法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 - 「質問設計」シナリオと議題

2021-03-07 11:06:27 | 会議設計
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ゴールを達成するために、どう議題を組み合わせるかを考えます。言うまでもなく、議題は顧客と共有するものです。

まず、「会議設計」で整理した情報および質問から、最初に立てたシナリオを見直してみます。

具体的には、
① シナリオの見直し
② シナリオの主要項目の書き出し
③ 議題として顧客と共有できるものを選択
④ シナリオ最終版の作成
の手順です。

以下は、2021年1月24日の記事で質問設計の事例として紹介した私が所属するNPOの「障がい者によるお墓掃除」事業への参加を福祉施設に以来する事例です。

ある福祉施設の施設長さんから紹介を受け、別の施設(F園)の施設長Aさん(かなり福祉活動に熱心な方との情報あり)に事業を紹介にいくことになりました。この活動の背景には、多くの福祉施設で、そこに通う障がい者(利用者様といいます)の工賃が極めて低く、それを向上させる必要があるという事情があります。工賃は、サラリーマンの月給と考えていただければよいです。利用者様は、施設でクッキー作りや組み立て作業などを行い、代価として工賃を貰いますが、全国平均で月に1万2千円程度。とても自立できる金額ではありません。

さて、会議設計の最初に考えたシナリオは下記のとおりです。

シナリオ1:
NPOからの訪問者は、理事長のY氏と私、訪問先からは施設長のA氏と現場の担当者数名の予定。まず、会議室にて挨拶、Y氏より工賃の問題を提起、「障がい者による墓掃除」の事業内容を説明、A氏に同事業への参画を依頼、参加の同意を得て具体的なスケジュールを決定。

見直したシナリオは以下のとおりです。箇条書きにしました。

シナリオ2:
① 会議室にて挨拶(出席者はシナリオ1と同じ)
② F園の事業について質問
質問:F園ではどのような事業をされているのですか。
予想:規模の大きい事業をされており、施設長が胸を張って説明
質問:現場を見学させていただけますか。
③ 現場の見学
「すばらしいですね」と感動を表す。
④ 工賃向上を目指す「障がい者による墓掃除」事業の説明
質問設計を活用
⑤ NPOの担当者が、墓掃除の方法を現場でサポートすることをコミット
⑥ 具体的なスケジュールを提案。
例えば、お彼岸の3か月前から準備など。
⑦ スケジュールの合意とF園側の担当者の決定
⑧ 次回の打ち合わせ日程の調整

実際に、A施設長に事前にお知らせした議題は、項目④のみです。しかし、このシナリオに沿って進めましたし、この通りになりました。

ポイントは、
・現場見学を通じて打ち解けた雰囲気を作り出すこと
・この施設がすでに行っている事業をリスペクトすること
・F園の負担を軽くするために⑤のサポートを追加すること
です。

実は、一番大事なのは「シナリオの作成」です。よく、「来週の会議の議題は?」と質問することがありますが、「来週の会議のシナリオは?」と聞くべきです。


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