鉄道シリーズその133。最近、関東私鉄の間で京王が新宿~京王八王子・橋本間の有料特急サービスの開始を発表、西武鉄道のレッドアローの新型車両が話題になるなど有料特急整備の動きがでてきている。
そもそも、私鉄で特急を運転を始めたのは1926年に南海電鉄が運行を始めた『黒潮列車』難波~和歌山~白浜が最初。黒潮列車は難波から南海鉄道(当時)を通り、和歌山で国鉄線に入り、白浜まで行くもので大阪から白浜湯崎温泉に日帰り入浴ができると話題になった。
現在では私鉄で特急がない会社を探すのが難しいほどだが、その種類は様々。勝手に分類すると(1)乗車券のみで乗れる無料特急、(2)独自豪華車両で箱根・秩父・日光といった観光地などとを結ぶ有料特急、(3)主に通勤時間に運転される特定の列車で座席数と同数の座席券を発行して座って通勤できるものの3種類に分けられるのではないか。
(2)は関東私鉄では東武(日光線・伊勢崎線で走る)のスペーシア、りょうもう、西武(池袋線)のレッドアロー、小田急(小田原線・江ノ島線)のロマンスカー、京成(成田スカイアクセス)のスカイライナーといった愛称がついている。
サービス内容は会社により異なるが、クロスシートのリクライニングや個室付きなど特別な豪華車両で運行し、飲み物や弁当などのサービス提供などを特別に行っている。
しかし、これとは別に最近力を入れようとしているのは(3)の座って通勤できる環境整備を意識したものである。例えば京急のウイング号、東武東上線のTJライナーなどである。また、小田急や西武も車両は(2)と同じものを使うがホームライナーなどの名前で通勤客を意識したサービスを行なっており、JRも中央線や青梅線、東海道線などでライナー券を発売していて大変な人気を博している。
まだ、京王の有料特急に関しては18年春から新型車両5000系を導入して、夜間帰宅帯にサービスを提供することが発表されたのみで、詳細なことは分からないが、これはJR中央線へのグリーン車導入に対抗する狙いがあるのではないか。何れにしても一度乗ってみたいことには変わらない。