日用品に「黒」広がる 常識覆すヒット続々 2007年8月2日 産経夕刊
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/seikatsu/070802/skt070802000.htm
トイレットペーパー、まな板、綿棒…、これまで「白」が当たり前とされてきた日用品の世界にいまなぜか「黒」い商品が続々と登場。黒酢や黒ゴマなど食品の黒ブームが、身近な暮らしに広がりを見せている。
高級感
トイレットペーパーといえば白-。そんな常識を覆して話題を呼んだのが、ポルトガルのレノヴァ社が発売した真っ黒なトイレットペーパーだ。6個1890円という価格にもかかわらず、6月に日本で発売されると数日で完売。輸入代理店によると、黒のほか赤、緑、オレンジの4色が揃うが、やはり最初に売れるのは黒だという。
欧州の富裕層の人気を集めるそのラグジュアリー感にほれ込んだのが、東京と北九州を結ぶ航空会社、スターフライヤー。黒の機体と革張りシートで高級感を打ち出す同社にとって、「唯一手つかずだった化粧室のイメージにぴったり」(広報部)。7月限定で機内の化粧室に採用すると、乗客の反響は大きく、準備した300個はあっという間に姿を消した。
実用性
京セラ(京都市)の「黒いまな板」は、「従来のまな板では大根や豆腐など白い食材が見えにくい」という視覚障害者の声から生まれたヒット商品だ。当初は日本点字図書館で扱っていたが、白内障を患う高齢者からも問い合わせが殺到し、6月に百貨店や量販店で販売を開始。キッチン用品でもデザインにこだわる男性客の購入も多く、これまでに約1万枚を売り上げた同社は急遽(きゅうきょ)増産態勢に入った。
文字通り“黒の力”で一気に売り上げがアップした商品もある。口腔(こうくう)関連メーカー、ジャックス(大阪府東大阪市)の歯ブラシ「フレッシュブラック」は、白金などの微粒子を練り込んだ黒の特殊毛を使うことで水だけでも歯垢(しこう)を効果的に除去できるという。
「白やパステルが常識の商品で、黒い歯ブラシを口に入れることに消費者は抵抗感があったのかもしれない。失敗に失敗を重ね、白い柄の部分をブラシと同じ黒に変えると、売上本数が1000倍になった」と、想定外の数字に担当の米田隆文さんは驚く。
小林製薬も3月、若い女性向けに発売したおりもの専用シート、サラサーティ「SARA・LI・E」に、異例の黒いパッケージを採用した。「売り場では目立つのに、おりものシートとは思えない色遣いのためレジまで手に持つのが恥ずかしくない」(広報部)画期的な商品だ。
インパクト
ドラッグストアの店頭で定番化しつつあるのが、黒い綿棒。岐阜県高山市に本社を置く平和メディクが業界初の黒い綿棒を発売したのは平成15年2月。ガーゼやマスク、脱脂綿など衛生用品を製造する同社にとって、黒はまさに異質な存在だった。
「黒は白よりも汚れが目立つし、営業マンの話題作りにもなると企画したが、『白一色の工場に黒を持ち込むな』と反対する工場を説得するのに苦労した」と、商品開発に携わった東京営業所の片桐正英・営業部長は当時を振り返る。
今では年間約100万個を出荷する人気ぶりに、片桐さんは「人前には出せないほど耳垢(あか)がよく見える機能に加えて、色のインパクトも大きかった」と話す。
財団法人日本ファッション協会流行色情報センターの大野礼子さんは、「そもそも黒には、白と同様に周囲の色を引き立たせる効果がある」と指摘。黒酢や黒ゴマ、黒豆など食品の黒ブームが日用品にも広がりを見せる背景について、「プチバブルともいえる好景気もあって、日用品の分野でも黒が醸し出す洗練された高級感や存在感が好まれているのでは」と分析している。
この黒のトイレットペーパーについては、スターフライヤー航空が採用した事が話題にもなっていたこともあり、知っていたのですが、さすがに黒の綿棒や黒のまな板があるとは知りませんでした。
まあ、こういった個性的な商品の場合、会社の名前の宣伝をするためと思えば、多少初期コストがかかっても安い投資ですし、一旦売り出せば価格ディスカウントの波に飲まれることもないでしょうし、後は購入者がブログで宣伝してくれれば、その後も安定した売り上げが期待できそうです。
とはいえ、私はさすがに黒のトイレットペーパーにはちょっと抵抗があるのですが…(苦笑
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/seikatsu/070802/skt070802000.htm
トイレットペーパー、まな板、綿棒…、これまで「白」が当たり前とされてきた日用品の世界にいまなぜか「黒」い商品が続々と登場。黒酢や黒ゴマなど食品の黒ブームが、身近な暮らしに広がりを見せている。
高級感
トイレットペーパーといえば白-。そんな常識を覆して話題を呼んだのが、ポルトガルのレノヴァ社が発売した真っ黒なトイレットペーパーだ。6個1890円という価格にもかかわらず、6月に日本で発売されると数日で完売。輸入代理店によると、黒のほか赤、緑、オレンジの4色が揃うが、やはり最初に売れるのは黒だという。
欧州の富裕層の人気を集めるそのラグジュアリー感にほれ込んだのが、東京と北九州を結ぶ航空会社、スターフライヤー。黒の機体と革張りシートで高級感を打ち出す同社にとって、「唯一手つかずだった化粧室のイメージにぴったり」(広報部)。7月限定で機内の化粧室に採用すると、乗客の反響は大きく、準備した300個はあっという間に姿を消した。
実用性
京セラ(京都市)の「黒いまな板」は、「従来のまな板では大根や豆腐など白い食材が見えにくい」という視覚障害者の声から生まれたヒット商品だ。当初は日本点字図書館で扱っていたが、白内障を患う高齢者からも問い合わせが殺到し、6月に百貨店や量販店で販売を開始。キッチン用品でもデザインにこだわる男性客の購入も多く、これまでに約1万枚を売り上げた同社は急遽(きゅうきょ)増産態勢に入った。
文字通り“黒の力”で一気に売り上げがアップした商品もある。口腔(こうくう)関連メーカー、ジャックス(大阪府東大阪市)の歯ブラシ「フレッシュブラック」は、白金などの微粒子を練り込んだ黒の特殊毛を使うことで水だけでも歯垢(しこう)を効果的に除去できるという。
「白やパステルが常識の商品で、黒い歯ブラシを口に入れることに消費者は抵抗感があったのかもしれない。失敗に失敗を重ね、白い柄の部分をブラシと同じ黒に変えると、売上本数が1000倍になった」と、想定外の数字に担当の米田隆文さんは驚く。
小林製薬も3月、若い女性向けに発売したおりもの専用シート、サラサーティ「SARA・LI・E」に、異例の黒いパッケージを採用した。「売り場では目立つのに、おりものシートとは思えない色遣いのためレジまで手に持つのが恥ずかしくない」(広報部)画期的な商品だ。
インパクト
ドラッグストアの店頭で定番化しつつあるのが、黒い綿棒。岐阜県高山市に本社を置く平和メディクが業界初の黒い綿棒を発売したのは平成15年2月。ガーゼやマスク、脱脂綿など衛生用品を製造する同社にとって、黒はまさに異質な存在だった。
「黒は白よりも汚れが目立つし、営業マンの話題作りにもなると企画したが、『白一色の工場に黒を持ち込むな』と反対する工場を説得するのに苦労した」と、商品開発に携わった東京営業所の片桐正英・営業部長は当時を振り返る。
今では年間約100万個を出荷する人気ぶりに、片桐さんは「人前には出せないほど耳垢(あか)がよく見える機能に加えて、色のインパクトも大きかった」と話す。
財団法人日本ファッション協会流行色情報センターの大野礼子さんは、「そもそも黒には、白と同様に周囲の色を引き立たせる効果がある」と指摘。黒酢や黒ゴマ、黒豆など食品の黒ブームが日用品にも広がりを見せる背景について、「プチバブルともいえる好景気もあって、日用品の分野でも黒が醸し出す洗練された高級感や存在感が好まれているのでは」と分析している。
この黒のトイレットペーパーについては、スターフライヤー航空が採用した事が話題にもなっていたこともあり、知っていたのですが、さすがに黒の綿棒や黒のまな板があるとは知りませんでした。
まあ、こういった個性的な商品の場合、会社の名前の宣伝をするためと思えば、多少初期コストがかかっても安い投資ですし、一旦売り出せば価格ディスカウントの波に飲まれることもないでしょうし、後は購入者がブログで宣伝してくれれば、その後も安定した売り上げが期待できそうです。
とはいえ、私はさすがに黒のトイレットペーパーにはちょっと抵抗があるのですが…(苦笑