで主人公の味方となる旧敵(藤田進)が叫ぶ「裏切り御免!」は映画史上に残る名台詞。映像の1秒1コマに至るまで、ぴったり合わせた佐藤勝スペクタクル音楽の素晴らしさも特筆ものである。(的田也寸志)

 この映画、特に「京都」とは関係ありまへん。

 最近初めて観ましてん。

 シリアスな内容の作品が多い黒澤映画の中で、ユーモアたっぷりなエンタメ映画でありました。

 山の中を歩く、歩く。

 これは立派なトレッキング・ムービーではあるまいか、と思った次第でおます。

 ▼ 秋月領から同盟国の早川領に脱出したいのだが、秋月・早川の国境は敵国・山名の見張りが強固である。敵の裏をかいて、秋月領から山名領経由で早川領へは、警備が手薄で脱出しやすいのではなかろうか。安易な山越え計画が実行されるのだ。

 ▼ 川原で金の延べ棒を探す。

 ▼ 隠し砦は岩山の中。

 ▼ 急斜面のガレ場。

 ▼ ガレ場は登るのが大変そう。

 ▼ この岩山のロケ地が、西宮市の蓬莱峡っていうトコなんやって。

 ▼ 六甲山系には行ったことがないので、一度行きたくなるやんか。

 ▼ 林道を歩く。


 ▼ 樹林帯を歩く。


 ▼ この斜面はキツそうだわ。

 製作されて50年以上たつというのに、この映画の面白さは色あせておまへんなあ。CGのない時代に、城から逃げる「モブシーン」は超弩級の迫力。やや冗長なシーンはあるものの、さすが名作、ハラハラドキドキしながら最後まで観てしまいましたで。

 近年公開されたリメイク作品も観てみましたが、オリジナルの足元にも及ばない駄作。

 千秋実の役回りを松潤にして恋愛要素を入れちゃった。それに、オリジナルにない男色キャラを登場させることに何か意味があったのか?
 阿部寛六郎太の頑張りと、長澤まさみ姫のカワユさだけが救い。
 黒澤映画をアイドル映画にしようという発想、企画する感性からして奇異である。電通が絡むと、品位ある日本の名作も、リメイクという名のもとに改悪されまんのか……ようわかりまへんけど。

 邦画よ、どこへ行く? 内容の薄い、ノー天気おバカ映画は、ハリウッドにまかしてりゃエエじゃないか。