遙かなる高き峰々より吹く風に応えて

その風は、ぼくに呼びかけてくる・・・。

上ホロカメットク山

2013年11月26日 | 山歩き~

 上ホロで遭難事故があった。僕が所属する会である。とても残念であり、悲しい事である。
 亡くなった方は、ベテランでありこれまでの山暦をみても相当なレベルのスキルの持ち主であった。数年前には、無意根山でやはり女性が亡くなっている。
 どれほどの力をもっていても、自然の力は無限である。

 山で亡くなった僕の知人、友人は何人になるのだろうか。昨日から、亡くなった魂へ向けて、鎮魂の祈りのときをもつこととした。限られた時間ではあるけれど、できるだけ続けたい。
 ぼく自身の心の器では、何ほどの力にもなりえないことは、よくわかっている。しかし、今回は、できることはやろう、との決意である。

 

マタチッチの田園

2013年11月23日 | 音楽について

 ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」といえば、ワルターやカールベームの東京ライブ、クリュイタンス等の指揮のレコードが素晴らしいが、今日、Lovro von Matacicのローザンヌ室内管弦楽団のCDを聞き、また秀逸な演奏を発見したと感じた。
 とはいうものの、これまでも何回か聞いており、しかし、それほど・・・という感じ方であったのだが、根本的に変わってしまった。

 小規模編成のオーケストラだから、豪華・華麗な演奏とはいえない。しかし、素朴で朴訥としていながら、弦の音はこよなく美しく、まさに彼が自然のなかで癒され、大いなる存在に深い感謝を抱いて在ることがストレートに響いてくるのである。これこそが、作曲家の想いそのものではないか。
 この交響曲に華麗さはまったく必要のないものだ。吉田秀和がある指揮者の演奏について、ドイツのアウトバーンを高速で走る車の中からみた風景・・・と評したそうだが、そのような演奏は必要ないのではないか。

 ドイツといえば、カラヤンとかベームが有名であるが、レコード会社の宣伝にうまく乗せられているきらいがある。クルト・ザンデルリングのような素晴らしい演奏がもっと注目されてもいいのではないかと思う。
 彼の「田園」も素晴らしいのである。

 

白旗山~モーゼ岩から

2013年11月17日 | 山歩き~

 今年の春に、白旗山を越えたその先に通称モーゼ岩があると聞いたことを書き記したことがあった。
 たまたま、今回そのあたりを歩いているうちに、ふと、そのモーゼ岩のことを思い出した。地図をみると、かなり近くを歩いていることに気づいた。小さな岩場であれば、地形図にはその高みの等高線は表示されていないであろう。
 しかし、その岩は道のすぐ近くにあった。近づいてみると、それなりに踏み跡もあり、けっこう人が訪れていることもわかった。
 たいして高い岩場でもなく、別に三点支持の必要もない小高い「高み」にすぎないのだが、確かにその頂からの眺めはよい。藤野三山をはじめとして、その奥には、札幌岳周辺の山の連なりが見える。

 あたりは静かであり、おそらく雪の積もる頃には、ひたすらに音のない空間となるのであろう。

 真冬のさなか、山行のないときは、白旗山の、地形図には記されていない「みち」を探索するのもいいかもしれない。今回も、立派に作られ、広げられた林道を歩いてみた。が、突然に「みち」はなくなり、その先にも道らしき痕跡は何もなかった。

タンノイのGRF

2013年11月04日 | 音楽について

 過日、オーディオの専門店を訪れた。レコードの洗浄液 レイカの購入のためである。
 その際、タンノイのスピーカーであるGRFを聞く事ができた。このスピーカーはかれこれ40年以上前に製造されたものだろうか。このスピーカーにトゥイターを付けて鳴らしていた。
 トゥイーターとは、高音域の担当スピーカーとでもいうべきか、これを鳴らすことにより、見違えるように音楽がいきいきとする。高音域のみならず低音域もくっきりと鮮明になるのである。
 しかし、このトゥイーターは、1本40万円の代物であり、大きさは小ぶりの南瓜ぐらいであるが重さは22kg。足の上に落としたら、完全に骨は砕ける。
 2本で80万円となり、GRFも当然必要となるから・・・合わせたら、新車は買える。
 ところで、タンノイの新型スピーカーは2本で約700万円だから、比べると安いといえば、安い。但し、手の届かない次元での安さだ \(◎o◎)/!

 それにしても、まさにコンサートホールの特上の座席に座って聞いている気分になるGRFは、僕の届かない夢の一つに加わったようだ。(もちろん、オートグラフは夢のまた夢・・・)

 日本の技術は素晴らしいのに、過去のレコード、CD然り、20kHz以上の高音域は耳に聞こえないからという理屈でもって、カットされたため、酷い音質となってしまった。ようやっと、SACDが出てきたが文化財としての価値をもっと重視してほしい。
 僕としては、ソニーのがさつな製品よりは、エソテリック(前身はティアック)の方がずっと素晴らしい製品を製造・販売していると思う。