労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

【メモ】副業・兼業の場合の留意点(副業・兼業の促進に関するガイドライン)

2023-03-07 | 書記長社労士 労務管理


連合 2023春季生活闘争
政策・制度 要求実現3.7中央集会
くらしをまもり、未来をつくる。

@日比谷野外音楽堂

 ところで、うちのような公共交通産業の現業では、長時間・不規則勤務になりがちで組合員の健康管理が重要で、そして過労は利用者の安全・安心に影響もしてしまうので、「副業・兼業」を認めることにはかなり消極的ながら、ただ、労務管理上の課題でもあるので、以下、メモしておく。
だから、自分の立場では「副業・兼業」については慎重な対応が必要であることは重要だ。


〇副業・兼業については、従来、多くの企業の就業規則に全面禁止や許可制の旨を定め、違反した場合には懲戒処分を行うなどの対応がとられてきた。
〇近年は、労働者が就業時間以外の時間をどのように使うかは基本的自由であり、就業規則などによって一方的な禁止は適切でないという考え方が主流となってきている。
〇社会全体としても、副業・兼業に対する機運が高まっている。
〇制度導入の狙いは企業によってさまざまながら、本業での成長やキャリア開発につながるよう、従業員のスキルアップを目的に容認する企業の事例が増えている。

〇副業・兼業の場合の留意点(副業・兼業の促進に関するガイドライン)
◎安全配慮義務
 ⇒ 副業・兼業を行う労働者を使用する全ての使用者が安全配慮義務を負っている。
◎秘密保持義務
 ⇒ 自ら使用する労働者が業務上の秘密を他の使用者の下で漏洩する場合や、他の使用者の労働者が他の使用者の業務上の秘密を自らの下で漏洩する場合が考えられる。
◎競業避止義務
 ⇒ 使用者は、競業避止の観点から、労働者の副業・兼業を禁止又は制限することができるが、使用者は、労働者の自らの事業場における業務の内容や副業・兼業の内容等に鑑み、その正当な利益が侵害されない場合には、同一の業種・職種であっても、副業・兼業を認めるべき場合も考えられる。
◎誠実義務
 ⇒ 誠実義務に基づき、労働者は秘密保持義務、競業避止義務を負うほか、使用者の名誉・信用を毀損しないなど誠実に行動することが要請される。
◎副業・兼業の禁止又は制限
 ⇒ 副業・兼業に関する裁判例においては、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であるが、 ①労務提供上の支障がある場合、②業務上の秘密が漏洩する場合、③競業により自社の利益が害される場合、④自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合、のいずれかに該当する場合には、例外的に、労働者の副業・兼業を禁止又は制限することができる。
◎懲戒処分
 ⇒ 副業・兼業に関する裁判例においては、就業規則において労働者が副業・兼業を行う際に許可等の手続を求め、これへの違反を懲戒事由としている場合において、形式的に就業規則の規定に抵触したとしても、職場秩序に影響せず、使用者に対する労務提供に支障を生ぜしめない程度・態様のものは、禁止違反に当たらないとし、懲戒処分を認めていない。
◎労働時間管理
 ⇒ 労基法第 38 条第1項では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」と規定されており、「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合をも含む(労働基準局長通達(昭和23 年5月 14 日付け基発第 769 号))とされている。
 ⇒ 労働者が、事業主を異にする複数の事業場において、「労基法に定められた労働時間規制が適用される労働者」に該当する場合に、労基法第 38 条第1項の規定により、それらの複数の事業場における労働時間が通算される。
 ⇒ 休憩(労基法第 34 条)、休日(労基法第 35 条)、年次有給休暇(労基法第39 条)については、労働時間に関する規定ではなく、各事業場の定めが適用される。

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