広小路歯科 院長の雑記帳  (豊橋の歯科医院)

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現役90歳 老医からの手紙

2023-07-12 08:39:06 | Weblog

岡山の叔父からお中元の礼状が届いた。

叔父は元々、産婦人科を開業していたが比較的若くに閉院して内科系の勤務医として長年活躍してきた。
それから定年退職後に自宅から離れた老人施設の専属医師として勤めている。
月曜日から金曜日はその施設近くの職員官舎のような所で暮らして、週末に岡山の自宅へ帰って来る。
なかなかユニークな暮らしぶりの老医である。

手紙の一枚目は、お中元に対するお礼と近況、そして我々家族を気遣う言葉が記されていた。
そして手紙の2枚目を見ると、そこにはいっぱい薬剤名が書き連ねてあった。



「最近は、冠動脈ステント挿入後、内服中の患者がいます」と書いてあり、いわゆる血液がサラサラになる薬剤が列挙してある。
手紙の最後の方には「出血しやすく、止血困難なることがあります 注意!!」とも書いてある。
また「血液疾患の場合も考慮し血液内科へ搬送」とも書いてある。

甥っ子を思って90歳になる叔父が注意喚起してくれることに感謝である。

それで、問題はここからである―――――
我々歯科医師は血液サラサラ系の薬を服用している患者さんと普段から多く接していて、抜歯などの観血的処置を日常的にしている。
僕らが歯科医になったころは術前1週間ほど前から休薬して抜歯をしていたが、血栓を作ってしまう全身的な影響の方が多いとされ今時は休薬せずに抜歯をするのがスタンダードである。
だから術後は念入りな止血をするのは先刻承知。

叔父の忠告も、我々歯科医としては常識と言えば常識である。

ただ、この忠告を「そんなの知ってるよ」とやり過ごすのか「今一度、気を引き締めて事にあたろう!」と思うのかでは違うと思う。

よく親が子に「道を渡るときは、気を付けて渡るんだよ!」なんて注意する。
その時「そんなの知ってるよ」と忠告を軽視して漫然と道を渡って事故に遭うのが世の常である。

キャリア30年近くの歯科医に叔父があえての注意喚起。
この先、起こるかもしれない医療事故への予言なのか警告なのか・・・重く受け止めて日常の診療にあたろう。







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