大伴宿禰家持、坂上大嬢(おおいらつめ)に贈れる歌一首ならびに短歌(万葉、巻8-1629)
ねもころに 物を思えば 言わん術 せむ術も無し 妹と吾 手携たずさ)はりて 朝(あした)には 庭に出で立ち 夕(ゆうべ)には 床うち払い 白たえの 袖さし交えて さ寝し夜や 常にありける (訳・・つくずく思いかえしても、処置なしですがー。私と貴女は、手と手を組んで、朝には庭に降り立ち、夕刻になると、床を払い清め、袖をさしまじえて、一夜を過ごすのは、何時もの事でしたっけ・・) ▼「 しかしながら」・・と、歌は続きます。拙ながら意訳して、引用に代えます。▼ 山鳥は、峰にいる妻を、すぐにでも訪ねると言います。しかし、人である私は、一日一夜離れていて、恋しくなっても、どうしようもありません。胸が痛みます。情こころ)なぐさめようと、野辺に遊びに出たけれど、きれいな花をみて、かえって、貴女を思い出してしまいました。・・「 いかにして、忘れんものぞ 恋とふものを」ーー
ー ー〈反 歌〉ーーー
高圓たかまど)の野辺の‘容花’(かおはな)おもかげに見えつつ妹は忘れかねつも ー家持ー (「かおはな」が貴女の面影にかさなって見えます、忘れられナ~ィ。)
▼ この【容 花】が、「昼 顔」とされております。「ヤット、ヒルガオに到着で~す。-」(前置きが長すぎた!)*他説 容花=かきつばた あり。
▲ 【 ヒ ル ガ オ】 .花言葉はー「優しい愛情」「絆」「情事」(昼下がりの・!?) *注 「万葉集」と「花言葉」を直接結ぶのは、「無理」は解っております。ただし、想像力の問題です。・・短歌へのイメージ効果抜群ー
▲【ヒルガオ】とは、花が日中に咲くので言う。温帯の山地・野原に自生。つる性多年草、地中に根を張り、長い蔓を出して他の植物にからまり成長する。
▼ この花で、恋の熱情を歌い上げるとは、結構なことです。 大伴家持は、この時、27歳。中央の青年高級官僚、聖武天皇に仕える「内舎人」であった。多感な青年は、安部女郎ほか数名の女性と「相聞歌」を交しているが、やはり、本命は、坂上大嬢であった。後に結婚する。( 大嬢の母親は、万葉第1級の女流歌人 大伴坂上郎女です。家持の幼年時代、世話をしてくれた叔母。)
若さはとは、好いものです。特権であります。爆発!!です。-ー-「昼顔の巻」終わり
〈付 記〉ーーーー
昼顔や 咲いて一村 静まりぬ ー夢蔡ー
きじ鳩の声 けだるくひびき ー鳥見人ー
若い世代は、去りました。日中、高齢者率85%の村は、水を打ったように静です。どうやら、昼寝の時間のようです。ー
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