福島の町並みを抜けてくると十三石橋に出て、視界が一気に広がります。
「町民ひろば」に行くのであれば、川沿いにこの道を進みます。
「坂のまち大橋」に戻るのであれば、こちら。
天満町に行くには、十三石橋を渡ります。
橋の欄干に十三石の名の由来があります。
十三石由来
まだ八尾がさびしい村のころ、今の東町あたりにお玉という美しい娘がいた。
お玉には心に決めた若者がいたが、その若者は実は仁歩谷に住む大蛇であった。
お玉は、たとえ相手が大蛇であっても妻となる約束を破ることはできないと 十三石橋あたりにあった池に身を投げ小蛇となった。
それ以来人々は、この池をお玉が池と呼び、小蛇を玉蛇といった。
大蛇はお玉が池へ喜んで通ったが、そのたびに大洪水を起こし村人を苦しめたので、平沢の小七郎が大蛇を平沢の池にふうじこめた。
それとは知らない玉蛇は大蛇の無情を怒り、嵐を起こしたりしたので、大長谷の島地八幡は哀れに思い、玉蛇を佛弟子とし浄円寺に仕えさせた。
お玉が池はやがて開拓され、十三石の米がとれたことから、このあたりを十三石と呼ぶようになった。
(八尾町史より)
さぁ、それでは渡りましょう。
さて、美容院の所の交差点で、改めて周りを見回してみましょう。
まずは「2」でも紹介した「坂のまち大橋」
奥に見えるのは別荘山です。
おわらの歌詞にもあります。
~ぽんと出た別荘山から出たでた月が
おわら踊りにオワラうかれ出た~
(小杉放庵作 八尾八景「別荘山の明月」)
おわら節五文字(ごもんじ)冠り(普通のおわら節の歌詞より上の句が五文字多い)の名作です。
おわら節は上の句、下の句をそれぞれ息継ぎなしで唄い上げますので、歌詞が長くなればなるほど難度が高くなります。
以前にも書いたかもしれませんが、もはや記憶にありませんので再掲になるかもしれませんが、正調?のおわら節の歌詞を文字数で表すと、
「七 七、 七 オワラ 五」
となりますが、五文字冠りになりますと、
「五 七 七、七 オワラ 五」
更にこの他「字余り」といって、
「七 七 七 七、七 オワラ 五」
とか
「五 七 七 七 九?・・・」
とか余所者の私には文字数の計算ができなくなってくるようなものまであります。
この辺の違いは毎月第二、第四土曜日に曳山会館内のホールで行われる「風の盆ステージ」で詳しく説明されていますので、ご覧になればご理解いただけるものと思います。
さて、この「坂のまち大橋」を渡っても天満町に行くことができますが、町中を通っていくことにしましょう。
左側の道は旧町とは逆方向になります。
林盛堂の玉天を購入したい場合はこちらに進みますが、天満町へは右の道を選びます。