諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

秋の雀蜂ラプソディー

2009-10-14 22:52:59 | 日記・エッセイ・コラム

  茶の花に 頭うずめし 雀蜂 汝は毒針を しまいしか   夢  蔡

 茶の花を、カメラに収めていると、耳元で羽音した。飛来した雀蜂である。このままでは、危険である。茶の木から、ソット身を引く。採餌にきたのだろうか。

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  見たところハタラキバチである。彼の習性からからすれば、茶の葉の裏側に、小型の毛虫を探しにきたのか? 秋も深まりつつある。受精卵を抱えて、越冬する女王蜂への最後のご奉仕だろうか。

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    狙いは、茶の花であった。頭を花の奥へ差し込む。花の奥には、甘い蜜がある。(実際に、花を摘んで、噛んでみると、微かに甘いのである。)

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 ひとしきりすると顔を持ち上げた。よく見ると、頭や胸周りには、茶花の花粉がいっぱい付いている。この後、更に何個かの花の中に、顔を突っ込んでから、ようやく出てきた。042

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 コンパクト・デジカメ、メニューは、スーパーマクロで、多分10cm以内に近ずけて撮っていた。カメラに気ずいたのか、こちらを向いた。攻撃体制である。シャッターを押して後ずさる。

 もう十数年も前の話である。私は、雀蜂に刺されている。(その経緯については、前年のブログに書き込んだ。) 従って、蜂毒の抗体が出来ている。もう一度刺されれば、抗体が体の内部で反応して、とんでもない事になるようである。

 ■ 茶の花や 木暗き中の 白さかな   夢 蔡 

  日本の山野にも自生していた様であるが、現在、見られるものは、植物図鑑によると、、808年に中国より渡来とある。808年に「隋使 裴世清 来日」と年表に記載されているが、この年に持って来られたのかな?

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 【  自然との共生 】 言葉は美しい。自然の条件を人間流に変更して、他の生物の生活環境を壊しておいてから、【共生】を幾ら叫んでも、遅い。雀蜂は、里山の奥が住みにくくなれば、別の場に移住するだけである。かれらは、新しい森をそこに見つけたのである。

 従って、 この程度の安全地帯で、黙って、静かに眺めているのが正解なのかもしれない。  

  


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