広小路歯科 院長の雑記帳  (豊橋の歯科医院)

休診日:木、日、祝日
診療時間:9時~12時 2時~7時
*土曜は5時まで

文字数との闘い【声欄掲載の舞台裏】

2022-10-28 10:36:41 | Weblog
今回の朝日新聞「声」欄に投稿してから掲載に至るまでの流れをご紹介します。
前回のブログ記事「朝日新聞に掲載されました!」はココをクリック

2022年10月13日に政府はマイナンバーカードと従来の保険証を一体化して従来の保険証を廃止にすると河野大臣の記者会見を通じて発表しました。

医療施設の設備的な面は全国的に見てもまだまだ不充分ですし、在宅医療ではマイナンバーカードを医院に持ち帰らないと保険証の番号すら判らないので「えらい無茶苦茶な事言うなぁ!」と思い4年半前にも採用されたことのある「声」欄に投稿しました。
それが、記者会見翌日の10月14日の事です。

ホントのホントに言いたいことは、前回のブログに書きなぐりましたが、入稿した内容は応募規定の500字程度に近づけて書きました。
それでもワードの文字数カウンターで590文字ぐらいになってしまいました。

10月20日、休診日の木曜日、買い物から帰って玄関で靴を脱いでいる夕方5時前、めったに鳴らないスマホの着信音が鞄の中から聞こえます。見知らぬ番号はたいていスルーして後からメッセージなどを聞いて、必要な着信であったかを確認しがちな私ですが、この時は何故か電話に出ました。

落ち着いた声の男性が「声」欄に採用されたことを伝えてくれました。
紙面が限られているので、原稿を削って文字数を合わせないといけない事を、すごく丁寧に説明してくれました。
私は紙面の都合で文字数を削ったり、読者に解り易い様に言葉を変更することは、はなから承知しているのですが、それを恐縮しながら丁寧に説明するのです。
人様の文章に手を加える事を、大事に思っている。
言い換えれば人様の文章を神聖に思っているかのようでした。
「ああ、この編集者さんは言葉を大事に思っているのだな」と思い、同時に「日常の文字を削るという業務のマンネリ化に流されない素敵な人だな」と思いました。

とかく人間は日常業務のマンネリ化に流されがちです。
例えば私は週に何本も患者さんの歯を抜きますが、私の日常は患者さんにとっての非日常であり、一大事なのです。
ここで大事なのは相手(患者さん)の気持ちに寄り添う事。
間違って相手の気持ちに入り込むと業務に支障をきたします。

それから、その電話で編集者さんと投稿内容の趣旨の確認や専門用語をどこまで一般用語化するかなどなどを打ち合わせして、メールで一回目の編集後の文章を送ってくれることになりました。

そして、10月21日金曜日。
最初の文案が編集者さんからメールで届きました。
590文字を400文字にするのは大変な事だったと思います。
メールの文章もやはり丁寧で編集者さんの人柄が伝わってきます。

あくまで想像ですが、訓練された記者の記事を調整するより、好き勝手に書いてよこして来る素人の文章に手を入れるのはベテラン中のベテラン編集者の役割だと思います。
かなりのベテランとお見受けしました。

そこで、どうしても削られ過ぎて趣旨が伝わらないのではと思う箇所があったので、その個所を指摘して返信しました。

10月22日土曜日
予め、メールで土曜日は夕方5時までの診療なのでそれ以降なら電話が繋がると書いておいたので、それを見越した6時に編集者さんからの電話が鳴りました。
その電話も丁寧で、この段落は、あと何文字入るとか入らないとか、この言葉をこう変えると1文字減らせれるとか、かなりシビアな文字数調整をしました。

そして、先ほどの電話での打ち合わせた内容を反映した原稿をメールで送ってくれることになりました。
「10分ほどで訂正した原稿をメールで送ります」との事でした。

しばらくしてから、院長室でメールを確認します。
先ほど電話で打ち合わせした内容が反映されたメールが届いています。
そこへ編集者さんからの電話「今、送信しました。まだ変更できますから、ゆっくり見てお返事ください。」と、どこまでも丁寧な対応。

せっかく、最終締め切りまで時間が有ると言ってくれたので、何回も読み返しました。
とてもこれ以上は、いらえない(関西方言)ので、OKする旨メールで返信しました。

「そう言えば、タイトルについては打ち合わせしてなかったっけ・・・」と思いましたが、4年半前に掲載された時も編集者さんは今回と違いますがセンス良くやってくれたので、お任せにして楽しみに掲載を待つことにしました。

そして、火曜の朝、「保険診療できない医院続出する」というインパクトのあるタイトルで無事掲載されました。














コメント
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