学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

国立科学博物館「深海」展を見る

2017-07-25 21:09:23 | 展覧会感想
子供のころ、ドキドキハラハラしたアニメ映画のひとつが「ドラえもん のび太の海底鬼岩城」でした。いつもの仲間たちで、ドラえもんの秘密道具「テキオー灯」とバギーで、海底深くまで潜り、キャンプをして楽しむけれど、海底人と知り合うことでアトランティスの謎が…という話。私はミステリーが好きな子供だったので、特に魔の海域バミューダトライアングルにまつわる話にはドキドキしたのを覚えています。

現在、国立科学博物館では「深海 2017」展を開催しています。「深海」とは海の表面から200m以上深いところを指す言葉だそう。まだまだ謎の多そうなイメージの「深海」が気になって見てきました。「のび太の海底鬼岩城」では明るい世界が広がっていた海底も、現実では当然のことながら光が届かない暗い世界。深海に住む生きものたちの紹介から始まり、光を使ってわが身を隠すもの、光を使って餌をおびき寄せるもの、光がレスキューの合図となるもの…深海の生きものにとって光は非常に重要な役割を果たしていることを教えてくれます。美味しい美味しいホタルイカも深海の生きものだったことを知りました。さらに進むとダイオウイカのホルマリン漬けもあります。スルメイカと比較すると、もう何十倍もの大きさです。そして、東日本大震災のメカニズムも紹介。震災3日後に、潜水調査船で三陸沖の海底を調査し、プレートのゆがみでできた亀裂を突き止めるなど、巨大津波の謎を科学的に解明するのに寄与したことも初めて知りました。

いつも仕事で美術のことばかりを考えているせいか、全く分野の違う科学の世界を知ると頭がリフレッシュするような気がします。そういえば、私たちはいつの間にか文系と理系のうちどれか一つを選択肢として選ぶ生き方を取るような時代になっていて、ひとつを選択してしまうと、もう一方への関心や興味が薄くなっていく傾向があるように思います(私だけかな)。文系、理系の境界線を外して、興味や関心の幅を広げていくと人生がもっと楽しくなるのかもしれません。実際、今日は楽しい人生でしたし(笑)とても混んでいたけれど、また行って見たい展覧会でした!

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