労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

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通勤災害の「通勤による」とは

2006-06-29 | 書記長社労士 労働災害
 通勤災害による記事、けっこう身近な記事なので、面白いって言ってくれてます。
もっと簡単な言葉で書きたいとは思っているのですが、僕にはこれが精一杯なんです。
ある程度、制度の概要の解説が一通り終わったら、個別の具体的な災害の例を書いていくつもりです。
僕のこのブログでも前に1回、雪に関する労働災害で「雪のため走行不能の自動車を雪から出そうと手伝って負傷した」ケースを紹介しました。
そういうのを書きますね。
「他人の不幸」を読むのはおもしろいよ(;^_^A

 労災保険法第7条では
第7条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
1.労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という。)に関する保険給付
2.労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という。)に関する保険給付
3.2次健康診断等給付

 さて、では「通勤による」とはどういう意味なのか考えましょう。

 労災保険法でいう通勤災害では、労働者が通勤の途中で被った災害(怪我や発病など)すべてが、労災保険給付の対象となるものではありません。
あくまでも「通勤による」災害の場合に限って保険給付がおこなわれます。

 この「通勤による」とは、通勤と災害との間に相当な因果関係があることが必要です。
すなわち、「通勤をしていなかったら、こんな災害は発生していなかっただろう」ということはもとより、経験則に照らして「通勤に通常内在した危険が具体化したこと」が「通勤による」ものを判断する際の重要な条件になります。
(『内在』=そのものの中にそのものの本質と深くかかわりあって存在すること。)
業務災害の場合の業務起因性と同じ考え方になっているのです。

 通勤に通常内在する危険とは
● 通勤の方法(手段)に内在している危険
 例)自動車、自転車、徒歩など

● 通勤の経路に内在している危険
 例)動物・昆虫など、天災地変、他人の加害行為、労働者本人の善意行為、等
の二つに区分できます。

 ここで注意すべき点があります。
上記、通勤の経路に内在している危険が、通勤災害として認められるには、さらに、「他に災害を発生させるような通勤と関係のない事情が認められないこと」という条件が必要なのです。

 他に災害を発生させるような通勤と関係のない事情とは例えば、
◇動物・昆虫・・・動物を挑発するような積極的な恣意行為
◇天災地変・・・天災地変によって通常ともなう危険が現実化したものでないもの
◇他人の加害行為・・・私的関係によるもの、怨恨関係によるもの、加害行為を自ら挑発する行為
◇労働者本人の善意行為・・・代替経路が無く、かつ通勤の継続が出来ないなどの事情が無く、たまたま通勤途中でおこなわれたような場合

 また通勤途中で発症した基礎疾患や既存疾病が憎悪して発症した場合、またはその発症が原因で災害が生じた場合は、一般的には、当該疾病および発症による災害は通勤を単なる機会として偶然に生じたもの(機会原因)と判断され、通勤による災害とは認められていません。

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