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4月以降の雇用調整助成金等・休業支援金等の助成内容と雇調金の不正受給対策【労働政策審議会 176回職業安定分科会・第168回雇用保険部会合同会議】

2022-02-25 | 書記長社労士 労務管理

 本日18時からオンラインで労働政策審議会第176回職業安定分科会・第168回雇用保険部会合同会議が開催された。
議題は「雇用調整助成金等・休業支援金等の助成内容(案)について」だが、これについては2022年3月の特例措置の内容が、6月末まで維持されることとなり、本日、厚生労働省よりプレスリリースされた。⇒令和4年4月以降の雇用調整助成金の特例措置等について

 注意点が一点。
業況特例について、令和4年1月以降は、生産指標が最近3か月の月平均で前年、前々年又は3年前同期比 30%以上減少の全国の事業主が対象となるが、令和3年12月までに業況の確認を行っている事業主については、令和4年1月1日以降に判定基礎期間の初日を迎える事業者については、その段階で業況を再確認するとされていて、現在はそう処理されている。
で、令和4年4月以降は毎月業況を確認するとされ、申請も処理も当然煩雑になるが、支給を厳格化したいとのこと。

 ところで、業況特例について。
貸切バスやタクシーについて(おそらく飲食や旅行・宿泊などもそうかもしれないが)、第5波の収束によって昨年9月30日に緊急事態宣言などが解除されて、人流が大賑わいになったおかげでそれなりに売り上げが上がった。
しかし年が明けてオミクロン株の感染拡大で第6波で、一気に売り上げは⤵️、また休業を余儀なくされている。
結果、再び(いや、何たび?)、雇用調整助成金を活用しなければならなくなったが、1月1日以降の判定基礎期間については、その昨年の10~12月の業況によって、生産指標最近3か月の月平均が 30%以上減少していないとなってしまって、業況特例に当てはまらないことになり、年が明けてからの6波の厳しい状況で、助成上限額・助成率の低い原則的な特例措置となっているところが少なからずあって非常に困っている。


 その他では、「雇用調整助成金等の不正受給対策について(案)」について説明があった。

 取り巻く情勢として「雇用調整助成金は、コロナ禍において特例による手厚い措置で雇用を支えてきたが、支給決定額5兆3470 億円、決定件数579万件(令和4年2月11日時点)という分量を迅速に処理するために、申請手続の簡素化にも取り組んできたが、申請件数が依然として高水準で推移する中、書類審査において不正申請が見つけにくくなる側面もあった。
不正受給の状況を見ると、令和2年9月~ 3年12月末で、不正受給261件約323億円、うち回収額(一部返還含む)218件約215億円となっており、不正受給への対応強化が強く求められる局面となっている。
不正事案の最近の動向としては、不正受給を扱う報道を見て、従業員等からの通報情報提供が増加しており、かなり具体的な情報が実名で寄せられている。
また、不正が疑われるもの含む事案の複雑化・巧妙化による調査の長期化も傾向としてある(管轄をまたぐ虚偽申請、指南役の存在、犯罪グループの関与、社労士による不正申請など)一方、事業主からの自主返納の動きも増加している。
(雇用関係のない者を雇用関係があることとした例、休業の実態がないのに休業を行ったこととした例、休業手当を支払った事実がないのに支払ったこととした例 等)
会計検査院からも対応方策の検討を求められている 。

 対応の方向性としては、
〇抑止力アップ、情報収集ー企業名等の積極的な公表 等
〇積極的・効果的な調査、体制強化ー事前予告なしの現地調査 等
〇捜査機関との連携強化


 都道府県労働局に対する指示(昨年秋に指示済み)
引き続き「迅速支給」 の一方で、あわせて「不正受給対応」を強化する 。
①不正が疑われる事業主への積極的な調査実施
②不正受給に対応するチームの編成(東京都では専属の班を編制、人員上、班編制が無理な局でも担当者は専従とする)
③労働局間での不正手口等の共有(聴取書の閲覧共有・不正が発覚した端緒の共有など)
④警察等関係機関との連携

 「雇調金不正受給の対応を厳格化する」というリーフレットを作成する。

1)事業所名等の積極的な公表、予告なしの現地調査
◆不正受給を行った事業所名等を積極的に公表します
◆都道府県労働局による事前予告なしの現地調査(事業所訪問・立入検査)を行います
 ※雇用保険法第79条に基づく検査。また、支給決定から5年間は現地調査を行う場合があるため、申請事業主は提出書類の保存が必要です。
 (事務代理を行っている社労士も調査・確認の対象とする。)
◆不正“指南役”の氏名等も公表の対象となる場合があります
2)返還請求(ペナルティ付き)
◆「不正発生日を含む期間以降の全額」+「不正受給額の2割相当額」(ペナルティ)+「延滞金」の合計額を返還請求します
 (不正発生日後、適正な申請がされていたとしても、「不正発生日を含む期間以降の全額」が返還対象となる)
3)5年間の不支給措置
◆雇用調整助成金のみならず、他の雇用関係助成金も5年間の不支給措置となります
◆不正受給は、あなたの会社や従業員の生活に深刻な影響を及ぼす結果を招きます
4)捜査機関との連携強化
◆都道府県労働局は、不正受給対応について都道府県警察本部との連携を強化します(情報提供・相談)
◆悪質な場合、捜査機関に対し刑事告発を行います

 なお、この件について、労働側委員からは「今後も迅速に支給決定ができることを担保しつつ、不正受給の通報者の保護には細心の注意を払いながら、資料で示していただいたとおり不正受給対応を強化していただきたい。」という趣旨の意見を述べた。

議事次第
【資料1】雇用調整助成金等・休業支援金等の助成内容(案)について
【資料2】雇用調整助成金等の不正受給対策について
参考資料

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