山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

災害に備えて

2019年10月26日 | 日記
 何だか各地で悲しくなるような災害が、立て続けに発生している。昨日の夜勤の帰り道、大雨に打たれながら車のラジオを聞いていると、各地の被害は、またまた大きくなっていることが分かった。こんなに風水害が連続するのって、尋常でないですよね。
 そこで思い浮かんでくるのが、今年の夏に発表されたニュース。

新しい地図記号

 「国土地理院では、13年ぶりに新たな地図記号を加えることにし、全国の地方自治体から、該当する施設・物件の申請を受け、順次、地図上に更新していく計画です。」みたいな内容である。
 ラジオでは、この記号をWEB上の地図でクリックすると、それにまつわる過去の情報や設置の目的が提供されるようなことを言っていた。
 この記号の正体は、『自然災害伝承碑』というものらしい。過去の悲惨な自然災害の記憶を後世に伝えるために立てられた石碑や慰霊塔などのようだ。
 これらを地図上に記すことには、「記憶の風化」を防ぐために一定の効果があるはず。しかし、気になるのが、番組中で「各自治体からの情報を募集した結果…」みたいな表現があったこと。

真室川災害記念碑


羽越災害記念碑(小国町)

山形県の自然災害伝承碑(出典:国土地理院ウェブサイト)

 記憶の風化を防ぐため、うん、大切なことだ。でも、と引っかかってしまうのが、次に災害が起きたときのこと。『伝承碑』がある場所には、またいつか人の命や生業を奪い去ってしまうような悲劇が襲ってくるということ?そういう場所を公開して、自治体は、町おこし村おこしができるのかな?公開に及び腰になっている自治体はないのかな?

今回大変だった千葉県の水害祈念碑(出典:同上)

 我が山形県では、2カ所だけ、隣の宮城県は20カ所以上申請があったようです。全国のトータルは328カ所。地震、津波、台風、噴火、洪水…。内容は様々でしたが、アバウトな募集だったので、実数は、まだまだあるはず。
 人の力ではどうしようもないのが自然災害。でも、それがやって来るときのために出来る限りの準備をしてきた自治体が、この328カ所を公開しているのかな。勿論、有史以来そんな悲劇に遭うこともなくここまで来た所だってたくさんあるのでしょうけれど、どの自治体もやれる限りのことをやって、堂々と『伝承碑』を公開してほしいと感じる。それが自助や共助を支える公助につながっていくのではないだろうか。そうして、先人の残してくれた遺産を心に留めながら、日々を過ごしていくことが大切なのじゃないかな。
 なんか、いろいろと考えてしまう。
 大雨で増水。山遊びができないとなると、ストレスのたまるマタギの独り言でした。

貴重なキノコなんだけど

2019年10月25日 | キノコ料理
 ナメコやコガネタケは、当たるとすごい収穫になるから、私にとっては「スター選手」と言ってよいでしょう。それに対してブナシメジは、大当たりはないけれど、食べては極めて旨いキノコだから、「いぶし銀のベテラン選手」というイメージ。

雨に濡れるブナシメジ君(寂しげ)

 そんなキノコだから、ちょっとずつ集めていって、1食分になればおめでとうという感じ。
 それなのに何ですか、お店で売っている『ぶなぴー』なる食材は。1パック128円?姿形も美しいじゃないの。これを見て腹立たしい思いをしているキノコマンは私だけではないと思うんですけど。
 ま、天然ブナシメジの風味のよさは、『ぶなぴー』とは次元が違うんだから、それを知っている私たちの方が幸せと、思うことにしましょう。
 さて、今回採ってきたブナシメジも十数本。お吸い物で風味と歯切れを楽しみましょうと考えていた。しかし、娘が「それは私がつくる。」と主張する。はい、わかりました。お任せしましょう。考えてみれば、これは、すごく恵まれたありがたい主張なのです。

娘の作品(任せてよかった)

 さて、じゃあ私はどうしましょう。急遽、新聞広告を調べていくと、近所のスーパーで「鮮魚まつり」をやっていることが分かった。天然マダイ、天然ヒラメが○○○円だって。よし、これだ!早速買い出しに出掛けたが、時既に遅し。冷蔵棚は、ほぼ空っぽ。サワラの西京漬けみたいなのがちょっと残っているだけだった。
 こういう時は、開店と同時ぐらいの気持ちで向かわなければならないのね。敗北感に打ちひしがれつつも、1つ賢くなったじゃないのと自分を慰めている私。ころっと気持ちを入れ替えて、別に美味しそうな食材がないか探し歩く。サーモンのサクが旨そう。ホタテの貝柱もスライスして食べたいですね。ああ、そう言えば、冷蔵庫に熟したアボカドがあったんだっけ。本日のメインディッシュは、この子達の刺身で決定ね。よしよし。
 あ、そう言えばレシピがありませんでした。
  ≪アボカドの刺身≫
 目利きの部
 ・アボカドの付け根の部分を軽く押してみる
  ※ある程度の柔らかさが必要(固いのはアウト。その日が来るまで待ちます)
  ※柔らかすぎると身が傷んできている心配があります
 調理の部
 ・包丁の刃を身の付け根に入れます
 ・中心の種に当たるので、種に触れている感触を確かめながら、
  付け根から頂点に向かって刃を1周させます
 ・切れ目を挟んで身を前後に捻ると、パカッと割れます
 ・片方に残った種に、包丁の根元のところのええと
  ”あご”を立てて、また捻ります(写真参照)

第一段階終了

 ※ここまで来ればゴールは見えた
 ・アボカドの固そうな皮は軽々と身から離れます(熟していれば)
 ・あとは、お好みの厚さに切り分けて盛りつければ出来上がりです

こんな感じになりました

 ※今回のアボカドは、結構、長期間冷蔵庫に入っていたんだけど、美味しかったです。
  熟した物でも、冷蔵庫で保管すれば、かなり日持ちすることが分かりました。

本日も山海の珍味となりました

 妻がおひたしにナメタケを和えてくれたので、満足のいく和のディナーになりました。めでたしめでたし。
 …「お吸い物」も「キノコ和え」も私の料理じゃないのでレシピはなしです。ご了承ください。

コガネタケを美味しく

2019年10月24日 | キノコ料理
 約2.5㎏あったナメコの調理が完了。次はコガネタケです。この子は、歯切れが良くて非常に口触りが良い。ただ、独特の香りがあって、それを気にしてしまうとせっかくの旨みから心が離れてしまう恐れがある。そこで、私は、しっかりと高温を潜らせて、香りを飛ばすようにしている。

粉と薄皮とを洗い落としました


  ≪コガネタケの天ぷら≫
 
 下ごしらえの部
 ・表面を覆っている粉とつば、ゴミを洗い落とす
 ・ざるにあけて水気を切る
 調理の部
 ・キノコの表面にサッと小麦粉をまぶす
 ・揚げ油の加熱開始(160℃)
 ・バッタ液準備
  卵1個をよくほぐしておく
  水120mlを加える
  ここにカップ1杯の小麦粉を濾して振り掛ける
  軽く混ぜて準備OK(粉が残っていても良いらしい)
 ・キノコをバッタ液に潜らせて揚げ油に入れる
 ※浮いてくるまで絶対に触らない
 ・浮いてきたら裏返す
 ・泡が小さくなるまで辛抱です
 ※結構時間がかかります
 ・泡が小さくなってきたら出来上がり
 ※衣が破けてしまった(多分、水分過多のため)

見栄えは良くないけど評判は良かったよ


ついでにシシャモ(衣が落ちないのは…)

 作者としては課題が残るんですけど、とりあえず、皆さんが喜んで食べてくれたのでよしとしましょう。
 続いて第2弾。

 ≪コガネタケのイタリアン炒め≫


 下ごしらえの部
 ・前記『天ぷら』と同じ

 材料の部
 ・コガネタケ:適量
 ・ニンニク:1片
 ・タマネギ:2分の1個
 ・ベーコン等:100g程度

 調味料の部
 ・オリーブオイル:小さじ2
 ・白ワイン:大さじ2(日本酒でも)
 ・バルサミコ酢:大さじ1(ポン酢でも)
 ・塩・こしょう:適量
 ・顆粒調味料:適量
 
 調理の部
 ※ニンニクとタマネギはみじん切り 
  コガネタケは食べやすい大きさに切っておく
  肉類も同様
 ・フライパンでオリーブオイルを熱する
 ・ニンニク、タマネギ、肉類を炒める
 ・香りが立ったところにコガネタケを加えて、油と熱を通す
 ・白ワインを回しかけてよく和える
 ・続いてバルサミコ酢投入
 ・水分が飛んできたら塩コショウを回しかける
 (顆粒調味料はお好みで)
 ・ナメコと違って、水分が飛んで焦げ付かない状態をめざす

全部の材料が入った状態


完成しました

 盛りつけてしまうと、日本料理みたいですけど、試食してみると、中身はまるっきりのイタリアン。常備菜になる予定なので、家族みんなで美味しさを食べ比べながら楽しみたいです。
 次は、ブナシメジです。

ナメコを美味しく

2019年10月23日 | キノコ料理
 さて、当たってしまったナメコ達だが、意外と大漁だった。

ゴミ取りと種分けが済みました

 後始末で苦労しないようにと、丁寧に採ってきたつもりなのだが、そのまま料理できるはずがない。下ごしらえに取りかかる。

  ≪天然ナメコ料理≫

 下ごしらえの部
 ・全体が収まるようなボールに入れて水を張る
 ・水道水を出しながら、汚れを流し落とす
 ※石突きの木くずなども切り落とす
 ・汚れを取ったナメコは、別のボールに移していく
 ※その際、その後の料理に合わせて種分けしていく
  (今回は、味噌汁用とナメタケ用に分けています 上記写真参照)
 ・もう一度洗ってしまえば、ほぼ準備OK
 調理の部Ⅰ(味噌汁)
 ・油揚げの代わりにナメコを入れて、普通に味噌汁を作るだけ(簡単よ)

ナメコの味噌汁準備OK


 調理の部Ⅱ(保存用ナメタケ)
 ・ナメコ500gに、酒・醤油・みりんを各大さじ3杯 + 顆粒だし(お好みでトウガラシ)
 ・煮からめていく(沸騰するまで強火 後 弱火)
 ※ナメコの場合、汁気が残った方が美味しい
これで500gぐらい


煮詰めるとこんな感じ


 保存の部(今回は瓶詰め)
 ・きれいに洗って熱処理したビンに上記のナメタケを注ぐ
 ※中瓶だと、ナメコ500gでちょうど良いあんばい
 ・ビンの縁ギリギリまでナメタケを入れた状態で、深さのある鍋に敷き詰める
 ※隙間が大きいと倒れてしまうので写真のように別のビンなどで安定させる
 ・ゆるく蓋を閉めた状態で30分ほど沸騰させ続ける
 ・ビンの中からも水蒸気の泡が立ち始めて暫くしたら蓋をしっかりと閉めて火を止める
 ※(火傷に注意)布巾などで支えながら

ビン内外の様子を観察しながらひたすら待つ

 ・冷めるまで逆立ちさせて待つ
 ※下記写真上の隙間は水蒸気が水に戻ったために出来た真空なので気にしないで良いらしい
 ※むしろ、ビンが冷めて戻したときに、蓋が凹んでいるかどうかが重要

逆立ちさせて暫く待ちます


冷めると蓋が凹みます

 これでまた、暫くナメコの心配はいらなくなりそうです。
 ナメコ採りの本番はこれから。収穫の状況にあわせながら、末永く味わっていきたいものです。

なめこがね!

2019年10月22日 | キノコ採り
 即位の礼で祝日の本日、庶民としましては、大変喜ばしいことが2つ。1つめが、「天皇即位おめでとうございます!」ということ。もう一つが、「お陰様で遊べます!」ということ。このありがたい休日を、有効に活用しなければバチが当たるというもんだ。
 早くから、この日に山遊びをしましょうと計画していた。出発予定の4時30分になる少し前、窓から外の様子を見ると、弱い雨降り。そして、向かいの玄関先に目をやると、ハケゴやらシューズやらが並んでいる。
 本日の山遊びは、向かいの住人とキノコ採りに出かける予定でいたのだが「雨雲レーダー」を見ると、芳しくない予報。でも、お互いに、この日のために準備を整えてきたんだから、最低でも出掛けてみて、可能なら採り進むし、駄目なら引き返せば良い。 そのぐらいに考えていたので、時間より早いけど、車を出して、向かいの住人の荷物をトランクに積み込む。
 目的地に着くまで、雨脚は強まったり弱まったり、時には止んだりして微妙な情勢。途中、見え隠れする川の様子は、基本的には穏やか。ただ、ここは源流部。一旦限界を超えると、とてつもない激流になり、命を脅かされかねない。時々刻々と変化する状況観察を怠らずに遡行を開始する。

成育状況調査中

 何となくだが、今年のナメコの成育は、遅れている感じ。いつもだと、収穫できるか、そうでなくても次週に期待をいだかせるツブナメコが見つかるはずなのだが、殆ど気配なし。
 ま、ないものはないのだから仕方がない。気持ちを切り替えて先に進む。
 次に向かうのは、『天空の城』の下に広がる段丘。色々なキノコの実績があるんですけど、何か出ていないかなあ。

コガネタケの群生

 ありました。コガネタケの群生です。このキノコ、ボリューム満点で、結構旨い。油を使った、焼き、炒め、揚げ料理に実力を発揮する食材だ。1本1本が巨大なので、採り放題状態とは言っても、ハケゴに入れる量はそこそこにしておく。
 これだけで十分満足。雨が降り続いているので、沢が増水してしまう前に戻りましょう。
 安全圏内まで戻った所で、再び探索開始。

当たっちゃった

 これまでの経過から考えると、来週向けのツブが見つかれば、御の字と思っていた。しかし、『倒木群』で本格的に当たってしまいました。
 かなりの量です。
 2人で山分けして帰路につきました。
 カッパは身に着けているものの、ずぶ濡れ状態です。でも、全然気にならない。ああ、来てみて良かった。