この写真は標高約1400m地点から上を見たものである。
さて、降りることにした。当然滑り降りるわけだけど、斜面はやや急で波をうち、しかも狭い。そこで、ぼくはプルークで降りることにした。これから滑る人には申し訳ないけど、この斜面を小回りでいく勇気はさらさらない。
斜面の三分の一から四分の一を使って降りる。とまあ、これは少し大げさだけど、右手には雪庇があるし落ちたらベベルイ川まで一直線だろう。急いでいるときはこれも選択肢のひとつかもしれないけれど、どちらかというと、”選択死”のケースとなりそうだ。別に急ぐ旅でもないから、できるだけ、転びながら余裕をもって滑ることにする(@_@;)
しかし、このハノ字滑降・・・膝にはえらくよくない・・・。耐え切れず、波うつところで必ずといっていいほど、おすわりしてしまう。このシュプールは後から滑る人にとってはえらい迷惑なものかもしれない。ただ、幸いなことに、上がってきたほとんどの人は、沢に降りていくようだ。そんなわけで、真剣に転ぶことができる。
途中で男性を先頭に生きのいいおばさんたちが登ってきた。辟易としている僕をみて、その中のおばさんが声をかけてきた。
「おにいさん、慣れだよ、慣れ・・・。回数だわ!」
う~ん、おにいさん、と呼ばれたことは気に入った!それで?
「プラブーツでなくて、兼用靴履きなよ」
その兼用靴はいているんだってば・・・(~_~;)
息子もビデオで僕を撮っているのだが、転ぶシーンばかり狙っているような気がしてならない。そのうちに僕も心得たもので撮られたときは必ず転ぶようにした・・・\(^o^)/
樹林帯の急斜面はいっそう悲惨だった。膝をかばうから中途半端な滑りになり、その結果は別に説明するほどのないものである。危うい転び方もした。こりゃ、まずいな、と思うこともあった。いつもなら、ぼくはけっこう計算づくで転ぶ方である。つまり、起き上がりやすいように地形を判断してから転ぶのだが、今回は2回ほどそれができなかった。滑り降りたというよりは、急斜面を落ちた、ということだ。
北尾根のトラバースの際も微妙なカーブを描けなくて転んでしまうし、いつものことができなかったのである。それでも、まったく、怪我ひとつしないのは、それこそ、転ぶことにかけては、「慣れだよ、慣れ・・・。回数だよ」ということだろうか(^_-)-☆
さすがに、砂防ダムまで戻る頃にはいいかげん疲れがたまったけれど、これも白銀荘の露天風呂に入ればとれるだろう。相当、膝には負担がかかったけれど、こうやって歩いてみると大丈夫なようだ。これも雪のおかげだろうか。そして、スキーは膝にやさしいのだろう。
まぁ、今回は満足な滑りができなかったけれど、この次にくるときはもっと美しい転び方をやってみたい。
さて、まだ、2時を過ぎたばかり・・・ゆったりと風呂に入っていこう・・・。
駐車場からの北尾根