猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

ネットでものを書くこと

2005-10-24 00:30:07 | 情報化社会
 「匿名性は根本的に熟慮と相容れない」これは、私がブログを始めようと思い立ったときから常に頭の片隅に置いている警句である。ちょっと決め付け過ぎのような気もするが、戒めの言葉として受け取る分には有益なのではないかと思う。これは、チャールズ・カプチャンという学者が書いた『アメリカ時代の終わり』という本の中に出てくる言葉で、インターネット社会は情報へのアクセスを容易にするが、逆に広範な意見や事実に触れる機会を減らすことにより、よく考えもしない有権者を生み出し民主主義を堕落させる危険があるという文脈において使われている。また、同書では、インターネットによるコミュニケーションは意見の交換にはなるだろうが、そこには政治的対話に活力を与える感情や身振り手振りが欠けている、という指摘もなされており、なるほどと思わされる。数年前に、インターネットを通じて煽られてすっかりその気になって倒閣に走って失敗した有力政治家がいた。やはり過度の依存は禁物なのであろう。もちろん、インターネットの持つ手軽に不特定多数の対象に向けて意見や情報を発信できるという長所はいくら評価してもしすぎることはないぐらいである。匿名で安心して意見を述べることが出来るのも、上で述べたような短所であると同時に便利な点でもある。まったくインターネットというものは一筋縄ではいかないものだ。


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