ブログにグルメ情報を結構載せて久しい。しかし、小職の拙ない紹介しかできていないグルメ情報も意外に人気を博しているのに驚くことがある。また、そのお店のある場所は日本橋、神田、四谷などが多く、これに吉祥寺や西荻窪が続く。逆にふと見ると渋谷の店が少ないのに気がついた。だからということもないが、今回は渋谷の蕎麦屋というかダイニング『雷庵』、こう書いて“ライアン”と読ませる。
別にヤクルトのピッチャー小川のファン御用達ではないらしい。その正面に立って、こんな蕎麦屋初めてというカッコイイ店である。私は神宮球場で野球観戦の帰り、汚いラガーシャツにジーパンという出で立ち。しかし、店の入口にはいわゆる黒服の人がいて席に案内してくれる。店は時間も6時とまだまだガラガラだが、妙に照明が暗い。カウンターに通されるが、目の前がオープンキッチン。まずは飲み物から、ビールは飲みすぎたので日本酒飲み比べセットを2つ。料理は鴨ロース、刺身2種類盛り合わせ、だし巻き、桜エビとそら豆のバラ揚げをお願いする。
まずは飲み比べが到着、私が『播州一献、飛露喜、風の森』、連れ合いが『鍋島、手取川、津島屋』これが高さ5センチくらいのグラスに注がれて登場。まずは飛露喜から飲むが、当たり前に美味い。酒のセレクトもなかなかいいが、これで2000円はやはり渋谷価格。
カウンターの中では鴨ロースを作るのがよく見え、すぐに出される。味付けも美味い。次に刺身の盛り合わせ、スミイカとイサキを注文、つけ醤油と藻塩、生姜と山葵と完璧。量は少ないが、いずれも合格点。カウンターから見て一つ後ろの人はだし巻きを焼いており、これもアツアツが提供される。
そのうち、酒も空になり、私は瀉樂を注文、連れ合いは伯楽星。これはワイングラスで提供される。そうしているうち桜エビとそら豆にバラ揚げが登場。天ぷらの衣を纏いながらバラバラに揚げたものだが、結構量もある。豆の甘さも軽く振られた塩にマッチしていて美味い。
ふと気がつくとお隣に年の離れたカップルが登場。男は若く、どう見てもホスト、同伴のようである。大して気にもしていないが、なんとなく会話も弾んでいない。
最後にニシン蕎麦を注文。しかし、これがいけない。ニシンの甘露煮は自家製なのか、煮方が甘く、やや生臭い。しかもツユが辛すぎ、肝心の風味が感じられない。連れ合いのもりそばもツユにかえし効いておらず、イマイチ。やはり、ダイニングバーとしてはいいけど、蕎麦屋としては?と思った。
私のような使い方をするにはコスパが感じられないが、お隣のようなカップルで来るならありかもしれない。ということは私には渋谷はあまり水が合わないのかな、と感じて店から早々に引き上げた。