猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

国土交通省が海洋政策本部を発足

2006-07-05 03:48:44 | 政界・政治全般
 3日、国土交通省は、省内の海洋関係部局の局長級で構成する「海洋・沿岸域政策推進本部」(本部長=佐藤信秋事務次官)を週内に発足させる方針を固めた。それにより、同省所管の海洋政策を総合的に推進することが目的である。同時に、省内における海洋関係の組織改革にも着手することを検討する。海洋政策については、縦割り行政の弊害が指摘されている。我が国の海洋政策は、国土交通省のほかに、文部科学省、総務省、外務省、経済産業省、農林水産省、環境省の各省にまたがっている。目指すべきはこれらの連携強化であるが、今回の決定はそれ以前の問題として、国土交通省内での政策を有機的に連携させるのが目的である。政府・与党は、今後、政府全体としての体制見直しを検討する。国土交通省といえば、海保も所管しており、韓国による竹島周辺海域の海洋調査強行や中国による尖閣近海での海洋調査が相次いで起こっているこの時期には、ささやかすぎる一歩であるとはいえ、タイムリーな取り組みである。
 国土交通省は、2001年の中央省庁再編に伴って発足したもので、旧運輸省所管の海事、港湾、海保、気象観測、旧建設省所管の海岸管理、旧国土庁所管の国土形成計画、離島振興など、海洋関係の行政を広く管轄している。しかし、従来は旧省庁間の連携が不十分であるとの指摘を受けてきた。そこで、同省では2004年度から政策の見直しを推進し、6月には「海洋・沿岸域政策大綱」を策定した。その大まかな内容は、
(1)海上、港湾テロや災害対策など、海上での安全確保
(2)国境付近での離島の保全や海洋権益の確保
(3)油流出や漂流ごみ対策などの海洋環境保全
などである。これらのような、複数の部局にまたがる政策について重要な課題を洗い出して、それに対応すべく今回のような海洋政策本部発足になったというわけである。推進本部は、大綱を推進するために、各部局の連携を強化することや、既存の法律や体制では十分に対応できない場合には、新たな法整備や組織の見直しをすることを検討する。
 1994年の国連海洋法条約発効後、主要国は、総合的な海洋政策を策定したり、所管の官庁を新設あるいは強化している。このたび日本の海洋権益に対して挑発的行動に出ている中韓もそうである。我が国は「海洋国家である」との掛け声ばかりで、旧態依然の体制でやってきた感がある。今後は、省庁間の連携強化を図り、国家として統一的な海洋政策を推進することが大きな課題である。例えば、首相あるいは内閣府の下に、実効性ある海洋政策戦略会議のようなものを設置することが必要となってくるだろう。海洋国家の看板に恥じない有効な組織を構築していかねばならない。



参考記事:読売新聞7月4日付朝刊紙面版


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
本当に。 (PJ)
2006-07-05 10:51:50
海洋国家と言うなら、領海や離島の守りももっと磐石なものにしていただきたいです。

離島に警備隊を置いたり、インターネットを拡充することで離島の方たちを置いてきぼりにせずに済むと思うのですけど。
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PJさんへ (猫研究員。=高峰康修)
2006-07-06 10:29:54
>離島に警備隊を置いたり、インターネットを拡充することで離島の方たちを置いてきぼりにせずに済むと思うのですけど。



全くです!

長崎の対馬は韓国人の浸透により、かなり韓国に取り込まれつつあるようです。もちろん韓国人が合法的に観光などで来てくれる分には一向に構わないのですが、国境の島であるという認識が希薄な日本政府には落ち度が大いにあります。
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