ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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日本振○銀行の定期預金と他行の資金流出対策

2009-07-12 11:36:41 | Weblog
 一方、将来のマイホーム取得を夢見て、支給される賞与を貯金に回して1円でも多く増やそうと、『少しでも高い定期預金はないか』と新聞の織り込みチラシを目を皿のようにして見比べているご家庭も少なくないと思いますが、そんなご家庭にとって気になりそうなのが、一部金融機関が派手に配布している高金利の定期預金チラシ。
 実は私が今住む町でも、今年になってからこの銀行の支店がオープンし、『あれ? いつの間にオープンしたんだ??? この銀行って東京近辺で商売している銀行ではなかったの???』とクビを傾げていたのですが、既に全国101店舗体制となり、気になる金利水準も先月の募集分(2009年5月25日~2009年6月19日)よりは0.1ポイントずつ預金募集金利も下がっていたものの、それでも『10年定期で年2.1%、5年定期で年1.8%、3年定期で年1.4%、1年定期で年1.0%(当然利息には税金がかかるため、実質手取りはその8掛けになります)』と、『100万円を預けると1年後に100万8000円になって戻ってくるのか』と思うと、(今の都銀や地方銀行の金利水準を考えると)ついつい気持ちが揺らぎそうになります…(苦笑

参考:新○銀行が盛んに宣伝している、ディリバティブを活用した途中解約すると元本割れリスクの高い『預金期間延長特約付円仕組預金(3年以降、1年ごとに運用を継続するかそれとも償還するかを銀行側が決める、要は銀行の都合で3~10年の運用期間を自由に決めることができる金融商品 http://www.shinseibank.com/powerflex/powerstepup/index.html)でも、10年で2%、5年で1.6%、3年で年1.4%ですから、定期預金あるいは定期預金に類似する金融商品としてはかなり魅力的な利率です。


 ただただ、こういった高金利商品は、いくらチラシに『預金保険の対象』とあっても、それだけで飛びつくのは少し考えもの。これは普通社債の募集を考えれば、実にわかりやすいと思いますが、高格付けの電力会社の社債の利率よりも、新興企業の社債の利率が高いのは、見方を変えれば、それだけ高利率を付けなければ売りさばくことができないことを意味しますし、銀行の話に戻せば、それだけこの銀行は預金集めに苦労しているということ。
 『個人にこれだけの高金利をつけて資金調達しても銀行が損をしないと思われる程高い利率で貸出しできる取引先がどのくらいあるんだろう???』(私が経営者の立場ならば、より利率の安い自治体融資が借りられないかまず先に考えますね…)『そんな高金利でもお金を借りるような先に融資して本当に大丈夫???』(一歩間違えば、新銀行東京同様巨額の不良債権を抱え込むリスクもまんざら否定できないと思います)といった視点も持って、金融機関の経営リスクも慎重に判断したうえで預金口座を作るかどうかを判断して欲しいと思います。

 まあ、この日本振○銀行の目玉商品自体、パンフレットによくよく目を通すと、『お預入資金は、当行指定の金融機関指定口座(具体的には三菱UFJ銀行の振込専用口座)にお振り込み頂きます。お振込手数料はお客様負担となりますので、ご了承ください』と店舗を構えているにも関わらず、ネット預金と同じ取扱で、とりわけご高齢の方には心理的な抵抗がありそうですし、最低預入残高も50万円といささかハードルが高い。そういった事情もあり、これだけの高金利商品なんだと思います。



 もっとも、こういった高金利商品に自行の預金を取り崩される地元金融機関としては、預金の流出にかなり神経質になっているようで…(滝汗
 というのも、私の住む町にも地元への影響力が非常に大きいお殿様地銀(一時期経営危機に陥りましたが、今は公的資金を返済中。隣県は勿論のこと、その隣の県にも二桁の店舗をもつ広域地銀です)があるのですが、ある日自宅に帰ると、なんとなんとその銀行の最寄の支店の支店長の名刺が机の上に???
 怪訝な目でその名刺を眺めていた視線の先に気がついたのか、母が『ああ、今日支店長さんが、「近くまで来たので」と家に来たんだよ』と名刺がある理由を説明してくれたのですが、資産家の家ならまだしも、築うん十年の一庶民の家を一軒一軒支店長が訪問する 支店長自らのどぶ板営業など、銀行の規模を考えればこれまでは想像すらできないことでしたし、『これは絶対何かある!』と思っていたのですが、よくよく考えれば、その頃はちょうど、日本振○銀行の支店が地元にオープンして派手に高金利預金のチラシをばら撒きはじめた時期と一致するんですよね…(苦笑

 まあ支店長さんとしては、ライバル?行の進出に危機感を覚えての言動だったのでしょうし、『自分が回ることで、支店近辺の預金の流出が防げれば安いもんだ』といった意味合いがあったのかな…とも思えるのですが、『まさかあの銀行の支店長さんがどさ回り営業をするなんて…』とホント吃驚しましたし、それだけ預金獲得競争が激しさを増していることを痛感しました。
 さすがに数日後にいつも預金の満期手続きに来ている営業の方が、『満期の定期預金の代替商品にどうか』と持参した5年ものの個人年金保険には食指を伸ばす気にもなれなかった(3年以内の解約では元本割れになる商品で、取扱保険会社の破綻リスクと運用商品の予定運用利率を見比べると、担当者には申し訳なさを感じつつもお断りせざるをえませんした)のですが、ごくごく個人的な意見を述べるならば、担当者が信頼に値すると思える方ならば、コンマ1や2程度の利息の差でこれまでの信頼関係を崩してしまうのもどうかと…。
 まあ、このあたりは個人の考え方の差というものもあるとは思いますが、どうされるのかは、『(この記事を読んでいる)あなた自身がそれぞれ考えること』かと思います。

夏ボーナス下げ幅最大、16.6%減 支給額首位は任天堂

2009-07-12 11:28:02 | Weblog
夏ボーナス下げ幅最大、16.6%減 支給額首位は任天堂 2009年7月12日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090712AT1D0903F11072009.html
 日本経済新聞社が11日まとめた今夏のボーナス調査の最終集計(6月30日時点)によると、平均支給額は前年比16.6%減で、2年連続でマイナスになった。景気後退や消費低迷など先行き不透明感が増したことを反映し、下げ幅は調査開始以来最大。回答企業の78%が昨夏実績を下回り、上回ったのは18%にとどまった。
 集計企業数は702社。平均支給額(加重平均)は70万1012円で、昨夏より約14万円減った。中間集計(4月22日時点、201社)では15.2%減だったが、最終集計は中堅中小企業が加わり、マイナス幅が1.4ポイント拡大した。ボーナスは業績と連動させる企業が多いため、業績の急激な悪化を反映した。企業別ではゲーム機の販売好調で2009年3月期に過去最高益となった任天堂が2年ぶりに支給額首位に返り咲いた。


 う~ん。夏のボーナス支給額は平均16.6%減ですか…(絶句 賞与を貰えないあるいは寸志程度しか貰えない非正規社員や仕事に就くことさえできない失業者からみれば、『それでも支給されるだけマシじゃないか!』といった恨み節も聞こえてそうですが、つい数年前までは住宅ローンを組む時にボーナス払いを併用することはごくごく当たり前に行われていただけに、賞与という名の変動的収入であるにも関わらず住宅ローンの返済財源として当てにしていたご家庭も少なくないでしょうし、月々の家計の赤字を消費者金融や銀行のフリーローンで借り入れてボーナスで返済していた方などは、その返済原資が確保できずに困ることになりそうです。
 まあ、住宅ローンの返済を行っていない方ならば、最悪収入に見合ったレベルに生活水準を合わせれば良いのですが、住宅ローンの場合は目一杯借りきっているケースも少なくありませんし、将来的に金利上昇してきた時に変動金利で住宅ローンを組んでいれば、その負担も増えそう。
 そんなことを考えていると政府の景気回復?基調宣言もしらじらしくしか聞こえませんね…(溜息

サマータイム「日韓同時なら効果大きい」 首相発言

2009-07-12 11:22:34 | Weblog
サマータイム「日韓同時なら効果大きい」 首相 2009年6月29日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090628AT3S2801828062009.html
 麻生太郎首相は28日の日韓首脳会談後の記者会見で、夏に時計の針を1時間進めるサマータイム制度について「やるなら一緒にやるというのは極めて効果が大きい」と述べ、日韓同時で導入すれば経済効果が大きいとの認識を示した。
 サマータイム制度は夏の日照時間の長さを活用するもので、温暖化ガス削減に効果があるといわれる。首相は「韓国で議論がいろいろ進んでいることも知っている。日本の対応を今後考えていきたい」と強調した。
 日韓首脳会談では7月1日の中小企業産業技術フォーラムや同3日の日韓中小企業CEOフォーラムなどで産業協力を進めることを確認した。



 少し前の首相の発言ですが…。
 う~ん。サマータイム制度の導入についての議論はかなり昔から『出ては消える』を繰り返していて、とかく省エネ効果や労働時間削減への期待といったメリットばかりが強調されがちですが、現実問題として 本当に実施しようと思えば、案外現場は負担だと思いますよ…(汗
 例えば、ATMの稼働時間も1時間ずらすのか、子供の保育時間も1時間ずらすのか…などなど。
 現代ではあらゆる会社にコンピューターシステムが導入されているため、一定時期だけ会社の稼働時間をずらすようなコンピューターシステムを作るだけでも企業にとっては負担ですし、ましてATMの稼働時間までずらそうと思えば金融機関の負担増は必至(システム会社だけが儲かりますね…)。
 他にも、取引の関係上、営業時間をずらしたくてもできない会社もあると思いますが、そこで働く社員の子供を預かる保育所だって、保育時間を柔軟に変更できなければ、働き手が二重保育を強いられることになったり、延長保育料が余計にかかる、最悪預け先がなくなり、仕事と家庭の両立ができなくなり退職を余儀なくされるケースも十分あり得ますが、かといって保育時間を双方の会社に対応できるように夏場のみとはいえ1時間増やせば、今度は保育所の側の負担が高まってしまいます。
 どうもこれまでの議論を見ていると、働き手や会社そのものの負担についての議論が抜け落ちているように感じますし、『他国でやっているから我が国でも』と安易に飛びつくのではなく、『一体誰のために導入するのか』という、もっと肝心なことについて真剣に議論してほしいと思うんですけどね…(溜息

「血がさらさらに」と布団売り付け商法が暗躍

2009-07-12 11:12:58 | Weblog
「血がさらさらに」と布団売り付ける 福岡県警が男2人逮捕 2009年7月3日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090703/crm0907031321018-n1.htm
 「血がさらさらになる」と言って約30万円の布団を売り付けようとしたとして、福岡県警うきは署は3日までに、特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで、長崎県佐世保市の無職、鶴田盛弘容疑者(56)と福岡県筑後市の会社員、石橋康誠容疑者(40)を逮捕した。
 逮捕容疑は、共謀して平成19年9月上旬、うきは市の70代の女性宅を訪問し、血液を採取。顕微鏡で拡大した血液の映像をテレビに映し「どろどろしている」と告げ、布団を掛けた後に再び血液を抜き「善玉菌が増えてさらさらになった」とうそを言った疑い。
 県警は3日、鶴田容疑者が勤務していた布団販売会社の大阪営業本部など3カ所を捜索。組織的な関与がなかったか調べている。


 ん…。この血液を採取して、不安を煽るようなことを言って健康(と称している)高額の商品を買わせる手口は、これまでは健康?ブレスレッドなどの被害が多かったのですが、最近は布団商法の被害も多いようですね…(滝汗
 ちなみに こちらは、国民生活センターが監修している『ここまで巧妙ならみんなだまされる悪質商法のすごい手口』という本の『インチキな検査で不安をあおり、高額な健康商品を売り付ける』の受け売りなのですが、一般論として、人間中高年にもなれば、誰しも持病を抱えていたり、健康に1つや2つの不安を抱えていて、詐欺師はそんな不安につけこみ、『無料の健康チェックをしませんか』などと称して検査をした振り(本当に採血の検査をしているのならば、健康保険を用いても数千円かかります!!!)をして『血液がドロドロ状態』『良くない結果が出た』などと脅し高額商品を売り付ける典型的な詐欺商法を行うわけですが、中には『血液がサラサラになるとされる磁気布団を買わされて、勿体ないからとその布団に寝ていて却って心臓を悪くした』例や『健康食品とされるものを飲み続けたところ、体が健康になるどころか皮膚に異常が現れた』例、『同、下痢をした』例、倒れて救急車で運ばれた例など、単に金銭的被害に留まらずに、健康被害が出てしまう恐ろしい事例もあるのだとか…。

 そもそも医師や看護師でない人が採血をしたり、医師でない人が健康結果を診断したりすることは法律で禁止されていますし、100歩譲って 本気で血液をサラサラにしたいのならば、ウォーキングを日常生活に取り入れる運動療法を行うと共に、肉や魚など動物性たんぱく質の摂取を適量にとどめ、野菜中心の生活に変えていかない限りは、根本的な体質改善は無理だと思います。
 ラクをしてダイエットできる方法がないのと同様、血液をサラサラにするのも長期戦は必須。皆様もこのような阿漕な業者に騙されることなく、自分のお金と健康は自分の手で守って下さいね。