猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

小泉首相、三つの業績―英エコノミスト誌

2006-09-23 01:44:00 | 政界・政治全般
 自民党総裁選も終わり、小泉首相退陣まで残すところほんのわずかである。英エコノミスト誌9月16~22日号が小泉氏の業績について簡潔明瞭にまとめているのでご紹介したい。もっとも「3つの業績」とはいっても手放しで誉めているわけではなく、道半ばであるとのニュアンスが強い。
 面白いのは、自衛隊イラク派遣を「対米依存」ではなく正反対に「積極的な対米協力で米軍への依存度を低め」と捉えている点である。米国の特別な同盟国たる英国らしい視点である。こういう論調は日本の大手メディアの報道だけに接していてはなかなかお目にかかれないだろう。広く世界に目を向けることの重要性が理解できるというものだ。ただ、憲法改正に中国の理解が必要であるかのような記述には賛成しがたい。この点が最大の不満だが、さっと目を通してみて損はしない記事だと思う。
 なお、邦訳は読売新聞9月22日付け「世界の論調」に依拠した。

[小泉首相 3つの業績]
 わくわくするショーだったが、今、終わりを迎えつつある。小泉首相は今月末、首相を退任する。
 小泉氏の業績は三つある。まず、密室主義の一党支配に慣れた国の政治手法を変えた。2001年の自民党総裁選で小泉氏に勝ち目はないと見られていたが、党員投票で絶大な人気を獲得、党の実力者たちも追従を強いられた。さらに、小泉氏は有権者に直接訴えるという、それまで日本の政治家が試みなかった手法で選挙に4連勝した。
 2番目の経済改革は、党の強固な抵抗で先延ばしにされ、おそらく小泉氏は落胆しているだろう。その最たるものは郵政民営化だ。だが、小泉氏は少なくとも、政・官・財の”鉄のトライアングル”を壊し、政府に若干の説明責任を果たさせ、公費の無駄遣いや非効率的な支出を抑え、公的部門の膨大な負債の処理を始めた。
 外交で応分の役割を果たそうという模索も道半ばだった。過去半世紀で最も大胆な賭けとなる自衛隊のイラク派遣を行い、積極的な対米協力で米軍への依存度を低め、国防負担の割合を拡大させた。だが、小泉氏は最優先課題は達成していない。集団的自衛権行使に道を開く憲法改正だ。
 安倍氏は憲法改正を公約している。ただ、問題は対中関係を悪化させずに行えるかだ。日中は互いに巨大な貿易相手国だが、小泉氏の挑発的な靖国参拝などで関係は悪化した。
 安倍氏が靖国神社から距離を置き、関係修復のための特使を早期に中国に派遣すれば、世界における日本の地位は向上するだろう。さもなければ、安倍氏は、非凡な小泉氏が築いた遺産を食い潰す危険を冒すことになる。


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2 コメント

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なるほど (PJ)
2006-09-23 12:27:25
>国防負担の割合を拡大

これが対米依存度を低めるって言われれば確かにそうですよね。

何でマスコミは言わなかったんでしょうねw

安倍さんには小泉さんのときよりも大きな応援が必要ですね。

心配しないでがんばってって言いたい。
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中国 (どん)
2006-09-24 16:00:31
独裁国家との首脳会談は時期尚早だ。人権蹂躙の大国、中国と何の話をするのか。北京五輪までには中国の人権状況を改善すると約束したにもかかわらず、いぜん情況が変わらないとアムネスティが訴えています。中国人にこのことを広く知らせてやるべきです。

さて、「日中首脳会談実現に向けて、両国政府関係者が水面下で...10月にも安倍さんが中国を訪問」と今日のテレビ朝日が放送していましたが、なぜ安倍さんがまだ新総理にも就任してもいないうちから、こんな話しが勝手に出てくるのか??外務次官がそんなことを言っている放送や記事を見たことがない。バカなテレビが勝手に国民にそのように思わせておき、中国政府が会談直前になって「安倍新総理が靖国神社の参拝をしない」と明言しないので会談を中止にする、と言ってくるに決まっている。日本のテレビ局もそれは織り込み済み。そして、反日のテレビ朝とTBS(毎日系)が例のごとく、「安倍が靖国を参拝するから会談がだめになった。」と火も煙もない所にガソリンを撒き、大火事にする。「くまぇり」の放火と同じ様に。

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