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法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

「営業のやるべきことが分かる」-第一段階「検討のきっかけ」を作る打ち合わせの結果は?

2018-02-10 22:27:57 | マーケティングと理詰めの営業
<前回の続きです。前回の記事を一読いただいてから、以下、お読みいただければと思います。>

表題の打ち合わせですが、10年以上お会いしていなかった部長(企業向け研修プログラムを企画・販売・実施)でしたが、そのギャップを感じることもなく、忌憚なくお話ができました。

さて、私が企画中の「退職予定者向け研修プログラム」の売り込みは成功したのでしょうか。

退職前にスキルアップし、退職後も仕事を続けるための「人生100年時代」の研修です。

結論から言うと失敗です。

理由は、企業は退職予定者にお金のかかるスキルアップ研修はやりません。

「退職後も仕事を続けるためにはさらなるスキルアップが必要ですよ」といったことを伝えるガイダンスはやるかもしれませんが。

つまり、営業に行く手前のマーケティング段階での検討不足による失敗です。

私のような個人事業では、当人の頭の中だけで検討するためこういうことになるのです。

では、この企画はボツになるのでしょうか。

いいえ、退職予定者が自腹を切って(+補助金)受講する講座として、この専門学校の別の部署で扱ってもらえるようにアプローチすることは可能です。

実際、退職(予定)者を含むシニアを対象にビル管理に必要な技術を教えている学校はいくつかあります。

このような学校で提供している教育との差別化などをこれから研究していく必要があります。

あらかじめストーリーを考えて打ち合わせに臨めば、上手くいかなかくとも反省材料が生まれ、さらなるマーケティング力、営業力のアップが図れます。
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「営業のやるべきことが分かる」- 第一段階「検討のきっかけ」を作る打ち合わせ

2018-02-04 04:44:09 | マーケティングと理詰めの営業
実は私自身も来週、「検討のきっかけ」を作る打ち合わせを行います。

お会いするのは中小企業診断士の資格を取るとき、その後、講師としてお世話になった専門学校の部長ともう一名。当時は中小企業診断士コースの課長でしたが、今は一般企業向けの研修プログラムを行っているというのが、今回の打ち合わせを設定してくれたY氏の話。

今回の打ち合わせの目的は、Y氏が企画したIT関連企業向け研修プログラム、そして私が企画中の「退職予定者向け研修プログラム」の売り込みです。退職前にスキルアップし、退職後も仕事を続けるための「人生100年時代」の研修です。

すでにY氏は一度打ち合わせをしているので、より具体的な打ち合わせになりますが、私は、初回なので「検討のきっかけ」作りです。

まず、打ち合わせのゴールを設定します。「企画書持ってきて」と部長に言わせれば「検討のきっかけ」としては成功。最低でも「ここをこう変えれば検討可能」と具体的なアドバイスをいただければまずまずの結果といえるでしょう。

ゴールを達成するためには、この専門学校が企業向けの研修プログラムとしてやる価値があると思わせる情報の提示が必要です。

具体的には、

A 団塊世代の退職者の増加、年金支給年齢の変更(おそらく将来は70歳に)、長寿命化、結果として年金以外の継続的な収入確保の必要性→仕事の継続
B 健康に過ごすための仕事、体力・気力に応じた仕事、ライフワークバランス
C 慢性的な人出不足、シニアに適した職場(対人スキル、管理能力)

でしょうか。

部長は、企業側の事情として上記Aについては常識として知っているので、かるく話題にして、「企業もどう退職者を送り出すかお悩みでは?」と質問してみましょう。

部長もそれなりの年齢になってきており、また、65歳になる私の経験から、「退職すると一皮むけてがむしゃらに仕事をするというよりも、自分の趣味などもいかしながら仕事を続けたい人が多いように思いますがいかがでしょうか。」とさらに質問。

私が今やっている業界はそういう人にピッタリです。慢性的に人手不足。毎週、新聞に求人広告が出ています。エンジニアでコミュニケーション能力のある人を求めています。大企業でしっかり教育を受け、大勢の中でもまれた人なら大丈夫でしょう。そこで、「御社の顧客のなかにはそういう人材の豊富な会社はありますか。」と質問。

この専門学校の顧客は大手のみなので、答えは「イエス」です。

「具体的な企画書を持って来てよ」となるはずです。

このようにあらかじめストーリーを考えて打ち合わせに臨み、そうなるように出席者をドライブしていくことが大切です。

それでこそ上手くいかなかったときの反省につながり、さらなるパワーアップが図れます。
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「営業がやるべきことが分かる」 - 第一段階 - 「検討のきっかけ」の前提

2018-01-21 20:09:56 | マーケティングと理詰めの営業
前回、「顧客との人間関係作り、信頼関係の構築は、営業の必須スキルであり、これなしの営業は考えられません。これを個人と個人の関係ではなく、組織と組織の関係にしなければなりません。」と書きました。

一匹狼の営業もいます。すごくエネルギッシュで、エンジニアがトラブル発生で謝っている隣の部屋で、お構いなく次の商談をやり、個人の力で案件をグイグイ進めていく営業も知り合いの中にはいます。

しかし、金額の大きな案件は顧客内の関係者も多く、問題・課題も案件の進行とともに変わっていき、多岐に亘るため、営業一人だけでは取りこぼしも出てきます。

先ほどのエネルギッシュな営業も途中で頓挫することが時々ありました。

なにより顧客との相性もあり、合わない相手からは良い情報、良い結果を引き出せませんでした。

また、一匹狼の営業は、途中経過をこまめに報告しないタイプが多く、上司としてもアドバイスが困難です。

というよりも、アドバイスはもらいたくないというタイプが一匹狼だと思います。

会社としてはこのようなタイプの営業を新規開拓のある段階まで活用するという方法はあるかと思います。

案件を成功させる確率も高めるためには、やはり属人的な営業ではなく組織としてあらゆる階層での対応が必要となります。技術者、営業、部長、役員、社長、それぞれのレベルで顧客と良好な関係を構築することが求められます。

そのように会社という組織を動かすのが営業の仕事といえます。

組織的な対応ができれば「検討のきっかけ」の提供もより容易になります。

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「営業がやるべきことが分かる」 - 第一段階 - 「検討のきっかけ」を作る

2018-01-14 20:51:01 | マーケティングと理詰めの営業
購買行動のモデルの代表は、AIDMA(Attention, Interest, Desire, Memory, Action)。そして、インターネットの普及により、その進化版ともいえるAISAS(Attention, Interest, Search, Action, Share)が購買行動モデルの新たなモデルとなりました。「Search(検索)」と「Share(共有)」がキーワードであることは、読者なら納得されると思います。

今回から「購買行動と営業のプロセス」を紹介します。

上記の購買行動モデルがベースになりますが、顧客が生産財を購入する一連の流れの中で営業の「やるべきこと」が明確になります。

以下は、営業研修用に「購買行動と営業のプロセス」を一部変更してまとめた表です。





これから少しずつ紹介していく表中の段階のどの段階が「営業にとって勝負所はどこか」を考えていただきたいと思います。

では、まず、第一段階の「問題の認識」です。

購買側の行動の欄には、「客観的事実に基づく問題意識の発生」、および、「検討のきっかけの発生」とあります。

例えば、具体的には製造上の問題を解析・解決するために新たな測定器が必要となる、あるいは、新製品の製造のために新たな製造装置が必要となる、などが考えられます。

営業活動の欄に、「きっかけ」の提供とありますが、これはどういうことでしょうか。

これは、第三者の立場では明らかな問題でも本人たちが気付かないケースやその組織上の理由で検討の遡上に乗せてもらえない場合などに、問題に気付かせ検討のきっかけを与えることを言っています。

顧客が問題意識の高い人たちであれば、営業が黙っていても、問い合わせがくるかと思いますが、そうでない場合は、営業が問題提起をしないと商売にはなりません。

現状のプロセスあるいは業務でどのような問題があるのか営業が技術と一緒に分析し、問題提起して、解決策を提案する必要があります。

例えば、次世代の製品を開発するためには、もっと高精度の検査装置が必要であることを、データ付きで説明し、解決策を提案するなどです。

ここで、皆さんも今ある顧客の状況をレビューして、顧客の問題点や課題を考えてみましょう。

営業として大事なことは、顧客の開発担当者や現場のエンジニアと良好な関係を築き、事前に顧客の問題点や課題に関わる情報を収集・分析・整理できていることです。

それらの情報があれば、顧客に合った提案が可能となります。そうでないと、一般的な提案になってしまいます。

もちろん、一般的な提案をして顧客の本質的な問題を探っていくという方法もあります。

さて、あなたは現状は?

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「ここが勝負どころ」 - 生産財のマーケティングと営業を学ぶ(その8 最終回)

2016-08-17 22:03:46 | マーケティングと理詰めの営業
「営業にとって勝負所はどこか」が、このシリーズの課題でした。

今回説明した生産財に関わる購買行動と営業活動の一連のフローは、大きな意味で二つのプロセスに分けることができます。

一つは、購買側が購入のための検討を重ね態度決定を行うプロセスである第一段階から第三段階。購入側の準備期間とも言えます。

もう一つは、購買を実現させるプロセスである第四段階から第7段階です。見積依頼から発注までの期間です。

第四段階以降は、フォーマルな購買手続に従って購買活動を進めるプロセスであり、「買い手」と「売り手」という立場に立って交渉します。

また、現実には第四段階では、すでに「買い手」の実際に購入する部門、例えば、製造装置であれば現場や生産管理部門、の担当者は購入先も含めて「買いたいもの」は決まっている場合がほとんどです。

その「買いたいもの」の購買を正式に行なうために三社見積もりや提案依頼(RFP)を行います。

つまり、「買いたい購入先」以外の会社は当て馬で、この段階から参入しても手遅れな場合が多いのです。

このため、第三段階までに「インサプライヤー」になっていることが非常に重要です。

第三段階までに情報提供や資料作成、デモ等により「買い手」に貢献すること、自分の製品やサービスを買うように「買い手」を誘導ことが大事です。

例えば、他社が持っていない機能が皆様の製品にあるのなら、それを仕様書に反映してもらいましょう(私の場合は、顧客の代わりに仕様書を作成し、自社ユニークな機能を盛り込む等を実行したことがあります)。

そうすれば受注の確率はぐんと高くなります。

お分かりですね。「営業にとって勝負所はどこか」、それは第一段階から第三段階です。

もう一度、自分の案件を見直し、早めに手を打ちましょう。



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