ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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東京の携帯通話料、NYの3倍・奨励金制度が影響

2007-08-31 09:02:45 | Weblog
東京の携帯通話料、NYの3倍・奨励金制度が影響 2007年8月29日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070828AT3S2801Q28082007.html
 総務省が28日発表した「電気通信サービスに係る内外価格差調査」によると、携帯電話の通話料を1分あたりに換算した場合、東京が39円とロンドン(48円)、パリ(41円)に次いで世界7都市の中で3番目に高いことが分かった。ニューヨーク(12円)やソウル(19円)に比べ2―3倍割高となる。
 調査は2007年3月末時点の各都市で主要な携帯電話会社の料金プランをもとに計算した。総務省は携帯電話会社が携帯端末を1円など格安で販売する代わりにその分を通信料に上乗せして回収する「販売奨励金」などが割高の原因とみて各社に是正を促していく方針。


 主要な電気通信サービスの料金を比較すると、
 DSL料金は、東京が一番安く、ソフトバンクBBで2938円、NTTのフレッツADSLモアⅢでも3370円に対して、ソウル4132円、ニューヨーク4470円、パリ4592円、ロンドン5320円。しかも日本のDSLはプロバイダー間で高速通信競争が行われたこともあり、1Mbps換算で見ると、東京で59円(BB)又は72円(NTT)、ソウルで83円に対して、パリ255円、ロンドン665円、ニューヨーク1490円と DSLに関しては世界一安い水準ですが、同じ常時接続でもケーブルテレビとなると、東京4600円に対して、パリ3934円、ソウル4507円、ニューヨーク5288円、ロンドン6898円。
 住宅の固定電話基本料金は、東京が1707円に対して、ソウル651円、パリ2105円、ロンドン2168円、ニューヨーク2220円。
 市内の通話料金(平日12時に3分間通話した場合)は、東京が8.5円に対して、ソウルが5円、ニューヨーク11円、パリ21円、ニューヨーク24円。

 次に携帯電話の利用料金ですが、低利用者(音声月44 分・メール月6通利用・データ利用なし)の場合、東京が2900円(うち音声利用分2700円、メール利用分200円)に対して、ソウルが2000円(同2000円、0円)、パリ3400円(同3300円、100円)、ニューヨーク4100円(同3900円、100円)、ロンドン4200円(同4200円、0円)。中利用者(音声月97 分・メール月100 通利用・データ月16,000 パケット)の場合、東京が5100円(音声利用分3800円、メール利用分1300円)に対して、ソウル3300円(同2600円700円)、ロンドン5500円(同4600円、900円)、ニューヨーク5900円(同3900円、2000円)、パリ6000円(同4600円、1500円)。高利用者(音声月246 分・メール月300 通利用・データ月670,000 パケット)の場合、日本が9900円(うち音声利用分5600円、メール分4300円)に対して、ニューヨーク7200円(同3900円、3300円)、ソウル8400円(同4300円、4100円)、ロンドン9400円(同6300円、3100円)、パリ15600円(同7700円、7900円)。
 1分当たり料金は東京が39.4円に対して、ニューヨーク11.7円、ソウル19.2円、パリ40.9円、ロンドン48.2円。(新聞報道では、これが割高だと言っています)
 携帯電話の利用料金と利用時間の関係を見ると、料金が高い分通話時間を少なくして通話料を抑えてる東京とロンドン、通話時間も通話料金も高いフランス、通話料金が安い分、通話時間が長めのアメリカとソウルといった、おおまかな地域ごとの色分けができそうです。

電気通信サービスに係る内外価格差に関する調査 はこちら
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/pdf/070828_3_bs.pdf

「出会い喫茶」急増・児童買春などの温床に

2007-08-31 08:58:20 | Weblog
「出会い喫茶」急増・児童買春などの温床に 2007年8月25日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070825AT1G2002V25082007.html
 男女が来店しデート相手を探す「出会い喫茶」が全国の都市部で急増している。援助交際を目的に訪れる男女も多く児童買春など犯罪の温床になっているとされるが、新しい営業形態であるため、現行の風営法などに基づく規制は難しいのが実情。出会い喫茶を舞台にした事件も相次いでおり、警察当局は警戒を強めている。
 午後10時を回った東京・歌舞伎町の出会い喫茶。店内は男性用と女性用の部屋にマジックミラーで仕切られ、20―30代の男女が数人ずつ来店していた。


 40代より上の方だと『出会い喫茶』って何? という方もいるかもしれませんが、テレクラや出会い系サイトと異なり、マジックミラーなどを通して男性と女性が会話をして、女性への謝金を払うなど一定の条件を満たすと、お店から出て女性会員と遊ぶことができるタイプの新しい業態で、現時点ではまだ風俗営業法の規制の対象外とされているようですね。
 まあ、こういった業態も、言ってしまえばテレクラの顔が見える版のようなものですし、年齢確認が不十分(女性会員については故意に黙認している???)だと犯罪の温床になりかねないだけに、後追い規制ではいつまでたってもいたちごっこ状態ですし、今後は風営法の規制をどう包括的に適用していくかが、今後法改正を行う上での課題になってくると思います。

大阪市職員が酔って選挙ポスターに落書き、「無職」と偽る 

2007-08-31 08:54:26 | Weblog
大阪市職員が酔って選挙ポスターに落書き、「無職」と偽る 2007年8月30日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070830i503.htm
 大阪市環境局の港工場副工場長(58)が参院選期間中の先月、旅行していた東京都内で、酒に酔って候補者のポスターに落書きをしたとして公職選挙法違反(自由妨害)で警視庁に現行犯逮捕されていたことがわかり、市は29日、停職10日の懲戒処分にした。
 副工場長は、取り調べに対し「無職」と身分を偽っていたが、無断欠勤を不審に思った環境局がネット情報を検索して、逮捕が発覚した。副工場長は同日付で依願退職した。
 市によると、副工場長は先月22日午後3時ごろ、東京都台東区浅草で、ポスターの参院選比例代表候補の名前にフェルトペンで線を引いていたところを通行人に取り押さえられ逮捕された。
 同局は、副工場長と連絡がつかないため、事件に巻き込まれた可能性もあるとみてネット検索をし、一部新聞のサイトで同姓同名の男性逮捕の情報を知り、同27日、警視庁に照会して副工場長と判明。市は「公務員の信頼を損なう行為である上、身分を偽ったことも不適切」としている。
 副工場長は「酒に酔った勢いでやった。不祥事続きの大阪市の職員とわかれば迷惑がかかると思い、無職とウソをついた」と話しているという。


 もうすぐ還暦を迎えるいい大人が、いくら酔っていたとはいえ、選挙ポスターに落書きという行為もあまりにも大人げありませんが、その上、取調べの時に無職と身分を偽るなど恥の上塗りもいいところですね。
 大体、年中遅刻欠勤の常習者の平社員ならまだしも、この容疑者は副工場長という管理職の立場にあるわけですから、無断欠勤すれば、当然ながら自宅に連絡が行くでしょうし、連絡がつかない状態が何日も続けば、書類の稟議など業務の遂行にも重大な支障を生じかねないだけに、職場の人間がネット検索などあらゆる手段を使ってその行方を捜すことはある意味当然な話。誤魔化しきれるわけもないのに、この容疑者は一体何を守ろうとしたのでしょうか??? ホント迷惑な話です。

吉野家、激安「びっくりラーメン」事業引き受け

2007-08-31 08:50:35 | Weblog
吉野家、激安「びっくりラーメン」事業引き受け 2007年8月31日 
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070830i513.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070830AT1D3009D30082007.html
毎日 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070831k0000m020058000c.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070830i513.htm
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0831/OSK200708300077.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070830AT1D3009D30082007.html
 牛丼大手の吉野家ディー・アンド・シーは30日、1杯180円(税抜き)の激安ラーメン店「びっくりラーメン」を全国展開するラーメン一番本部(本社・大阪市)の事業の主要部分を買い取ることで合意したと発表した。
 経営が悪化していたラーメン一番本部が同日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請したことを受けたものだ。吉野家は、回転寿司やうどん店などを傘下に持つが、ラーメン分野に参入するのは初めてとなる。
 民間の信用調査会社、帝国データバンクによると、ラーメン一番本部は1997年創業。激安ラーメンで新聞・テレビなどにも紹介されて急成長し、関西や首都圏など全国に189店を展開していた。
 ピークの2005年12月期には売上高58億円を計上したが、急激な店舗網の拡大などで収益が悪化していた。


 びっくりラーメンが民事再生法の申請を受けたことも寝耳に水状態で吃驚しましたが、ご同業の激安ラーメンチェーンならまだしも、吉野家がこの事業を引き受けるとはもっと吃驚しました。
 吉野家といえば、元々牛丼の単品経営で高い利益率を誇り、さすがにアメリカ産牛肉が入荷しない間は、豚丼など複数の商品を取り扱いましたが、メニューが増加したせいで、現場の店舗オペレーションが大混乱。
 そんな過去の教訓があるだけに、まさか吉野家の店舗でラーメンを提供するとは到底思えませんし、食材もほとんど使い回しがきかない中、「安い値段で主力商品を提供する」以外に両社の共通点が思いつかないのですが、吉野家はこの既存店舗をどう運営し続けていくつもりなのでしょう?

 確かに、吉野家の子会社には『はなまる』(http://www.hanamaruudon.com/index.html)という讃岐うどんのお店があり、多角化の一環という見方もできますが、ラーメン一番では、従業員の採用一つとっても、不法就労の外国人を雇っていた店舗もあり、また日本語が不自由な外国人を店の責任者にするなどしたため接客サービスが低下して顧客離れを起こしたことがそもそも経営不振の原因だけに、会社の建て直しは素人目に見ても相当の困難が予想されます。それだけに、上手く行けば儲けものですが、人材の大幅な入れ替えは不可欠でしょうし、最悪清算の可能性すら否定できないのでは…と私はどうしても悲観的な目で見ています。

 また、読売&日経記事によれば、吉野家は焼き肉チェーン「牛繁ドリームシステム」(本社・東京)への出資比率を9月末までに10・57%から33・34%に引き上げ、連結決算の持ち分法適用会社にするようですね。牛繁ドリームシステムは首都圏を中心に85店舗を展開する中堅の焼肉チェーン。こちらについては、吉野家の子会社に石焼ビビンパを提供しているお店もありますので、食材の共同仕入れなど工夫のし甲斐がありそうです。

ニュースリリースはこちら
http://www.yoshinoya-dc.com/news/pdf/070830_3.pdf(ラーメン一番)
http://www.yoshinoya-dc.com/news/pdf/070830_1.pdf(牛繁)
牛繁ドリームシステムのHPはこちら http://www.gyushige.com/

前厚労省九州局長、社会福祉法人前理事長から現金や高級車 その他関連記事

2007-08-31 08:41:34 | Weblog
前厚労省九州局長、社会福祉法人前理事長から現金や高級車 2007年8月30日 
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070830AT1G3000I30082007.html
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070830it01.htm
 厚生労働省九州厚生局の松嶋賢・前局長(59)が大阪府の社会福祉法人の前理事長から数百万円単位の現金や高級車計3台を無償で受け取っていたことが30日、分かった。松嶋前局長と前理事長は遠せきという。松嶋前局長は厚労省で社会福祉法人の認可などを統括する立場にあった。利害関係者からの金銭や物品の受け取りを禁ずる国家公務員倫理法に抵触する疑いがあり、同省が調査を始めた。
 松嶋前局長に現金や車を渡していたのは、大阪府枚方市の社会福祉法人「枚方療育園」の山西悦郎前理事長(80)。
 松嶋前局長の説明によると、2005年11月、山西前理事長から「もう必要ないから要らないか」などと持ち掛けられ、トヨタの高級車「セルシオ」の提供を受けた。セルシオは03年8月末に新車登録されたもので、山西前理事長の内縁の妻名義だった。セルシオの新車価格は750万円前後で、当時、中古車市場でも500万円前後で取引されていたとみられる。

現金も年数回受領 「部下との飲食に」 前九州局長 2007年08月31日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0831/TKY200708300412.html
 厚生労働省九州厚生局の松嶋賢(まさる)・前局長(59)が、補助金交付先である大阪府枚方市の社会福祉法人「枚方療育園」の前理事長(80)から乗用車3台や住宅の新築資金などの提供を受けていた問題で、同省は31日にも松嶋前局長から事情を聴く。舛添厚生労働相は30日、広島市内の講演で「厳正なる措置をとりたい」と強調。同省の辻哲夫事務次官はこの法人に対する補助金交付の実態を詳細に調べる方針を示した。
 松嶋前局長は金品の受領を認めたうえで「便宜を図ったことはまったくない」とする。自身の妻と、前理事長の亡くなった妻がいとこ同士だったことからの付き合いだとして、胃がんの手術後の92年ごろ、国産の中古車を譲られたのは、「運転できるようになったお祝い」と説明。
 88年に埼玉県鶴ケ島市に家を新築した際と、3~4年前にリフォームした際に数百万円ずつを受領したのは「お祝いという意味があったんだろう」。年に1、2度会うごとに10万円前後をもらったのは「若い者に飯でも食わせてやれ、と渡され、部下との飲食などに使った」という。
 一方で、厚労省によると、同法人に対する補助金は、02年度から04年度にかけて計10億4100万円。松嶋前局長は、04年7月から06年8月まで本省障害保健福祉部の課長を務めていた。
 国家公務員倫理法は現職の公務員を対象としていることから、松嶋前局長に対し、同法に基づく処分を行うのは困難とされ、厚労省は「現時点では、退職金の自主的納付が考えられる」としている。

厚労省前局長:補助金13億円 異動後は支給なし 2007年8月31日 毎日
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070831k0000m040162000c.html
 厚生労働省の松嶋賢(まさる)・前九州厚生局長(59)が大阪府内の社会福祉法人の前理事長(80)から金品を受け取っていた問題で、障害者や高齢者福祉を所管する同省社会・援護局に松嶋前局長が在職していた00~06年の間に、社会福祉法人に約13億円を超える補助金が支払われていたことが分かった。社会・援護局から異動後に補助金は出ていなかった。同省は、補助金支出の経緯について、31日にも前局長から事情を聴く。
 松嶋前局長は00年6月に社会・援護局の企画課課長補佐に就任。同局の総務課長補佐、地域福祉課長、障害福祉課長、企画課長を歴任し、06年9月に九州厚生局長に転出した。この間、前理事長が前局長に金品を提供していた社会福祉法人「枚方療育園」は、大阪、兵庫、埼玉で経営する福祉施設の増改築費として約13億円の補助金を受けていた。
 同省と各府県によると、重症心身障害児施設「枚方療育園」(大阪府枚方市)に7億6150万円(00~02年)▽同「さくら療育園」(兵庫県三田市)に4億5640万円(04年)▽特別養護老人ホーム「おきな」(埼玉県行田市)に1億2800万円(04年)だった。
 補助金の支出を決めるのは社会・援護局の障害福祉課で、支出時に松嶋前局長は同課にはいなかったが、同局の要職にいたため影響があった可能性がある。
 また、前局長が九州厚生局長に転出した06年9月以降、この社会福祉法人への補助金はなかった。同省は補助金の支出について不明朗な点がなかったか調べる。(以降省略)



 いくら、親戚同士で、要らないからと言われたからといって、時価500万円前後もする高級車を含む車3台や数百万円の現金を平気で受け取るずぶとい神経にも呆れ果てたもののですが、渡した側が社会福祉法人の前理事長、受け取った側が社会福祉法人の認可を統括する立場にあったということから考えると、どう考えても何らかの便宜を働いていたとしか思えないのですが、第二次安倍政権に就任したばかりの舛添要一氏や閣僚を組み直したばかりの安倍政権には、さっそく試練の場が提供される形になりました。
 安倍首相は、27日の組閣の時に、「自分で説明ができなければ去っていただく覚悟で閣僚になってもらっている」と表明して、与謝野馨官房長官も「閣僚に適用される原則は当然のこととして副大臣、政務官に適用されると考えるのが自然だ」としていることからも、松嶋前局長(今月24日で退職)への厳しい追求は当然のこと、この一連のスキャンダルに他の職員も絡んでいないかなど、徹底的に調査する必要があるように思います。
 また、中段の記事では、『国家公務員倫理法は現職の公務員を対象としていることから、松嶋前局長に対し、同法に基づく処分を行うのは困難とされ、厚労省は「現時点では、退職金の自主的納付が考えられる」』としていますが、松嶋氏が退職したのは今月の24日で、年齢もまだ59歳と、キャリアとのバランスを考えればこんなに早く引退すること自体不自然(これだけのお偉いさんにもなれば、仕事の引継ぎもあるでしょうし、役職が外れることはあっても当面は顧問といった形で残るのでは…?)ですし、国家公務員倫理法に触れることを恐れ、事実の全貌が明らかになる前に退職日を前倒しした可能性を疑ってかかってもよいと思います。単純に退職しているかどうかという表面上の切り口だけで機械的解釈をして、処分内容が変わるのは公平性が保てないと思うんですけどね…。
 この問題に対して、どれだけ深く切り込めるか…。もし公務員法を機械的に解釈して、厳正なる処分をためらうようならば、安倍政権は勿論のこと、厚生労働省を変革することを期待されている、新しく厚生労働大臣に就任したばかりの舛添氏への信頼度さえガタ落ちになりかねないと思いますが、今後この問題について、どこまで踏み込めるのか要注目です。

ブルドック 事前警告型の買収防衛策を導入

2007-08-31 08:28:56 | Weblog
ブルドック 事前警告型の買収防衛策を導入 2007年08月31日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0830/TKY200708300366.html
 米系投資ファンド、スティール・パートナーズの買収攻勢を退け、一躍有名となったブルドックソースは30日、取締役会を開き、事前警告型の買収防衛策の導入を決定した。同社株の20%以上を取得しようとする買収者に対し、事前の情報提供がなかったり、取締役会と社外有識者などでつくる独立委員会が企業価値を損なうと判断したりした場合に、新株予約権を発行して対抗する。
 5月にスティールから敵対的株式公開買い付け(TOB)を仕掛けられた際は、買収防衛策がなかった。その後の株主総会で新株予約権発行による防衛策を導入したが、買収提案後の事後的な措置だったため、正当性を高めるために、スティールに対し、約21億円の金銭補償をせざるを得なかった。株主からは、事前警告型の防衛策を導入していれば、金銭支払いは必要なかったとの批判が出ていた。
 防衛策がなかった理由について、ブルドックは「企業価値の向上が先」などと、説明してきた。今回、導入を決めたことについては、「スティールとの訴訟の最高裁決定で、事前の防衛策が『株主や投資家の予見可能性を高める』とされたことなどから決めた」としている。


 あのスティールパートナーズと最高裁まで徹底的に争いを演じたブルドックソースが、株式総数の20%以上を取得しようとする敵対的買収者に対して、事前警告型の買収防衛策を導入するようですね。
 経済評論家はとかく、買収防衛策は経営陣の保身に使われるリスクがあるという理由で嫌う傾向が強いようですが、どうも最近は『経営者と従業員が一体になって会社を育てていく日本独自の企業形態』を無視して、株主だけを重視してその利潤を生み出すはずの従業員を軽視する おかしな風潮が広まっているように思いますし、そもそも、企業は原則的には事業を継続する前提で、その存在価値を問われるべきではないでしょうか。
 敵対的買収者がどのような目的で乗り込んでくるにせよ(単なる利ざや稼ぎ=資産解体狙いなのか、それとも本気でこの市場に攻め込むつもりがあるのか)、その真の目的を冷静に見極める必要がありますし、その買収防衛策の有効期間も平成22年6月に開催予定の第85回定時株主総会の終結時までと有効期限を切っていることもあり、悪戯に他の投資家の利益を損なうものでもないと思われます。
 大幅な株式分割で多額のキャッシュの流出を余儀なくされたブルドックソースとしては、これ以上の社内留保の流出を防ぐ意味でも、この買収防衛策の導入は行わざるを得なかったように思いますが、この猶予期間の間に経営効率を高め、今度はスティール以外の投資ファンドにも余計な突込みを入れられないような優良企業に生まれ変わって欲しいと思いますね。