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法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

「営業がやるべきことが分かる」-第二段階「情報提供と調査の手伝い」‐二番手企業の場合

2018-03-16 22:12:39 | マーケティングと理詰めの営業
営業のAさん、「ちょっと話が聴きたい」と購買さんに呼ばれて行くと、かなり金額の大きな案件。しかも、入札に参加しないかと言われ、喜び勇んで帰社。しかし、その話を聴いたS営業部長の顔がくもります。

適切な製品やサービスを提供できないからではありません。案件が入札段階まで進んでしまっているからです。「恐らく当て馬に使われるだけ」とS営業部長は落胆したのです。この入札資料の作成を手伝った会社があるはずです。「いったいうちの営業は何をしていたんだ」と心の中で叫びます。

下記の資料では入札やRFPは全7段階の営業活動の第5段階になります。これからも今のケースは営業の後工程の出来事に過ぎないことが分かります。

しかし、このブログは、まだ第二段階。この段階で二番手だと分かったなら、まだまだ勝ち目はあります。

・まず案件の中身を精査します。顧客の問題・課題の確認、表に出てきていないかもしれない本当の問題・課題を抽出します。そして、案件がどこまで進んでいるか確認します。

・一番手も含めた競合他社の分析をします。会社、製品、サービス、組織、営業力、技術力、サポート力などの情報収集と整理・分析です。同じ業界であれば、ある程度、情報は持っていると思いますが、今、顧客に情報を提供している営業と顧客、顧客の組織、意思決定者に注目してください。

・最後に今回の案件に対する自社の強み・弱みを分析しておきます。自社の技術力、サポート力など製品以外の強み、弱みも整理します。加えて、例えば、この会社の他の工場に製品を入れていて高い評価を得ている、あるいは逆にトラブル続きなど、事実を整理しておきます。

以上の基礎情報を早急に揃えて、クローズまでの戦略を立てます。この段階では精緻なものは無理ですが、戦略を立てて前に進むことに意義があるのです。

さて、上記の営業と顧客の絆は強そうですが、本当のところはどうでしょうか。昔から知っている顧客ならそのあたりの判断はできそうですね。顧客の上司や同僚など他の人からも情報収集する方がよいでしょう。特に、一番手企業が大嫌いというアンチ一番手の人に手助けしてもらうのも一考です。

二番手ですが「営業の第三段階では五分五分」を目標に進めましょう。




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「営業がやるべきことが分かる」-第二段階「情報提供と調査の手伝い」‐一番手企業の場合

2018-03-11 21:42:54 | マーケティングと理詰めの営業
1番手企業の営業のやるべきことは。顧客との緊密な関係および一歩リードしていることを最大限に活かして顧客を自社製品に「誘導」することです。

そのためには競合他社の製品群、特徴、強み、弱みを十分に把握しておく必要があります。
その上で、自社の強みを全面に出し、顧客にそのポイントが重要であることを印象付けます。
それは製品そのものの性能や機能だけではなく、サービス体制や会社の財務力、継続的な開発力かもしれません。
独りよがりの強みではなく、競合分析をした上で自社の強みを打ち出さなければなりません。

そして顧客に「この会社なら問題を解決してくれる」、「今まで通り安心して任せられる」と思ってもらえる下地を作っていきます。

もし、貴社しかもっていないようなオプションがあれば、(例え、それほど重要でない機能でも)それを強く押し、RFPの段階の仕様書に入れるように誘導することも大切です。
特に官公庁の入札の場合は、非常に有効です。
貴社にしかない機能ですので、比較表の他社の欄には確実に×が入ります。

顧客との緊密な関係および一歩リードしていることを最大限に活かして、油断することなく、戦略的に顧客を自社製品に「誘導」することです。
つまり、この段階でクロージングまでの戦略ができていなければなりません。

では、二番手以降の企業はどうするか。次回以降にお話しします。

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「営業のやるべきことが分かる」-第二段階 「情報提供と調査の手伝い」-俺の立ち位置は?

2018-03-04 21:54:51 | マーケティングと理詰めの営業
資料では「第二段階:必要な財の把握」とあります。
この段階は、「探索の開始と計画」の段階とも言われ、顧客は、第一段階での問題意識に基づき解決方法の調査・探索を行います。
そして、問題解決計画の作成と購入する製品の概要をまとめます。
この段階での営業は、顧客が問題解決計画の作成に必要な情報の提供を行います。

さて、情報提供を依頼されたあなたの立ち位置はどのあたりでしょうか。

あなたは第一段階から顧客と情報共有している営業なのか、(検討のきっかけを与えた営業なのか、)第二段階で呼ばれた営業なのか。

顧客の準備状況、顧客への質問から自分の立ち位置を確認します。

第一段階から顧客と情報共有している営業なら、顧客が必要としている仕様やデータ、納期情報などの提供を行うとともに、競合の動きに注意を払います。
また、当該案件にかかわる顧客の意思決定者が誰なのか確認します。

自分の立ち位置が第二段階から呼ばれた営業だと分かった場合は、早急に巻き返しが必要となります。
顧客はなじみの営業(買いたい製品やサービスを提供している会社の営業)にすでに情報提供を依頼し、ある程度、調べて、2番手、3番手となるあなたの会社に補足情報の提供を依頼してきているからです。
依頼された情報の提供を行いながら1番手の会社はどこか、顧客の組織、意思決定プロセス、意思決定者などを調べ、どうすれば勝てるかを考えます。

実際には2番手、3番手の会社に声をかけるのはもっと後、RFPの段階かもしれません。ここまで来ると、2番手、3番手の会社が勝つのはますます難しくなってきます。

さて、1番手企業ならどうすれば勝つ確率を高くできるのか、2番手以降の企業はどうすれば勝てるのか検討していきましょう??

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「営業のやるべきことが分かる」- 運ではなく「うん」

2018-02-24 23:25:08 | マーケティングと理詰めの営業
計測器メーカーで営業をやるまで、相手を戦略的に説得することを真剣には考えていなかったと思います。

資料を作成し、打ち合わせを行い、話したいことを話し、相手の話を聞いて、さらに打ち合わせ。

他の人より多少とも優れていると思うのは傾聴。でもそれは説得力のある話ができないことの裏返しと思います。

打ち合わせを行う場合は、必ずゴールを設定し、そのための全体のストーリーとそれを達成するための質問を考えるということをできるだけ頻繁に行うようにしました。

どう、訓練したらいいか?と質問を受けますが、会社での会議でもこっそりやってみればいいのです。

友達を説得する場合、かみさんを説得するとき、なども練習としてはいいのではないでしょうか。失敗しても大きなダメージはないのですから!!

話し方を変えるのは難しいと思います。まして、技術者から営業に移られた方は、とてもできないと思うでしょう。

でも、準備をして臨めば、相手を説得でき、「うん」と言わせることができます。

運に任せていけません。戦略的な準備が必要です。

では、次回の次の営業ステップに移りましょう。

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「営業がやるべきことがわかる」-第一段階「検討のきっかけ」-新規顧客へのアプローチ

2018-02-19 23:24:11 | マーケティングと理詰めの営業
手元にビジネスのネタがあっても、話す相手が見つからなければ文字通り話にならなりません。

すでに付き合いのある顧客であれば、新たな製品やサービスでも担当者を紹介してもらうことはできるでしょう。

では、全く新規の顧客の場合はどうしたらよいでしょうか。私が経験した事例を挙げていきます。

1.製品展示会でのコンタクトや雑誌広告への反応のフォロー

業界を代表する展示会に出展し、そこに来場する顧客のなかから、当該製品やサービスを購入する可能性のある顧客をフォロー。もっとも基本的なアプローチで、もっとも時間を要する方法です。展示会の後に顧客訪問し、当該製品・サービスの購入の動機となる課題の確認を行い、人間関係を構築しながら、顧客の組織の調査、キーパーソンへのアプローチなどを段階的に行っていく必要があります。

2.紹介の活用

当該製品・サービスと関連のある業界人からの紹介、あるいは自社の他事業部の紹介など様々な紹介があるかと思います。名刺データベースのコマーシャルにあるように、一度コンタクトがあれば、アプローチはしやすく、紹介者が同行してくれれば人間関係の構築もやりやすくなります。当該製品・サービスの購入の動機となる課題の確認を行い、さらなる人間関係を構築しながら顧客の組織、キーパーソンへのアプローチなどを行っていきます。

3.代理店の活用

顧客によっては知らない会社とは付き合わないといった雰囲気を醸し出しているところがあります。また、よそ者と付き合わないという特色の地域もあります。そのような場合は、すでにその顧客と取引のあるその業界に強い代理店を活用するのが一つの方法です。この場合、代理店に手数料として利益の一部を渡しますので、自社の利益が落ちることは覚悟しなければなりません。また、代理店にしっかり働いてもらうための管理方法が必要になります。

4.退職した役員の雇用

最近退職した顧客の役員クラスの人材を雇用し、その人の人脈を使ってアプローチ。もっと時間が節約でき、成功の確率が高い方法です。退職してしばらくすると人脈が消えてしまうこと、現在のキーパーソンとの人間関係が良好であること、人望があることなどが人材採用のポイントです。アプローチを間違えると、「俺たちが決めた製品ではない」と現場のエンジニアから嫌われてしまい納入後に苦労することになります。

以上が、実際に経験した方法です。これ以外に当該顧客に強い営業の採用などもっと有効な方法があるかと思います。ポイントは営業個人ではなく、営業チームとして、会社として組織的に動く必要があるということです。とくに金額が高く、購入までの意思決定が複雑な案件ではなおさらです。
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