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山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

想定外です・・・けど

2019年11月24日 | キノコ採り
 雪の積もりだした晩秋と申しますか初冬の時期、今シーズンの山遊びは、ほぼ諦めていました。本日は、仕事がお休みなんですけど、アカコゴミ料理を楽しんでお茶を濁すつもりでいたんです。
 ところが、朝になってみると、異様に温かい。気温は10℃を超えている。天気図を見ると、温暖前線に向かって南風が吹き寄せているみたい。
 むむむっ。これは、出掛けてみてもいいかな。
 実のところ、タイヤは冬用に替えてあるし、トランクには、山用の装備が準備できているから、いつでも遊びに行けるのだ。これはですねえ、
 ポク、チン!
 即断即決です。妻には、「ちょっと出掛けてくる。」と言って出発。さあ、どうでしょう。

木々は冬支度してました

 無事、車止めに着いた。山中に入っても、さすがに人の気配が全くない。雪が少々残っているけど、そこにキツネだがイタチだかの足跡が残っているだけである。野鳥の気配もないけど、これは、たまたまかなあ。
 さて、キノコはどうなっているかな?「健康優良児」「健康優良児の子分」(全部、倒木の名前ね)は、完全に冬休みみたいです。「育成コース」も気配なし。
 やっぱり無理だったかな、と思ったんだけど、「ドラフト1位」までは行ってみる。

待っていてくれたのね

 「ドラフト1位」には、前回ツブが生えていたので、可能性が高いと思っていたんだけど、ちゃんと育っていました。
量は多くないけれど、冬場らしい色の濃いナメコです。
 正直な所、山に行かないままシーズンを終えてしまうのが、ストレスというか、不完全燃焼というか・・・おもしろくなかったんです。でも、こうやって、最終チェックができてホッとしました。安心して冬眠に入れます。

今年最後の虫だし中

 想定外の収穫に大満足なマタギなんですけど、帰宅すると、妻達がテレビに釘付けになっている。聞けば、フィギュアスケートのエキシビションだって。そう言えばそうですよね。昨日、フリー演技の決着がついたんだから、今日だわ。
 で、このエキシビションってのは、トップスケーターのエッセンス特集みたいな奴で、惹き込まれてしまうんですよ。ペアもアイスダンスも美しいし、女子の紀平さんもロシアの子も素晴らしい。
 これも想定外。結局、おもしろくて最後の羽生結弦君までしっかり見てしまった。
 あ~あ。これから、ナメコとアカコゴミの下ごしらえなんだけど、ま、しょうがないか。

 あ、忘れてた。令和元年最後の山遊びが終わったら言いたかった一言があったんでした。それは、

「わが生涯に一片の悔いなし!!」

冬越しの料理Ⅰ

2019年11月24日 | 山菜料理
 長年マタギ(インチキですけど)をやっていると、普通の人があまりやらない色々な習慣が身についてしまったことに気付かされることがあります。
 例えば、釣りに出掛ける前に、波の高さを調べるのは当然だと思うんだけど、海水面温度を調べます。山に出掛ける前に、降水や気温の予報は見るけど、天気図と雨雲の動きも必ず見ます。
 基本的には、安全確保のためです。そして、読みがピタリと当たって、あわよくば大収穫をという物欲も絡んでの習慣です。
 そんな習慣の一つに、「帰宅するまで、絶対に食料と水分は切らさない。」というのがあります。細かい解説はしませんが、長いこと遊んでいるうちに身についてしまいました。
 で、これが、単発の遊びだけでなく、1年間の生活の中にも位置付いてしまったんですねえ。
 所謂、保存食という奴です。冬になって遊べなくなってしまったマタギは、保存食を食いつなぎながら雪の季節を乗り越えるのです。
 これが結構楽しいんですよ。そんな話の第1回目です。

乾燥したアカコゴミ(キヨタキシダ)

 ところで、我が家では、収穫した山菜やキノコ達を色々な方法で保存しています。前回登場したのが、『トビタケの冷凍保存』です。それから、『ワラビの塩漬け』も登場しましたね。あと、『ナメタケの瓶詰め』というのもありました。
 どの方法も、長期保存できるので、一冬ぐらいなら軽く乗り越えてくれるんです。でも、そんな中で、凄いなと思うのが、乾燥保存です。
 今回戻す(食べられる状態にすることを『戻す』と言います)のは、アカコゴミです。妻が小分けにしてくれていたんですが、今回の包みの日付は、平成28年4月23日と書いてあります。3年前ですね。この日の記録を読み返すと、その時の心の状態までが蘇ってくるんですよ。
平成28年当時の乾燥風景

 乾燥保存の凄い所は、きちんと始末さえすれば、5年でも10年でも美味しく保存できるということ。さらに、写真でもある程度分かると思うけど、採ってきた時の1/10ぐらいまで分量が軽く小さくなってしまうこと。これは、便利です。冷凍、塩漬け、瓶詰めは、基本的に体積が変わらないんですよ。したがって、場所を取る。それに比べると、この1/10は大きいんです。大量の収穫物が、簡単にまとまってしまいます。

ここに何年分かの山菜が眠っています

 で、戻し方はというと超簡単。
  ≪乾燥山菜の戻し方≫
 ・調理する分の山菜をたっぷり水の入った鍋に入れる
 ・加熱して沸騰したら火を止めて冷めるまで待機

元の姿に戻っていきます


只今待機中 続きは明日

 ゼンマイなんかは、この食べ方しか知らないんですけど、今回戻しているアカコゴミは、生でも普通に湯通ししたり天ぷらにしたりして食べられるんです。でも、自分が食べては、乾燥させた奴が一番うまいんですねえ。
 日に当てて乾燥させるせいなのか、アクが抜けるせいなのか分からないけれど、とにかく旨いんです。今から楽しみ!
 こういう、先人が残してくれた知恵を楽しみながら引き継いでいくことも、山形県民であるマタギの大事な役割だと思うんだなあ。
 To be continued!