遙かなる高き峰々より吹く風に応えて

その風は、ぼくに呼びかけてくる・・・。

富良野岳~ジャィアント尾根 (中)

2007年01月27日 | 山歩き~
 ”富良野の森”という言葉は不思議な郷愁と自然の奥深さを感じさせる響きをもっている。テレビで放映されたある番組の影響かもしれないが・・・。

 そうでなくても雪を纏った針葉樹の森は美しい。その美しさをとらえきれない自分にもどかしさがある。



 樹木の間を縫うようにトレースは続いている。急斜面は少しずつ緩やかになり高度をあげていく。”一歩前進2歩後退”の登行もやっと”前進のみ”のありがた~い状態になっている。
 そして森林限界に近づいたのだろうか、木もまたなくなってくる。しかし、青空もまた雲に覆われてきた。小雪もときおりバラつきはじめた。

 尾根も狭くなってきた。ますます、狭くなっていくようである。あれ、こんなところを滑り降りなければならないんか?と不安感と恐怖のメーターが動きはじめる。おまけに、ところどころにハイマツがそれとなく姿を見せている。別に今のところ、挨拶を交わすこともないけど、上から滑ってきたらいやがおうでも、抱きとめられる運命になりそうである・・・。

 人の声がする。けれども、ガスっていてその場所がわからない。うすぼんやりと人の影が見え始めた。この尾根の西側の沢に人の塊が見える。この沢を滑っているのだ。滑り降りてくる人は上手い。ぼくもあれぐらいの滑りができればいいなと思う。

 はるか下の景色も見える。あれは十勝岳温泉の陵雲閣だろうか?富良野盆地が見えるようになってきた。そして、登ってくる人が見えた。
 あれからも登ってくる人がいたんだ・・・。ぼくの登りのコケたところを塞いできたのだろうか。ごくろうさんなことだ。なんせ、下りは下りで、またぼくのコケたところを滑り下りるハメになるはずなのだ。体力を少しばかり使いすぎたぼくに満足な滑りは・・・無理だ!



 写真を撮りながら歩いている僕たちを彼らは追い抜いていった。さらにもう一人くる。
 標高1520m地点に着く。予定より少し登り過ぎたけどここでシールをはがすことにした。さきほどのパーティも滑走の準備を始めている。

 北尾根の上にもグループが見える。とどいてくる声は若々しい。きっと、ボードをもって歩いていた若者たちなんだろう。ぺったんとお尻をおとして座っている様子が見える。雪崩には気をつけてね。

 気温はマイナス15度くらいで風がいくらかある。さすがに、休憩をとり動きをやめると寒くなってくる。しかし、息子は寒いとは感じないらしい。おにぎりを食べ、「凍ってきた・・・」と言いながらポカリを飲んでいる。
 どうも親子でありながら、このギャップにいつも悩まされる。両親は揃って寒がりやなのに息子だけは突然変異体なのだろうか・・・。

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1 コメント

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「富良野岳~ジャイアント尾根」 (“ フェル ”)
2007-01-30 15:41:50
お疲れ様でした。白銀荘で会った時は苦闘の後だったんだね。

翌日の三段山はドピーカンのスカッ晴れ。始めてスキーで山頂を踏みました。 収穫は一度もコケずに滑り降りた事。
とは云っても深雪はやっぱり苦手で、オイちゃんのビデオを見て自己嫌悪。 滑りはまだまだminocchiの足元にも及ばないなぁ。。。


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