ミート社社長、馬肉と牛脂で作った「牛カルビ」も販売か 2007年6月27日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070627i201.htm?from=main2
北海道苫小牧市の食肉製造加工会社「ミートホープ」による牛肉偽装事件で、田中稔社長(68)は、別の食肉会社に勤めていた約40年前にも、馬肉と牛の脂で作った肉を「牛カルビ」として偽装販売していた疑いがあることが、取引のあった知人男性(67)の証言でわかった。
農林水産省が25日に発表した調査結果では、ミート社の24年前の不正行為が確認されたが、男性の証言は、田中社長の不正が、それ以前から始まっていた可能性を示している。
田中社長は、1976年にミート社を創業したが、それまでは苫小牧市に本社を置く別の食肉会社で、役員を務めていた。田中社長は、多くの工場を切り盛りする立場だったという。
男性は田中社長の古くからの知人で、飲食店を経営していた68~71年ごろ、田中社長の紹介で、この食肉会社から「牛カルビ」を購入した。通常の半値で買えたため、「どうしてこんなに安く買えるのか」と疑問に思い、田中社長の案内で苫小牧市内の工場を見学。「牛カルビ」の製造工程で、馬肉に牛の脂を張り付ける作業を目の前で見た。田中社長は「いろんな方法があるんだよ」と言うだけで具体的な説明はしなかったが、「すぐに牛肉ではなく馬肉と分かった」という。
ミート社、産地偽装など不正13項目 農水省検査で判明 2007年06月26日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0625/TKY200706250350.html
牛ミンチの偽装問題で、北海道苫小牧市の食品加工卸会社ミートホープが約24年前から商品を偽装し、牛ミンチだけでなく牛スライスや豚ひき肉、牛脂にも表示外の肉を混ぜるなどしていたことが25日、農林水産省の立ち入り検査結果で分かった。同省は田中稔社長(68)ら幹部が不正と認識しながら指示していたと確認。日常的な賞味期限の改ざんや産地偽装なども相次いで確認されており、一連の不正は13項目。同省は改善を求めて同社を指導する方針。
同省は22~24日、ミート社と系列販売会社、北海道加ト吉の3業者の幹部らから聞き取りをした。さらに資料の分析で判明した偽装行為の概要を公表した。
検査結果によると、一連の偽装行為は、田中社長か社長の意向を受けた幹部の指示だった。確認された最初の偽装は83年ごろで、豚ひき肉に焼き豚の端材を混ぜていた。牛ミンチへの混入は98年ごろからで、豚のほか鶏やカモも混入し、現在の販売先は18社。同年ごろまで、豚ひき肉に豚の内臓も入れていたという。
02年以降は、国産の牛スライスに5回に1回の割合で外国産肉を混入▽牛脂に豚脂を混ぜる ▽牛粗びきに豚やラムを入れる、などの偽装を次々と始めていた。
賞味期限の改ざんも繰り返されていた。
牛ミンチでは、加工日を意図的に翌日にして賞味期限を延ばす「先付け」が日常化。05年ごろからはフライドチキンや焼き鳥、ブタ串の冷凍食品を別業者から仕入れ、賞味期限を改ざんしたうえで、外食用や業務用に再出荷していたとする。
北海道加ト吉の前工場長(53)=24日付で解任=から格安で横流しされていた冷凍コロッケも、賞味期限を改ざんして売っていたという。
今回の検査では、ミート社工場から、大手鶏肉卸業者名の包装袋1万5000枚以上を発見。田中社長は「24年ごろ前に入手し、種鶏を詰めて販売していた。最近はやっていない」と説明したが、大量に保管されているのは不自然だとして、同省はその後も悪用していなかったか調べる。
一方、同時に検査を受けた北海道加ト吉の前工場長は、今回の牛ミンチへの豚肉の混入について、「牛肉以外の肉の混入は知らなかった」と説明したという。
一連の行為は、日本農林規格(JAS)法に触れる可能性がある。ただ同法は、消費者向け食品が対象で、業務用は適用外のため、同省は引き続き、ミート社販売先の商品に不適正表示がないかどうかを調べる。
ミート社が24年前から、偽装をしていたことにも吃驚しましたが、こちらはあくまでも確認できたもので、不正行為も13項目にも及んだようですね。 それだけでも吃驚なのですが、この不正行為を何とも思わない経営体質は、田中社長が独立する前に所属していた別の食品会社で工場を切り盛りする立場だった頃から既にしみついていたようで、なんと前にいた会社では、馬肉を混ぜた牛カルビを作っていた疑いまである(田中社長の場合、噂といってもこれまでの言動を見ると、結構信憑性が高いのでは…)ようです。
まあ、当時としては、こういった食品偽装の問題もそれ程うるさくなかったのかもしれませんが、問題は一度この手の不正に手を染めると、その後競争力を高める抜本的な努力を怠り、どんどん不正行為の道に入り込んでしまい、抜けられなくなってしまうこと。(ある意味売り上げを架空計上する粉飾決算にその形は似ていると思います)
いつかはその体質を修正しなければ、破綻は必至だったのですが、肝心の経営者の質が伴わなかったために、この会社の破綻は起こるべくして起こったように思います。
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農林水産省が25日に発表した調査結果では、ミート社の24年前の不正行為が確認されたが、男性の証言は、田中社長の不正が、それ以前から始まっていた可能性を示している。
田中社長は、1976年にミート社を創業したが、それまでは苫小牧市に本社を置く別の食肉会社で、役員を務めていた。田中社長は、多くの工場を切り盛りする立場だったという。
男性は田中社長の古くからの知人で、飲食店を経営していた68~71年ごろ、田中社長の紹介で、この食肉会社から「牛カルビ」を購入した。通常の半値で買えたため、「どうしてこんなに安く買えるのか」と疑問に思い、田中社長の案内で苫小牧市内の工場を見学。「牛カルビ」の製造工程で、馬肉に牛の脂を張り付ける作業を目の前で見た。田中社長は「いろんな方法があるんだよ」と言うだけで具体的な説明はしなかったが、「すぐに牛肉ではなく馬肉と分かった」という。
ミート社、産地偽装など不正13項目 農水省検査で判明 2007年06月26日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0625/TKY200706250350.html
牛ミンチの偽装問題で、北海道苫小牧市の食品加工卸会社ミートホープが約24年前から商品を偽装し、牛ミンチだけでなく牛スライスや豚ひき肉、牛脂にも表示外の肉を混ぜるなどしていたことが25日、農林水産省の立ち入り検査結果で分かった。同省は田中稔社長(68)ら幹部が不正と認識しながら指示していたと確認。日常的な賞味期限の改ざんや産地偽装なども相次いで確認されており、一連の不正は13項目。同省は改善を求めて同社を指導する方針。
同省は22~24日、ミート社と系列販売会社、北海道加ト吉の3業者の幹部らから聞き取りをした。さらに資料の分析で判明した偽装行為の概要を公表した。
検査結果によると、一連の偽装行為は、田中社長か社長の意向を受けた幹部の指示だった。確認された最初の偽装は83年ごろで、豚ひき肉に焼き豚の端材を混ぜていた。牛ミンチへの混入は98年ごろからで、豚のほか鶏やカモも混入し、現在の販売先は18社。同年ごろまで、豚ひき肉に豚の内臓も入れていたという。
02年以降は、国産の牛スライスに5回に1回の割合で外国産肉を混入▽牛脂に豚脂を混ぜる ▽牛粗びきに豚やラムを入れる、などの偽装を次々と始めていた。
賞味期限の改ざんも繰り返されていた。
牛ミンチでは、加工日を意図的に翌日にして賞味期限を延ばす「先付け」が日常化。05年ごろからはフライドチキンや焼き鳥、ブタ串の冷凍食品を別業者から仕入れ、賞味期限を改ざんしたうえで、外食用や業務用に再出荷していたとする。
北海道加ト吉の前工場長(53)=24日付で解任=から格安で横流しされていた冷凍コロッケも、賞味期限を改ざんして売っていたという。
今回の検査では、ミート社工場から、大手鶏肉卸業者名の包装袋1万5000枚以上を発見。田中社長は「24年ごろ前に入手し、種鶏を詰めて販売していた。最近はやっていない」と説明したが、大量に保管されているのは不自然だとして、同省はその後も悪用していなかったか調べる。
一方、同時に検査を受けた北海道加ト吉の前工場長は、今回の牛ミンチへの豚肉の混入について、「牛肉以外の肉の混入は知らなかった」と説明したという。
一連の行為は、日本農林規格(JAS)法に触れる可能性がある。ただ同法は、消費者向け食品が対象で、業務用は適用外のため、同省は引き続き、ミート社販売先の商品に不適正表示がないかどうかを調べる。
ミート社が24年前から、偽装をしていたことにも吃驚しましたが、こちらはあくまでも確認できたもので、不正行為も13項目にも及んだようですね。 それだけでも吃驚なのですが、この不正行為を何とも思わない経営体質は、田中社長が独立する前に所属していた別の食品会社で工場を切り盛りする立場だった頃から既にしみついていたようで、なんと前にいた会社では、馬肉を混ぜた牛カルビを作っていた疑いまである(田中社長の場合、噂といってもこれまでの言動を見ると、結構信憑性が高いのでは…)ようです。
まあ、当時としては、こういった食品偽装の問題もそれ程うるさくなかったのかもしれませんが、問題は一度この手の不正に手を染めると、その後競争力を高める抜本的な努力を怠り、どんどん不正行為の道に入り込んでしまい、抜けられなくなってしまうこと。(ある意味売り上げを架空計上する粉飾決算にその形は似ていると思います)
いつかはその体質を修正しなければ、破綻は必至だったのですが、肝心の経営者の質が伴わなかったために、この会社の破綻は起こるべくして起こったように思います。
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