山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

いっぴきおおかみのじんせい(さんぽうた73)

2021年04月28日 | いきもの

  いっぴきおおかみのじんせい   かもしか はじめ

いいところ みつけた

うまい

ひさしぶりの
こうきゅう らんちだ

ひとざとだって?

いざとなりゃ
なんとかするさ

こわくないかって?

そりゃあ
ちっとは こわいさ

だけどな

じぶんをまもるのは
じぶんだろ

いざとなりゃ
じぶんの ちからで
なんとかするのさ

いっぴきおおかみの
じんせい
おれは すきだね

なんてったって
かっこいいだろ
じりつした じんせい




 職場の椿が見頃を迎えた頃のことです。換気のために窓を開けようとした同僚が、
「あれっ!」
と、声をあげました。
 何事ぞ。慌てて指さす方を見ると、獣が一匹。


      カモシカではないか


      悠然と


      美味しそうに


      食べることに夢中
 山の中では、結構しょっちゅう出会っているんです。だけど、人里で見るのは、これで2回目かな。
 こちらから見ている人間の存在に気付いているのかいないのか・・・。伸びはじめた若草をひたすら食べています。正直なところ、雌雄の判別はできません。とりあえず、「はじめ」君と名付けさせてもらいましたけど、カモシカは、子育ての時期以外は、雄も雌も縄張りを保って、単独生活をする動物らしいです。我々が騒いでいても意に介さず。悠然としていました。この厳しい冬を乗り越えた上でのこの姿。自然界の生き物のたくましさに感心せずにはいられませんでした。
 これを見てすぐに思い浮かんだのが「一匹狼」という言葉。人間の世界にも「一匹狼」がいるんだから、それよりも自立しているカモシカが「一匹狼」でもいいし、似合っていると思いました。

 また来るかなあ。下手に人から見つかって大騒ぎにならなければいいなあ。
 ま、その時はその時で、「自分の力で何とかする」んでしょうね、「はじめ」君は。

 多少、あやかりたい気持ちにもなります、マタギとしては。