広島鉄道模型友の会 公式ブログ

ここでは、活動の様子や会員の作品を紹介します

3月例会

2011年03月28日 | 月例会報告
3月例会が開催されました。

当初は、レイアウト搬入が危ぶまれるくらい出席者数が少ない見通しだったのが、その危機感が逆に良かったのか、『総会より多いんじゃない?』という冗談が飛び出すくらいでした。
今月は何故か電車が多く集まりました。しかも局地的に偏った内容で…(笑)



会長とH出氏の『宇部線の旧国』が勢揃い、そして『可部線の旧国』も…

前にも書きましたが、ウチのクラブは持ってくる車両が何故か偏るのですよね。別に相談した訳ではないのに…(謎)


E103型電気機関車

広電1080型

C11貨物列車

集まった車両は旧型電車だけではありません。洋モノから私鉄電車、そして久々にI田氏の蒸機を見ることも出来ました。聞けば動きの悪い車両を見事復活させたとか…

そして、今月から会員も一人増えました。そして、初めての作品に一同騒然…



何と錦川鉄道の気動車キットを見事に完成させていました。車体にデカールを貼り付けてあるのですが、その仕上がりはお見事と言うしかありません。これからの作品が楽しみですね!

そして例会終了間際には、I井さんの近鉄VISTA CARが登場!
10年以上、走らせてないのでは?と本人は言われてましたが・・・



箱の色あせの具合が、年代モノであることを感じさせますなぁ。

で、車両を取り出すと、さすがにグリスが固まっているのか、車輪も汚れ気味だったり…で、通電カプラーという画期的な機構を採用しているにもかかわらず、その走りは不調気味…



不調の車両を見つけると燃える(萌える?)のも我が友の会の特徴かと…(笑)
F原氏、I田氏を中心に見事な結束力でトラブル解消。しかしこの動力機構には皆、興味津々…



そして無事に走り出すことが出来ました!

で、多くの車両たちが走っているその横では、黙々と工作する人たちが…


電車…

貨車…

こちらも貨車…

また電車…

確か今年の競作のお題は『客車』の筈… 誰一人競作を作っていないのはご愛嬌でしょうか(爆)

さて、次回は毎年恒例の『お花見会』です。今年の天候は…? それより、最近の寒の戻りで桜は咲くのでしょうか…?

201系電車広島仕様製作記

2011年03月07日 | 会員の作品
その1…動機

2010年の競作のテーマは『ありそうなフリーランス』
貧乏モデラーの私は何かネタはないかと探っていたところ、YAMA模型より201系のぺーパーキットが発売されていることを知りました。
製品には原型タイプとJR西日本更新車タイプがあり、更新車のキットをベースに実際にありそうな(あって欲しかった…?)妄想を膨らませながら製作を開始しました。

が、今回はペーパーキット利用だから割とすぐに完成するだろうとのんびり構えていたら、競作締め切りには全く間に合わず、結局締め切りから約半年遅れてようやく完成したのでした(汗)

その2…妄想

JR西日本では321系電車の好評を受け、大阪環状線を始め関西地区の通勤型電車について同系の増備により従来型車両の置き換えを進める事になった。
その結果、103系については経年が進んでいる為に廃車、201系と205系については他地区へ転用する事になった。
201系については広島地区で使用する事となり、未だ残っている103系と105系のうち103系より改造されたグループを置き換える事とした。


増設運転台

201系を広島地区で運用するに当たり、現行の7両編成を4両と3両に分割する事とし、分割点に当たる中間車、モハ200とサハ201を先頭車化改造する事により所定編成本数を確保する事とした。
4両編成については山陽本線岩国~瀬野間と呉線全線、3両編成については山陽本線岩国以西、可部線及び呉線呉~三原間を主体に運用する事となった。
同形式については更新工事は既に施工済の為、転用に当たっては前述の通り一部車両の先頭車化と、下り向き先頭車のトイレ設置を中心に改造が行われた。



外部塗装については広島地区待望の新車(?)の為、新瀬戸内色と呼ぶクリーム色に水色、青色を配した塗装を施した。

以上のような設定をでっちあげてみましたが、現実は321系の増備も無く、113系が大挙して都落ちしてきたのは皆さんご承知の通りです。

その3…製作

1:車体
キットはレーザーカット加工された車体の他に、床板用の木板、床下機器(これも木材をレーザーカット加工)、窓ガラス用透明塩ビ板等が含まれております。
他に必要なのは台車、任意の動力装置、クーラー、パンタくらいで、一見とっつきやすそうな印象です。しかし、実際製作してみると従来のペーパー工作とは少々違う思想で設計された部分も散見されました。

このキットでは各部材を貼り合せて強度を確保する考え方で設計されており、私が従来ペーパー自作を行って来た工法とは考え方が異なります。本来なら車体が箱になってからサーフェイサーを塗布する指示になっていますが、私は従来工法通りに内貼り、外貼りの各部材にサーフェイサーを塗布後研磨してから貼り合わせに備えました。
内貼りと外貼りを貼り合わせる前に、JR西日本更新車特有の埋め込み雨樋を表現する為、外貼りの上部1mmの箇所に折り線をつけるのですが、これは意外に難易度の高い作業でした。
このあと貼り合せをエポキシ接着剤で行いますが、この際には予めつけられている屋根のカーブを崩さないよう注意が必要です。

貼り合せ後に補強の為の角材を接着しますが、床板には真鍮板を使うつもりなので裾部分の補強はKSモデルのアングルを使用しました。
幕板部の角材はキットに含まれている物を使いますが、方向幕に掛かる部分は予め削ってスペースを空ける必要があります。これらの作業が終わった後に妻板を付け箱にしますが、ペーパールーフの屋根カーブを出すための治具はキットには含まれており割と楽に作業を進める事ができました。


クハ200-77

クハ201-503

先頭改造部分の前面部はJR西日本っぽい表情を意識しつつペーパーから自作しました。もともとの前面部分はキットの部材構成がよく考えてあり、各パーツを貼り合せた後に額縁状の部分をうまく削り出してやれば、どこから見ても201系の顔になります。


トイレ部分

下り方のクハ200には忘れずにトイレ設置工事を行います。と言っても該当部分の窓(側面端部と妻面1ヶ所)を埋めるだけですが…

車体がうまく箱状になれば、このキットの特徴でもある屋根肩カーブを付ける為に車体表面側に付けられた溝を埋める作業を行います。しかし更新車キットでは雨樋埋め込み表現がなされており、これが障害となってパテ埋め後の研磨作業が非常にやりにくくかなり手間や時間を割くハメになりました。そして気が付けば競作締め切りに到底間に合いそうにないことが分かり、競作参加はあきらめてのんびり製作を進めることになったのでした。

クーラー脇につくランボードはキットには含まれていない為、プラ板とパテを駆使して肩が斜めになったタイプのランボードを新設しました。パンタ脇のランボードはキットに含まれていますのでこれを付けてあります。その後自動車補修用のプラサフスプレーを吹付け、研磨を数回繰り返して下地をつくります。
下地の最終仕上げとして、プラ用のGM塗料を使うので、塗装に備えてグンゼのプラ用サーフェイサースプレーを吹き付け、1000番程度の目の細かい耐水ペーパーで下地の最終仕上げを行っておきました。
下地が出来たらディテーリングを行います。更新車特有の窓枠や妻面の縦樋はキットのパーツ(予めサーフェイサースプレー吹付け済)を、号車札差しやルーバー等はエコーのパーツをそれぞれシンナーで貼り付けてあります。テールライトは天賞堂製を使うよう指示がありますが大きすぎるので今回はボナファイデ製パーツを使用しました。妻面に付くホロ枠はキットのパーツを使いましたが、目止め等結構手間が掛かるので市販のパーツを使う方が良いと思います。


モハ201-171

モハ200-171

各車とも屋上の加工はクーラー取付け穴開けや手掛け新設程度です。クーラーはAU75Gを搭載しているので、トミーのプラパーツを使用しています。モハ201についてはパンタ廻りの配管工作も必要となりますが、これはインターネットから探してきた画像をベースにいつものようにそれらしく引き廻しておきました。パンタはエンドウのPS21(銀)を購入しましたが、銀塗装が妙にボテッとしていた為塗装を剥離後にGMのねずみ色を吹き付けてあります。

2:床下
床板はいつもの通り発生品のt1.0程度の真鍮製の床板を使い重心を下げています。台車はエンドウのDT-46をMP用ボルスターを介して取付け、カプラーは先頭部がTNカプラー、連結面がエンドウの引っ掛け式(?)を使用しています。
床下機器はクハがキット付属の物(裏面に厚みを増す為にt1.5プラ板を貼付け)+エンドウのタンク類とトイレ付き車にはエンドウのトイレタンクを、モハについてはコンプレッサーやリアクトル等立体感が欲しい機器もあるので、エンドウ製の物を使いました。
動力装置はいつも通り、CN-16強力型とMPギアーを使いましたが、片軸モーターの為に2軸駆動となっています。軽いペーパー車両の為、勾配のない当クラブのレイアウトで走行させる分には特に問題はないと思っています。(本当はコストの掛かるMPギアーを節約したかった…)
また、ウエイトもいつも通り搭載していません。床板、モーター、ホワイトメタル製の床下機器等の重量でもそこそこの重さがありますので…

乗務員用ステップ、ジャンパ栓受けはエンドウ製のパーツを使用し、JR西日本特有の排障スカートはペーパー製ものがキットに含まれています。
床下部分は広島仕様を名乗るならグレーにすべきかと思いましたが、いかにも関西から流れてきた雰囲気を出したいと思い黒(ホントは台車の塗装が面倒?)に塗りました。
一応関西のどこかの工場で改造を済ませてから広島入りしたと云うことにしておきましょう…

3:塗装
金属パーツにシールプライマーを塗布後、塗装に入ります。
まず、GMクリーム1号を車体全体に付け窓周りを残してマスキング、その後GM青24号(東武ライトブルー)を吹付けます。最後に帯部分を残してマスキングを追加して、グンゼのインディブルーを吹付けて車体の塗装は一旦終わります。
塗料乾燥後にマスキングを剥がしタッチアップ後、靴ズリとなる銀色のカッティングシートの細切りを所定位置に貼り付け、その後窓枠の銀色を筆塗りで塗ってから車番等の表記類を転写してグンゼのスーパークリアー半艶を吹付けて表面保護をします。

クリアー乾燥後、クハ200のみ前面窓部分を黒塗装します。その後、各車とも屋根を残してマスキングを行い、GMダークグレイを屋根部分に吹きつけ最後にグンゼのつや消しクリアーを吹いて塗装は完了となりますが、寒い時期に塗装したせいか殆ど艶が消えずちょっと不満な部分です。屋上配管等は明るいグレーを差してあります。屋根塗装が完了後、側面窓のサッシ部分にエナメル塗料で黒色を塗っておきました。

ここで、私の塗装方法について少し詳しく述べてみましょう。
エアーブラシ使用時の塗料の濃度は厳密に何対何とは言い難いのですが相当薄いです。塗料のビンのふちに薄めた塗料を流した時に、殆ど色が付かない位に薄めています。また、薄める時には目標濃度のちょっと手前で普通のシンナーの使用を止め、リターダーシンナーで最終調整を行っています。
次に吹付け用具ですが、これは大学生の時に導入したタミヤのスプレーワーク(ピコピコ騒々しいヤツです)を使用しています。但し、15年以上使用している為か最近になってコンプレッサーからスプレーガンにつながる樹脂製ホースが溶け出してきた(何が原因か知りませんが内部に溶けた樹脂が溜まる)ので、内径の合う他社製ホースに従来のジョイントを強引に接続して使用しています。
スプレーガンや塗料カップも経年劣化でいろいろ不具合が出たので、現在使用しているのは2代目になります。
実際の吹付け作業ですが、スプレーガンと吹付け対象物との距離は3~5cm程度とかなり近いです。この為、スプレーガンを振り抜く速度は結構速いです。(塗料がタレないようにする為には、結構経験が必要かも。)そして、同一の色を吹付ける回数も薄い色だと10回前後、濃い色でも5回程度とかなり多いです。要するにかなり薄い塗料を、至近距離から何回も吹付けていると云う事になります。ちなみに一度吹付けた後の乾燥時間は30分程度とっています。
屋根や床下機器については手軽に缶スプレーを利用していますが、これはグレーや黒等いわゆるノリの良い色が多いのと吹付け量が多い為、5~10cm程度の距離から3~5回程度吹付けてあります。但し、今回のように真冬に塗装する際は必ず缶スプレー自体をお湯などで温めてから吹付けるようにしないと、ガス圧が不足して塗装面がぶつぶつになったりするので注意が必要です。
マスキングについては、塗り分け線にあたる場所は必ずタミヤのマスキングテープを使用しています。これは塗り分け線のシャープさが違うからです。また、プラ車体の場合にはマスキングテープの代わりにセロテープを使います。そして重要なのが、ドアー部分やサボ受け等が塗り分け線に掛かっている場合の処理方法です。段差がある部分は、必ず切れ込みを入れて(このときはOLFAアートナイフの刃先の状態の良い物を使用。)テープを密着させて、切れ目になっている部分にマスキングゾルを塗布してニジみを防止します。
私はレタリングの後に保護目的でクリアー塗装を必ず行う事にしている為、少々の艶の差は全く気にせず、とにかく色が乗っていることを重視して塗装を進めています。

4:仕上げ
側面及び妻面窓ガラスはキット付属の塩ビ板より。ガラス貼付けの際に今回薄手の両面テープを試用してみましたが、粘着力や車内美観等まずまずの結果になったように思います。作業自体も従来のゴム系接着剤使用時に比べ、手間や時間を省くことが出来ました。
クハ200の前面部についてはまず必要パーツの黒塗装実施します。ガラス部分はキットに含まれていますが、レーザーカットされて盛り上がっている切断面を整えないと接着するときに密着しないので、ガラス部分になる場所を傷つけないよう修正しています。
先頭改造車のクハ201については、ヘッドライト部分・前面方向幕部分は透明プラ板をハメコミ、前面ガラスは普通に裏から貼り付けています。
ワイパーはフジモデル製を使用しましたが、クハ200は黒、クハ201は銀として差をつけてみました。ちなみにこのパーツのダブルアーム部は何故か抜けていません。(溝状になっています。)
内装については、キットに付属していた運転室仕切りの設置と新設したトイレ部分を適当な紙を使って表現した程度で、座席等は特に製作していません。
標記類は以前製作した105系同様「当会のI藤さんスペシャル」を使用しています。JRマークはNゲージ用の流用です。
 
その4…終わりに
ペーパーキットは初めて作りました。最初に記したようにペーパー自作派には少々戸惑う部分もありましたが、上手に利用すれば安くて作り手の思いを込めた模型が作れるように思います。



完成した車両を例会に持って行ったところ、私なりに結構考えた末に自信をもって塗った新瀬戸内色だったのですが、当会の皆様には韓国の地下鉄みたいとの感想を頂きました。窓廻りの水色が韓国風のイメージを醸し出しているようです。

さて、韓国風新瀬戸内色どころか『末期色』と揶揄される黄色一色に塗られた車両が増え、ダイヤ改正では運転本数も減らされるなど明るい話題が一向に出てこない広島地区ではありますが、せめて模型の世界では広島にも抵抗制御以外(インバータ制御でもありませんが)の車両を入れてやりたいと思いこのような模型を製作した次第であります。

嗚呼、本当に広島に201系とか221系とかが、やって来ませんかねえ…(息)