カレンダーを巡ると『5月』『6月』だけでなく、『皐月』『水無月』という表記も乗っている。しかし、『皐』の字が見慣れなかったり、『水無月』がなぜ梅雨の最中で水の多い6月についていたり、疑問を持つことが多いのは私だけだろうか。
(五月晴れ)
旧暦と新暦では、実質旧暦の方が約1ヶ月遅い。5月を表す皐月は新暦では5月下旬〜7月上旬を表すことになる。そのため、よく『皐月晴れ』『五月晴れ』というのは今では『梅雨前の5月の連休明けの爽やかな晴れ間』を指すようになったが、本来は『梅雨の間に珍しく晴れ間がある日』の意味であった。
『五月』と『皐月』、これはどちらもさつきと読むが、正しくは『皐月』と書く。
『五月』と『皐月』、これはどちらもさつきと読むが、正しくは『皐月』と書く。
『皐』の字はあまり見ることがない字であるが、白と夲という字の合わさった会意文字で『白光をはなつ』『白い』という意味があり、一字でも『さつき』と読む。
6月は『水無月』、これも不思議な字である。旧暦の6月は新暦の6月下旬〜8月上旬となるが、この時期は日本は梅雨で『水が無い』とは合点が行かない。
これは幾つかの説があるが、『無』は無いという意味ではなく、『の』を表し、『水の月』となる。もちろん、田んぼに水を引く、梅雨で雨が降り水が豊になる、という説もある。
もう一つ不思議なのは『水無月』という和菓子のことである。ういろうの上に小豆の煮たものを乗せ、三角に切ったお菓子を6月30日に食べるのだろうか。これは一年の折り返しにあたる日に『夏越祓(なごしのはらい)』という神事を行うのだが、上に乗せられている小豆は悪魔祓い、三角は暑気払いのための氷を表しているのである。
今年は暑気払いに是非水無月を買い求めてみる事にしたい。