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私にとって好きな居酒屋No1はどこなのか、これは今までにブログには書いたことがないのだが、やはりそのレベルに驚かされた店、店の名前は『萬屋おかげさん』である。
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もうこの店に通い始めて随分になる。場所は四谷三丁目と四ツ谷駅の真ん中あたりだが、いわゆる荒木町界隈と違い、新宿通りの仏壇屋さんのビルの地下一階にポツンとある。
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店ははっきり言って狭い、しかし、この28席を予約することはかなり難しい。店に入ると店主の神崎さんが笑顔で迎えてくれる。ブログで読んだのだが、2日前にギックリ腰になったとは思えない。今回はかつての同僚A君と久しぶりに一献。
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この店はミシュランで星を取る前はアラカルトであったが、現在はおきまりコースになっていて、黒板にチョークで書かれている。まずは生ビールで乾杯、お通しはナスのゴマ味噌かけ。あっさりとした中にコクがある。
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続いては鯛の刺身に煎り酒を掛けたもの。鯛の身の旨さを十分引き出していて、お任せでお願いした酒、美丈夫(高知県)の発泡に実によく合う。私は酒は自分の好きなものを注文するタイプだが、この店は酒に合わせた料理を出してくれるため、お願いした方が絶対にいい。鯛を食べ終えて煎り酒を飲み干すがこれも美味い。
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すると目の前でカツオのタタキを作り始める。中華鍋に山盛りの藁を入れ、バーナーで火をつけると紫の炎が上がり、この高温で炙る。すぐに3切れを辛子を添えて出してくれる。この肴には『紀土』(和歌山県)、しなやかさと強さを持つ酒によくあっている。
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さらにマグロ赤身の漬け、秋刀魚のワタ和え、追加で食べませんかと言われた秋刀魚のなめろうと続く。奈良萬(福島県)さらに鍋島(佐賀県)と旨い酒が連発。醤油を付けて食べない刺身がこの店の真骨頂。いずれも素材をうまく生かし素晴らしい酒肴である。
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次は神崎さんが今日の丈経(王禄と同じ蔵、島根県)はいいよと言って飲ませてもらう。肴は鮭の焼きびたし、煎り銀杏。いや、幸せである。
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さらに出来たての薩摩揚げ、これには力強い七田(佐賀県)が負けない旨さを合わせる。名物のおから、これはこの店に通い出した最初の頃に突き出しで出ていたものでカリカリの小さな海老が食感が素晴らしい。
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だんだん終わりが近づいてくる。アナゴの煮物。見た目ほど味が濃くなく、また甘くない。これには貴(山口県)を常温で。返って新鮮である。中落ちの骨せんべいをパリパリ。
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締めは塩むすびに替えてハラコ飯、鰹節で作った佃煮と味噌汁、さらに喜久酔(静岡県)をぬる燗で。痺れます。
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いやー美味かった、いい酒、美味いつまみ、サービスも含めて満足以外の言葉はありません。心地よく酔った四谷の夜、本当にご馳走さまでした。
萬屋おかげさん
新宿区四谷2丁目10松本館B1
0333558100