hokutoのきまぐれ散歩

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半島を一周する列車を回顧する

2023-02-19 05:00:00 | 鉄道
『鉄道シリーズ』その192。半島を1周する列車を調べてみた。1968年10月号の時刻表をつらつらと眺めてみるも、電化が遅れ、まだまだ蒸気機関車が走っていた。東京近郊でも房総東線・西線(現在の内房線・外房線)では現役で、東京駅地下ホームができる前で房総方面の起点は新宿駅か両国駅だったのである。

当時の運行を見ていると例えば新宿0700発の急行そと房1号(ディーゼルカー)は両国0716、千葉0759、大原0913と走り、終点・安房鴨川に1001に到着する。しかし車両はそのまま1008発館山行各駅停車となり、館山1058発両国行急行うち房3号になる。この列車は木更津1205、千葉1236、船橋1251と走り、終点には1315に到着する。つまりぐるっと房総半島を一周するのである。

これがそと房3号→うち房4号、そと房4号→うち房5号も同じように半島一周をしていたのである。

今は外房線こそ、わかしお3号(東京→安房鴨川)など4本の特急がある。しかし、内房線に至っては週末限定の新宿さざなみ1号(新宿→館山)があるが、平日は夜にさざなみ号(東京→君津)が3本あるのみと殆ど優等列車は無くなってしまった。

次に紀伊半島を見ると当時はまだ豪快な特急が走っていた。くろしお3号である。名古屋1040に出て関西本線経由で亀山1032、紀勢本線に入り、尾鷲1241、新宮1336、紀伊勝浦1359、白浜1539、和歌山1717、天王寺1816と名古屋〜大阪は除くが、紀伊半島を一周する特急があったのである。

ほかにも急行1本、夜行各駅停車1本があった。夜行各駅停車は名古屋発1515、紀伊勝浦2308、串本2355、ここから快速運転をして天王寺0500。この編成には串本からは二等寝台も併結されていたのである。

この半島をぐるっと回る特急が存在したのは1978年10月の紀勢本線電化完成までで、この後は新宮駅を堺に系統が分離されてしまったのである。

現在では名古屋発紀伊勝浦行の特急南紀号が走っていて名古屋1001発南紀3号は紀伊勝浦1358着、ここで切れてしまう。もちろん、天王寺までは特急くろしおが走っていて、くろしお30号に乗ると(新宮1504発)紀伊勝浦1521、白浜1650、和歌山1818、天王寺1902、新大阪1920と走るので何とか紀伊半島一周はできることはできるのである。
それにしても私にとっては長距離急行・特急があった当時の方がはるかに汽車旅が面白かったような気がする。古い時刻表は宝の山である。