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法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

営業関連書籍紹介:『価値づくり経営の論理』- 営業として改めて付加価値を考える

2022-04-24 14:31:09 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:価値づくり経営の論理
出版社:日本経済新聞出版社
著者:延岡健太郎(一橋大学イノベーション研究センター教授)

『価値づくり経営の論理』は、付加価値を改めて定義し、消費財および生産財における付加価値創出の事例を上げ、そのマネジメントの方法を提案している。

第4章で詳述される意味的価値とは、一言で言えば、「顧客の好みや感性、および使用する状況・文脈などから、顧客が主観的に意味づけする価値」である。

製造業のマネジメントにとっては必読の書と言え、また、営業にとっても、どう付加価値を顧客に提案していくべきかを考える手掛かりになるであろう。

章立ては以下のとおり。

第1章 日本企業低迷の本質
第2章 価値づくりができなくなった日本企業
第3章 求められるのは独自性と顧客価値
第4章 意味的価値の論理で差をつける
第5章 消費財を強化する意味的価値
第6章 生産財の魅力を高める意味的価値
第7章 模倣されない組織能力を構築する
第8章 積み重ね技術のマネジメントで価値を獲得
終 章 価値づくりに向けて

弊社の営業力強化ツール「バリュー・セリング(理詰めの営業)」では、その効果を以下のように捉えている。

「バリュー・セリング」の効果
・顧客情報を共有し、属人的な営業からグループ営業へ転換が可能となる。
・案件ごとの状況が明らかとなり、成功までの行動管理ができる。
・競争の土俵を価格からバリューにシフトさせ、不要なディスカウントを無くし、営業が主体となった利益率の改善が図られる。
・案件の取りこぼしがなくなり、売り上げの向上が実現できる。
・ロジカルに物事を考える思考方法が体得できる。
・日本的な精神論ではないロジカルなアプローチであり、海外の代理店や営業にも抵抗なく展開できます。

ここで言うバリューとは、もちろん付加価値のことだ。

私が在籍していたIBMでは「我々は製品を売っているのではない、その機能を売っているのだ。」と教えられた。

その製品あるいはサービスが提供する価値を顧客に認識させ、安易な価格競争を避けるのが「バリュー・セリング」の狙いの一つである。

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営業関連書籍紹介:『「本物の営業マン」の話をしよう』- 一読発見・再読納得

2022-04-17 00:25:11 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:「本物の営業マン」の話をしよう
出版社:PHP研究所
著者:佐々木常夫

第1章 あなたは本物の営業マンか
第2章 事実をつかむことからはじめよう
第3章 鍛えるべきは社内営業力
第4章 "人柄のよさ"だけでは戦えない
第5章 顧客を幸せにして、自らを磨ける仕事

『「本物の営業マン」の話をしよう』(PHPビジネス新書:佐々木常夫著)を再読してみました。



著者の佐々木氏は、根っからの営業ではなく東レにて経営企画などのスタッフ業務に主に従事し、営業経験は42歳からの2年間ほどで、しかも生産財の営業とのことです。

佐々木氏は冒頭で「営業というのはその事業に関する会社の司令塔であり、その事業の損益のあらゆる責任を持つ仕事である」との考えを述べています。

すなわち、営業は単に物やサービスを売るのではなく、継続的に事業を営むという利益責任を伴うとしています。

新しい商品を開発部門に作ってもらうことも、また、生産部門に適切な品質やコストを確保してもらうことも大事な営業の仕事であり、特に「生産財の営業にはこのような機能はMUST」としています。

これはマーケティングの機能ですが、日本の生産財メーカーでは営業にこの機能を持たせているということで欧米の企業とは大きく異なります。

マーケティングは別組織にすべきという私とは見解を異にします。

しかし、佐々木氏は「マーケティングとは小手先のスキル、技法ではない」とマーケティングの難しさ・専門性を分かった上で、営業にその機能を持たせているようです。

顧客対応力として顧客の分析、個人としての目標の把握など『理詰めの営業』の「関係顧客分析」に相当する内容についても触れています。

PHPブックフェアの帯「一読発見・再読納得」も気に入りました。

さて、「本物の営業マン」とは?

根っからの営業ではないが、営業が好きという人あるいは私のように元エンジニアの営業にはお勧めの本です。
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営業関連書籍紹介:『営業をマネジメントする』- 営業研究の第一人者が語る「属人的営業から合理的な組織営業」

2022-04-10 01:26:10 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:営業をマネジメントする
出版社:岩波原題文庫
著者:石井淳蔵



章立ては以下のとおり。

第1章 営業という仕事の意味を探る
第2章 営業の誇りの陰にあるジレンマを探る
第3章 属人の営業と組織の営業の違いを見る
第4章 営業の好機をとらえる
第5章 変化を予期して備える
第6章 営業プロセス・マネジメントの拡がりを知る
第7章 お客さんとの関係をマネジメントする
第8章 マネジメントを深く考える

属人的な営業は、伝承ができないなどデメリットも大きい。

日本の営業の良さを活かしつつ、組織としてスキル・情報を蓄積できる仕組みが必要と説いている。

その一つが営業プロセスマネジメント。営業プロセスを分解し、プロセスごとの専門の営業の育成等を推奨している。

内容は学術的な堅苦しいものではなく、取り上げられている事例は身近なもので分かりやすい。

新人営業にお薦めの本の一冊である。文庫本なので通勤時間に読める。

ゲームをやっている時間があったら読書!!

なお、『理詰めの営業』も手法は異なるが、営業プロセス・マネジメントを基本としている。
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営業関連書籍紹介:『チャレンジャー・セールス・モデル』- ソリューション営業を超えるためには!

2022-04-03 15:41:55 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:チャレンジャー・セールス・モデル - 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」
   (英語名は、The Challenger Sale - Taking Control of the Customer Conversation)
出版社:海と月社
著者:マシュー・ディクソン&ブレント・アダムソン、序章はニール・ラッカム*(三木俊哉訳)
*ニール・ラッカムは、『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』の著者



章立ては以下のとおり。

はじめに 驚くべき発見
第1章 ソリューション営業の進化
第2章 チャレンジャー① ハイパフォーマンスを生む新モデル
第3章 チャレンジャー② 新モデルを移植する
第4章 差別化のための「指導」① なぜインサイトが必要なのか?
第5章 差別化のための「指導」② インサイト主導の会話の進め方
第6章 共感を得るための「適応」
第7章 営業プロセスの「支配」
第8章 営業マネージャーと「チャレンジャー・セールス・モデル」
第9章 先例に学ぶ
おわりに  営業を超えたチャレンジ

この本の帯に、こう書かれている。

我々の「理想の営業像」は完全に間違いだった。

営業には、①ハードワーカー(勤勉タイプ)、②チャレンジャー(論客タイプ)、③リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)、④ローンウルフ(一匹狼タイプ)、⑤リアクティブ・プロブレム・ソルバー(受動的問題解決タイプ)の5タイプがあり、③の関係構築タイプが最も営業成績が良いと予想されていた。

しかし、4年間90社6000人の調査の結果から、営業成績が優秀なのは、②の「チャレンジャー」であることが判明した。

それは、何故か、インサイトとは、チャレンジャータイプの営業を育成するにはどうすべきか、を説いたのが、この本である。

先週、紹介した『営業の教科書』の第3章と第4章の論文で、『チャレンジャー・セールス・モデル』の概要を把握できる。

私も研究を続けているが、このセールス・モデルのエッセンスを日本人向けに取入れ、体系化・システム化するには、まだまだ時間が必要だ。
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営業関連書籍紹介:Harvard Business Review『営業の教科書』- 営業を教えているのか?

2022-03-27 21:52:04 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:営業の教科書(英語名は、HBR's 10 MUST READS ON SALES)
出版社:ダイヤモンド社
著者:ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部訳)



章立ては以下のとおり。

第1章 真の購買決定者は誰か:大口取引に成功する方法
第2章 営業を本気にさせる報酬制度とは
第3章 ソリューション営業は終わった
第4章 ソリューション営業からインサイト営業へ
第5章 ビッグデータで営業の精度を高める
第6章 法人営業で最後の最後で選ばれる方法
第7章 法人営業では五人の見方を作れ
第8章 報酬制度は事業の成長に応じて変える
第9章 営業組織は事業ライフサイクルに従う
第10章 【インタビュー】インセンティブがすべてではない
第11章 営業とマーケティングの壁を壊す

第1章はコンプレックスセールスにおける意思決定を心理学的な側面から分析したもので、『理詰めの営業』の関係顧客分析の強化に役立った。

第3章と第4章はインサイト営業に関する論文で、『チャレンジャー・セールス・モデル』(海と月社)の著者、ブレント・アダムソン等によるもの。
同書の要約として読むことができるが、このセールス・モデルを体系化・システム化するのは、なかなか難しい。

第6章は顧客の購入の決め手となるのは、性能や価格ではなく「正当化要因」であると説いている。
正当化要因には有効期限があり、これをどう継続的に見つけていくかを議論している。
マーケティングの競合分析ではなく、『理詰めの営業』の競合分析の一助になる論文であった。

第7章は自社の商品やサービスを推奨してくれる人(モビライザー)の育成・活用方法を説いている。
『理詰めの営業』の関係顧客分析でアドバイザーあるいはサポーターとして定義している顧客のことで、
この役割となる顧客の育成・活用はコンプレックスセールスでは必須となる。

他の章は、現時点では私に研究対象外。

ところで、第1章の著者は、ハーバード・ビジネス・スクール准教授のトーマス・V・ボノマ。
ハーバードでも営業は教えられていた!!???

先日紹介した『なぜハーバード・ビジネス・スクールで営業を教えないのか?』の内容は、嘘か?

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営業関連書籍紹介:『営業は感情移入』- 本のタイトルから受ける印象よりも科学的で奥の深いアプローチを提示

2022-03-20 10:51:33 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:営業は感情移入
出版社:プレジデント社
著者:横田雅俊(カーナープロダクト代表取締役)

読後に調べたことであるが、著者が起こした会社は「営業を科学する」ことをテーマにしており、そのホームページの最初には、
「株式会社カーナープロダクトは、営業に特化したコンサルティングファームです。科学的手法に基いた徹底的な分析を基に、オーダーメイドでマーケティング戦略、営業戦略策定、営業コンサルティング、営業研修・営業セミナー等を提供しています。理論や理屈ではなく、成果に直結する具体的なアクションにより、顧客企業の継続的成長に貢献いたします。」
とある。

営業研究の材料の一つとして本屋でこの本を手に取ったときは、本のタイトルから精神論満載の本かと思った。しかし、読み進めるにつれ、私が進めている営業のアプローチに近く、奥の深い本であることが判った。

「顧客のパートナーになるための条件=情報収集x価値提案x顧客のメリット」と定義し、顧客の情報の収集と顧客理解の重要性を説き、顧客を十分に理解していると認知され、相談を持ちかけられるようになり、課題解決の提案を行う。これを継続し、顧客のロイアリティを獲得する。

課題解決の提案を行うためには顧客の抱えている課題ばかりでなく組織や人間関係も把握する必要があり、そのためには、知識力、観察力、質問力、想像力、共感力、記憶力が必要とする。

これらの考え方はニール・ラッカム(Neil Rackham)のSPINやMiller Heimanのブルーシートの考え方と共通する部分も多い。

著者は理系の出身であるため、「理論や理屈ではなく」と言いつつも、科学的なアプローチを取っている。

また、著者の会社は、コンサルティングの会社であるが、具体的なツールについてはほとんど触れていない。

しかし、戦略思考を学びたい営業には、有効な本といえる。

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営業関連書籍紹介:『なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか』- そもそも学校では教えない「営業」

2022-03-13 12:26:04 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか
出版社:プレジデント社
著者:フィリップ・デルヴィス・ブロートン
訳者:関美和



理系の私がエレクトロニクスのエンジニアからマーケティング、営業とキャリアを積み重ねる中で、どう勉強したらよいのか一番悩んだのが営業であった。
エンジニアの仕事では、学生時代に学んだ専門科目等を基礎にして、実務を行いながら関連する書籍や論文を読み、自分の知識・経験を蓄積できた。

転職してプロダクト・マーケティングとなったときは、フィリップ・コトラーの『マーケティング・マネジメント』などを精読し、
また、ボストンカレッジのエグゼクティブコースでインターナショナル・マーケティングを学ぶ機会も得た。

では、営業はどうでしょうか。

何事も新しいことを始めるときは勉強から入る。しかし、営業学という学問はない。大学に営業学部という学部は存在しない。

学問的には、営業はマーケティングの4P(製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion))のプロモーションの中の人的販売に過ぎない。
コトラーの本を紐解いても、営業に関する記述は多くはない。

なぜ、世の中に営業が沢山いるのに営業を体系的に学ぶことができないのかと疑問に思っていた私はこの本を手に取ってみた。

その理由は、この本の序章に書かれており、第1章から終章までは、営業の意義、営業の困難さ、営業に必要な資質、営業という仕事の幅の広さ・奥行などが書かれている。
あたかも、営業はあたかもその複雑さと幅の広さ・奥行の深さ故に、学問として「体系化できない」のだと言いたいようであった。

私が営業を研究し、コンプレックスセールスに関して『理詰めの営業』という方法論を作り出した背景には、この「営業を体系化できないか」という疑問がきっかけであった。
営業に向けた精神論ではなく論理的で明確な指針ができないか、個人の資質にのみ依存しない営業の方法論を確立できないかと考えた。
目指したのは、営業プロセスの標準化やマニュアル化ではなく、顧客の動きや環境変化に対して動的に、柔軟に対応するためのツールの作成と営業を論理的に行う方法の開発であった。

<ハーバード大学構内風景>


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営業関連書籍紹介:『伝統と革新の相克 営業の本質』- 営業を学術的に論じる

2022-03-05 22:44:34 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:伝統と革新の相克 営業の本質
出版社:有斐閣
編者:石井淳蔵(神戸大学教授*)、嶋口充輝(慶應義塾大学教授*)
訳者:㈱富士ゼロックス総合教育研究所
*出版時のタイトル

営業関連の書物では大変珍しい学術書で、編者もマーケティング界のトップクラスの方々である。

「営業を科学する」と標榜する方々には、必読の書。

現実編、理論編、戦略編の3部構成となっているが、順番に関わりなく興味のある項目を読める内容になっている。

主な目次は以下の通り。
・ 営業革新の現実
 - コンビニエンス・ストア向けの営業は不要か
 - ハイテク営業の可能性(松下電工にみる営業支援システム)
 - 組織型営業の革新(タカラベルモントの事例)
 - 営業体制のダイヤモンド
・ 営業の理論
 - 営業の信頼性理論
 - 営業の関係理論
 - 営業の認知理論
・ 営業の戦略
 - 営業の戦略と組織
 - ワークショップ型営業の可能性

日ごろ営業として働いている方々や経営者も、自分たちが感じている矛盾点や違和感の原因はこういうことだったのかと納得する本書の内容である。

また、別途紹介するが、石井淳蔵著『営業をマネジメントする』は、営業プロセス・マネジメントの良書であり、事例も分かりやすい。

しかし、私は西村務著『生産財のマーケティング - ビジネス対ビジネスの戦略と実際』の方が、生産財の営業やBtoBの営業には有益と確信している。

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営業関連書籍紹介:『営業を営業にまかせるな』- 過激な著者が、最先端の営業改革を提案

2022-02-26 23:09:30 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:営業を営業にまかせるな – 営業超改造プログラム
出版社:ダイヤモンド社
著者:森口茂 日本エフ・シー・コム社長

関西人らしいパンチの効いた書名だが、あまり期待しないで手に取った。

最初の三章は、マーケティング機能を持つ営業という典型的な日本企業の営業について書かれているので、マーケティングと営業を分けている外資系で育ったものにとっては違和感があった。私は、マーケティングは独立した組織として持つべきと考えており、営業にマーケティングの機能を中途半端に持たせていることが日本企業の弱点と考えている。

しかし、営業をどう普遍化するかを説いた4章以降は、米国系の先端企業で行われている営業に匹敵する内容となっている。

また、商品をハード商品、ソフト商品、顧客接点に分解し、顧客がその商品を使用するメリットであるソフト商品こそが営業が売るべき商品とし、このブログの基本テーマであるバリューセールス(Value Sales)(『理詰めの営業』の別名)の概念を説いているポイントは重要である。

この本の特徴の一つは、取り扱う商品やサービスにより各種ある営業を「狩猟型営業」と「農耕型営業」の切り口でとらえたことである。「狩猟型営業」は、注文を追いかけて顧客を開拓していく活動で、1回注文をもらってしまえば、顧客が再び投資を考えない限り受注が見込めず、新たな顧客を求める。「農耕型営業」は、田畑をきちんとメンテナンスしていれば、毎年同じ場所で収穫できる、すなわち、一旦、商品を採用してもらえれば、フォローをきちんと行うことで、継続して注文を得られる営業である。

また、もう一つの特徴は、営業活動を「採用される営業活動」と「メンテナンス営業活動」に分解していることである。
「採用される営業活動」を営業活動の出発点と捉え、プロセス思考を取り入れ、受注までの商談プロセスをどう前に進めるか会社としての取り組むことを提案するとともに、具体的な方法を述べている。
また、同時に「メンテナンス営業活動」の意義、重要性についても説いている。

この本を先ず熟読し、営業の新たな戦略の枠組みを理解した上で、ニール・ラッカム(Neil Rackham)の『大型商談を成約に導くSPIN営業術』や横田雅俊(カーナープロダクト代表取締役)の『営業は感情移入』を読むことにより具体的な戦術に落としこめると考える。

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営業関連書籍紹介:『「SPIN」営業術』- 大型商談やコンサルティング営業を成功に導く

2022-02-20 17:05:59 | 営業関連書籍の紹介
提案営業やコンプレックスセールスに携わっている方は、すでにお読みの本だと思うが、この4月から新人営業として活躍される方へ紹介する目的で記事を書いた。

Amazonで営業関係の本の売れ筋を調べたところ、『大型商談を成約に導くSPIN営業術』が、第5位に入っていた。

私がこの本を購入したのが、2009年。営業関連では超ロングセラーであろう。

SPIN(スピン)は数千万円から億円単位の大型商談やコンサルティング営業を成功に導くための質問の戦略である。

営業成功の基本は、「いかに顧客を深く理解するか」であり、「顧客の問題・課題を探り出し、それをどう深刻で重大なものに育て上げるか」である。その切り口がSPINである。

SPINは以下の略。

S: Situation Questions(状況質問)….顧客の現状に関する質問。例えば、工場や装置の利用状況、歩留まり、予算の有無や金額、装置購入の意思決定プロセス、組織等。
P: Problem Questions(問題質問)…..顧客の潜在的な問題・課題を抽出。装置の利用率の低い理由、歩留まりが上がらない理由等。
I: Implication Questions(示唆質問)…..顧客が問題の深刻さを理解できるように仕向ける質問。例えば、歩留まりが上がらないことにより年間で1億円損失を出している等。
N: Need-Payoff Questions(解決質問)…..問題・課題が解決できた場合に顧客のもたらさる価値….
                   例えば、この装置を用いれば歩留まりが改善されれば今の年1億円のロスがなくなるとともに年間2億円の利益を生む等

誰が、どのような質問を顧客にして、顧客の心を動かし、自社製品を選択させるか、その戦略は大変重要である。

私はすでにSPINを活用しているが、これだけでは不十分と考え以下のツールを用意している。

①当該商談に関わるすべての顧客の名前、ポジション、役割(装置の評価者、装置の選定者、予算執行者等)と
 各自の本音の思惑・考え(例えば、安いものを選択したい、他メーカーの装置を選択したい、この件には巻き込まれたくない等)をリストアップ
②競合製品情報のまとめ
③商談をクローズするまでの道筋を示すスケジュール表

これだけの情報をそろえるには、相当の時間を用いて顧客とコミュニケーションを持ち、良好な関係を構築する必要がある。

逆に、これらの情報を用いることにより不足している情報が明確になる。

大型商談の営業ならではの活動といえる。
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今年はポスト・コロナに注目!?そもそもコロナはどうなるの?オミクロンは?

2022-01-09 22:24:06 | お知らせ
年初のご挨拶に、
「マスコミか騒いでいるオミクロン株は、「感染力が強くなるも弱毒化」しており、明らかにウイルス感染の終焉の兆候を示しています。今年は「ポスト・コロナ」の顧客の購買行動研究と実践を積み重ね、『理詰めの営業』・・・・・」
と書きました。

その根拠をこれから説明いたします。

実は、私は日本総合研究所主席研究員等をされている藻谷浩介氏のコロナ関係のセミナーに欠かさず出席しています。直近のセミナーは、先月19日に行われたもの。データに基づく合理的な分析で、マスコミの断片的な情報に比べ、信頼できるものです。

では、そのセミナーの資料をかいつまんで説明いたします。

****************************************************************************************
最初の資料は、セミナーが開催された12月19日までの新型コロナ感染の経緯。オミクロン株の影響は、まだ、出ていない。7日間移動平均を用いることに曜日・祝祭日の影響がなくなり。分析が容易に。



次の資料から日本の陽性者数の波は、世界の他の国の波と一致することが分かる。人口100万人当たりに換算してあるため世界のデータ、他の国との比較が容易に。ワクチン接種が行き届いていない国々でも、日本と同様な陽性者数の増減を示している。感染者の増減は、ワクチン接種の有無ではなく、ウイルスの特性と考えられる。



次の資料は、各国の感染者数、死亡者数の比較である。単純な合計値ではなく、死亡者数については人口100万人当たり、陽性判明者数については、人工100人あたり、すなわち%、に変換されているので、国別の比較が容易(可能)。日本と米国・英国とでは、死亡者数、陽性者数いずれも約10倍の違いがあることがわかる。



さて、これが日本の死亡率の推移。徐々に下がっており、第5波のときが0.3%。季節性のインフルエンザの過去の死亡率は、およそ0.1%なので、オミクロン株による第6波の死亡率が0.1%程度というデータが出てくれば、普通のインフルエンザと同じレベルであり、特別な対応は不要で経済重視の施策でよし、と判断されるはずだ。
ちなみに米国のインフルエンザの死亡率は4%(死亡数の定義が異なる)、英国0.8%。



オミクロン株による第6波について藻谷氏は以下のように結論づけている。





ここからは、私見となりますが、第6波は3月には収束。その間に死亡率が少なく、重症化のリスクが少ないことが証明され、経済重視の施策が加速されるはずです。

今後、様々な制限がなくなり、営業はやりやすくなりますが、果たして、コロナ前と同じ「状況」に戻るでしょうか。これがポスト・コロナの研究のテーマの一つです。

さて、コロナが営業活動に大きな影響を与えたにも関わらず、どれくらいの人が、こういうセミナーに出席し、勉強しているのでしょうか。

会社が方針を決めてくれるので、その必要はなし!ですか。
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『理詰めの営業』:今年はポスト・コロナに注目

2022-01-03 16:21:57 | 『理詰めの営業』そのコンセプト
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いよいよインフレの始まりか?「値上げ何てできねーよ」とは言えない事態に。

2021-12-26 16:44:57 | 『理詰めの営業』そのコンセプト
いよいよ今年も残り6日。すでに先週金曜日で仕事納めとなった会社もあるようです。

私のような個人事業は、顧客に合わせて31日まで営業。

結局、今年も「年休取得ゼロ、土日出勤あり、代休が取れただけまし」というブラック企業と同じ状況。

この歳で、めいっぱい仕事があるのは幸せと思うようにしてきましたが・・・・・

来年は仕事を組み替えて、平日に2日休み、土日は仕事にする予定。

さて、「値上げ何かできねーよ」と言う営業に、どう値上げを推進してもらうか、「何に言ってんの」と反応する顧客にどう納得していただくか、
その戦略を3回にわたり書いてきました。

半導体不足や原油の値上がり、コロナ禍後の反動による需要の増加、および、円安等により、
じわじわと物価が上がってきており、値上げの実施時期が迫ってきています。

総務省が24日発表した11月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が100.1と前年同月に比べて
0.5%上昇した。前年同月比プラスは3カ月連続で、上昇幅は20年2月以来1年9カ月ぶりの大きさとなった。<日本経済新聞 2021年12月24日> 

値上げの際には是非、今回の一連の記事を参考にしていただければと思います。

「営業を科学する」といいますが、なかなか科学できないのが営業。

来年も営業の研究を重ねていきます。

では、よい年末・年始をお迎えください。

<飲み会もあと一回?蒲田の夜はふけ行く~♭#>




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(続)「どこでもやれるような事業を優れた事業にすることが大切」(稲盛和夫著「アメーバ経営」より)

2021-11-21 23:24:09 | ・・稲盛和夫のアミーバ経営
私の20年来の知人のK氏、マニュアル制作で大成功しています。

K氏と会ったのは、山梨の半導体製造装置の工場。現場に入り自分で装置のオペレーションをやりながら操作マニュアルのネタになる写真などを取っていました。通常、マニュアル製作会社は、ネタを顧客に要求してくるのですが、K氏は自分で収集。その姿勢に感銘し、パーツカタログも注文しました。

その後、K氏は名古屋から東京に移転。私も別の会社に移っていました。K氏の仕事のやり方も、自分ですべて行うスタイルから、イラストレーターや翻訳者などをコーディネートしてマニュアルを作成するスタイルに代わっていきました。これにより、より多くの仕事ができるようになりました。それでもK氏の会社は彼一人です。

いい腕をもったイラストレーターや翻訳者でも「営業」のできるひとはあまりいません。そこをK氏が補っているわけです。K氏は人当たりも良く、「営業力」があり、大手企業にも臆さずにチャレンジします。なにより、マニュアル制作の隅々まで熟知しているので、マニュアルの厳しい監修ができ、品質の高いものを制作できます。

成功の基準には会社の規模、売上、利益など様々ありますが、たった一人の会社で売上5千万円以上(高収益)なら大成功といっていいのではないでしょうか。そして周囲には喜んで仕事をするイラストレーターや翻訳者、編集者がいます。

まさしく、

「誰もがやれるような仕事をしていても、「あの会社はひと味違う」というような経営をすることが、その会社の真の実力なのである」

を実践するK氏です。

営業力はりっぱな武器です。

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『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 - 自社の強みは?いくつ言えますか?

2021-05-30 01:09:31 | ・・自社を客観的に分析する
「他社を凌駕する自社の強みは?」、「他社製品・サービスを凌駕する自社の製品・サービスの強みは?」と問われたときにいくつあげられますか。

「高品質」「先進的技術」「顧客志向」「環境にやさしい」・・・・・他社も言っています。顧客からみたら差異はなし!

先週は、自社の製品やサービスの競合分析ではなく、自分の会社としての強み・弱みを客観的に分析し、これらの情報の活用方法を学びました。

例えば、強みの例として、「納入実績」「サービスサポート体制」「財務力」「強力な販売網」
「事業部長との人的関係」「業界紙の紹介記事」「XXXX賞受賞」などを上げてみました。

でもこれらの強みは、営業に生かせる強みでしょうか。顧客の誰もが納得する差別化要因になるのでしょうか。

また、前々回は自社の製品やサービスについては、「選定基準に基づく競合分析」を解説しました。

事例のようにいくとは限りません。販売しようとしているあなたの会社の製品やサービスの強みは何でしょうか。

営業活動は『顧客の購買意思決定を支援・誘導して顧客の購買による問題解決を支援すること』です。
簡単に言えば、誘導してあなたの会社の製品・サービスを選択させることです。

この支援・誘導の前提は、あなたが顧客の問題・課題・ニーズを分かっていること、場合によっては、顧客よりも分かっていることです。
顧客にも「こういう問題・課題があるから、こういうソリューションが必要なんです」と説明します。
「そうかそういう解決方法があったか」「じゃ、見積書出してよ。三社見積もりになるけどね」と顧客。

結果、他社が受注。
顧客が気付いていない問題を指摘したり、ソリューションを教えてあげたりしたからと言って、受注できるとは限りません。
無料のコンサルタントにはなれましたが。

顧客があなたの会社を選ぶのは、あなたの会社・組織ならではの強み、あなたの製品・サービスならではの強みを明確に認識したときです。
差異がない場合は、価格の安いものを選びます。では、どうするか?



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