山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

春の喜びを味わう(葉ワサビ)

2021年04月01日 | 山菜料理
 今回、山から戴いてきた山菜の中でも主役を演じるのは「ワサビ」です。


花は、観賞用にしたいぐらいな可憐さ     

 根のうまさは言うまでもないのですが、茎や葉も全く遜色ない別の魅力を備えたうまさです(辛みは共通だけど)。
 この魅力溢れる食材、根っこほどにはポピュラーにならない理由が(多分)2つ。一つ目が調理の特殊性、そして、二つ目が保管の難しさだと思います。
 その辺の記録を残しておきたいと思います。

  ≪ワサビのフスベ漬け≫

 下ごしらえの部
 ・根を切り離した茎と葉と花を丁寧に洗っておきます
 ・おひたしは、普通寸切りですけど、その半分の長さに切り分けます
 ※熱をしっかり通すため。付け根の部分には、汚れが残りやすいので特に丁寧に。
 ・付け汁を準備します
 ※水:出汁醤油 = 3:1 + 顆粒だし少々(去年よりも薄めにしました)
 ・ボールの他に、密閉できるタッパー(保管用) + 大きめのタッパー(怒らせ用) + ザル(湯通し用)を準備しておきます

 調理の部
 ・刻んだ葉ワサビをボールに移し、強塩をまぶします


 ・これをよく揉みます


 ※しんなりして水分がにじみ出してきます
 ・ざるに移して広げ、沸騰したお湯を回しかけます
 ・用意してあったタッパー(大きめ)に移してシェーク
 ・別のタッパーに小分けして、付け汁をいっぱいに注ぎ、蓋をします


 ※蓋をしたとき、なるべく隙間ができないように
 ※これを冷蔵庫で冷やすと辛みが出るんですけど、お湯を潜らせた時点でかなり温度が上がっているので、マタギの場合、冷庫に移して30分ぐらい急冷します
 あとは冷蔵庫に戻してから、果報は寝て待て。
 ここまでが、『ふすべる』というワサビ料理の特殊性ね。失敗すると、ただ苦いだけのおひたしになってしまいます。これが第一の難しさです。
 翌日、ちょっと味見。普通は、数日待ってから食べるんですけど、待ちきれませんでした。


美しいねえ!      

 口に運ぶと、おおおおっ!!!
 爽やかで強烈な辛みが、舌から脳天を突き抜けていく。
 先週まで食べていた解凍のワサビ漬けを遙かに上回る辛み、そして、旨みです。
 ちゃんとできていたみたいで良かったあ!(辛みと味付けが)
 これも春の喜びを存分に伝えてくれる味わいです。この旨さは、揮発性(だと思う)。それを逃がさないための保存の工夫が必要です。これが第二の難しさ。
 マタギの場合は、しっかりとした造りのタッパーで密封して冷蔵保管します。この辺に関しては、現在、試行錯誤中です。これからよい報告ができればと思っています。

 調理の難しさを乗り越える喜び。類い希なる旨さを味わう喜び。いずれにしても、この自然からの恵みを楽しめることは幸せです。

 山の神様に感謝しかありません。