鉄道シリーズその18。『ななつ星in九州』が運行され、その豪華さに話題となっているが、一部の客車マニアの間では別の意味で話題となっている。というのが、連結されている客車の車両記号に『イ』が久々に使われたことである。
鉄道に興味のない人には何を言っているかわからないかもしれない。JRの通勤電車に乗っていると車両にクハとか、モハとか、サハとか、クモハといった記号が付いているのはご存知だろうか。例えば、クハの『ク』は運転台付き(制御車)、『ハ』は普通車のこと、同じくモハの『モ』はモーター(電動車)、サハの『サ』は運転台やモーターが付いていない(付随車)。だから『クモハ』は運転台もモーターも付いている普通車で一両で走行できることになる。
後ろの記号は等級を表しているが、1960年以前は『イ』が一等車、『ロ』が二等車=現在のグリーン車、『ハ』が三等車=現在の普通車を意味する。(ただし、一等車は駐留軍用車両以外は戦後使われなかった、また、グリーン車などの名称変更は1969年以降)
ところが、『ななつ星in九州』の車両は寝台車は『マイネ77』と『マイネフ77』、これは『マ』は重量(42.5t~47.5t)、『イ』は一等車で今のグリーン車よりワンランク上、『ネ』は寝台車、『フ』は緩急車で車掌が乗るスペースがあること、『77』は車両形式を表している。
つまり、『イ』が戦後長く使われなかった中で63年ぶりに使用されることになった訳である。これには今後JR九州が本格的な豪華列車を作り、運行しようとする意気込みが感じられ、その意欲と努力には感動した。ただし、この記号の件はあまり大きく報道されてはいないが。
鉄道ファンとしては東海道を走る寝台列車がサンライズ出雲・瀬戸以外全廃され、北海道に向う『北斗星』も廃止される見通しであるなど暗いニュースが多い中で是非頑張って貰いたいものである。