いっぷくしょまいかいね

いっぷくしてから それからまた やろまいかいね

2008.09 八尾にて 終章

2008年09月30日 | 風の盆

9月4日 6時40分 起床
昨日からの雨がまだ降り続いている。
町に出ると「かっぱ」を着てぼんぼりを片付けている人の姿がある。
これで今年のおわらも終わってしまったのだ。

芭蕉の名句に

おもしろうて やがてかなしき 鵜舟かな

という句があるが、

おもしろうて やがてかなしき おわらかな

そう詠みかえて口ずさんでみる。
芭蕉には申し訳ないが、今の私の心境にはぴったりである。

さて、いよいよ八尾を後にしなければならない時が来た。
知人宅に伺い、お世話になったお礼を申し述べる。

8時30分 出発


滞在時間 112時間30分
撮影枚数 870枚


白み始めた空の下、おわらの終わりを告げる「浮いたか瓢箪」を聞くことが出来なかったのが、やはり心残りである。

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2008.09 八尾にて 24

2008年09月29日 | 風の盆

14時15分 目が覚める。

目は覚めたが、外は相変わらずの雨。
例年通りならば昼間に予定のない3日の日は、町中をうろうろして写真を撮ったり、城が山を展望台まで(夜、ライトアップされている「あれ」)上ってみたりと、精力的?に活動しているはずで、今日のように涼しければじっとはしていられないのである。
しかし雨が降っていてはどうもできない。
押入れの中でおとなしくしている他はない。
なのでマンガ本など読んでみるが、そうするとまた眠くなってきてうとうとしてしまう。
そして目が覚めると再びマンガの続きを読み、またうとうと・・・
その繰り返しをしていると、聞名寺?の鐘の音。
時計を見るとすでに16時20分を過ぎている。

押入れの天井を見ながら鐘の数を数える。
丁度10回鳴った。
数え終わって外を見ると、雨が上がっている。
このまま降らなければいいのだが・・・
しかし空を見れば雲は低く垂れ、いつまた降り出してもおかしくない状態だ。

救急車のサイレンが遠く聞こえる。

17時15分 知人宅を訪問

外はだんだんと暗くなり、街灯が灯る。
その街灯に照らされて、雨が再び降り始めたのを知る。

本日の予定は19時30分から、おたや階段下での輪踊りである。
しかし雨は止まない。
何度も何度も外の街灯を見る。
小降りになる様子もなく降り続いている。

そういえば去年のこの日も、雨が降っていたなぁ。

さて、知人宅ではそんな天候を余所に、おわらの準備が進んでいる。
ある地域から来た団体さんに披露するためである。
二間続きの和室をぱっと見約30名の団体さんのために開放し、その奥のリビングにあるソファなどを移動してステージに仕立てる。
私もスタッフ?のひとりとして会場設営に協力させていただく。

21時50分
唄 男女各1名
囃子 男1名
三味線 男2名
胡弓 男1名
踊り 男女各1名
総勢8名によるおわらが始まる。


約20分のステージ?に団体さんは満足し、お礼の言葉をいいながら去っていく。
特設ステージ?は原状回復され、いつもの様子に戻る。
外の雨も相変わらず。
今はただただ、雨の上がるのを切に願い、その時が来るのを待ち続けるしかない。

26時15分 最早町流しが行われることはないだろう。
自分自身の気持ちにけりをつけるべく、知人宅を辞去する。
外に出ると民家の軒下などに佇んで雨を避け、所在なさげにしている人達の姿がある。
夜の町流しを見るツアーで来ているのだろうか。
観光バスが戻ってくる時間まで、こうして過ごさなければならないのだろうかと思うと、気の毒な気がする。
しかし、これもまた「おわら」なのである。

さて、かく言う私も簡単に気持ちの整理はつけられない。
往生際悪く、町中へと向かう。

柳清水・曳山会館・蔵並通り・西新町・東新町・諏訪町・合同の坂・・・
中止とならなければ通ったであろう道順を辿ってゆっくりと歩く。
過去2日間のそれぞれの場所での光景が思い出されてくる。
踊り手を先頭にして、その後に胡弓、三味線、そして唄い手が続いている。
「鳴くなこおろぎ淋しゅうてならぬ お前ひとりのオワラ秋じゃない」

今、私の目の前には確かに町流しが・・・

2008owara143



あきらめきれない思いを引きずりながら車に戻る。
あと数時間後には八尾を離れなければならない。

27時30分 就寝

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2008.09 八尾にて 23

2008年09月28日 | 風の盆

駅まであと少し、というところで雨がぽつぽつと落ちてきた。
駅の周りの写真を撮ったら帰ろうと思う。

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と、突然の本降り。
思わずトイレ脇の屋根付きベンチに駆け込む。
弱った。
ここまでふらふら写真を撮りながら来たので、1時間くらいはかかっているが、一所懸命に歩いても戻るには30分位は必要だろう。
どこかで傘が買えるだろうか。
でも傘が買えたとしても、それから30分も歩くのだったら、いっそタクシーに乗った方がいいか。
タクシー会社はちょうど目の前にあり、電話番号も大きく出ている。
電話して目の前まで来てもらえば、ほとんど濡れずに済むし・・・

2008owara139


しかし節約第一の貧乏旅行なのでタクシー代がちょっと痛いな・・・

雨は止む様子も小降りになる様子もなく降り続いている。
20分ほど思案をし、結論はタクシーで、と、その時、視界の右側にバスが入ってきた。
「おおっ!まちめぐりバスじゃないか。」
曳山の頃など曳山会館下でよく見かけていたあの茶色いバスの存在を、今の今まですっかり忘れていた。
すばやくバスに乗り込む。
曳山会館直行で料金100円である。ラッキーである。

2008owara1402008owara141


10時50分発車
乗って5分ぐらい経って八尾大橋付近に差しかかったとき、雨が突然強まった。
ゲリラ豪雨のちょっと手前ぐらいの勢いだ。
ひぇ~
これじゃ降りてからずぶ濡れ確実である。

結局曳山会館から車に戻る間も雨は弱まることなく、予想通り全身濡れ鼠で押入れに逃げ込んだ。
濡れた服を脱いでタオルで体を拭き着替える。
雨露をしのげる押入れの存在が、こういうときは大変にありがたいと思う。
11時20分現在、車内気温25度、快適である。

12時 雨の勢いも普通?となったので、朝食も食べていないこともあり、例の鏡町の喫茶店に向かいピラフセットを注文する。

13時 車に戻る。
お腹がふくれたので、眠い・・・

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2008.09 八尾にて 22

2008年09月27日 | 風の盆

9月3日 7時45分起床
涼しいせいか、前2日よりも1時間ほど起きるのが遅くなった。
雨は上がったが雲は黒く低く垂れている。
今日、最終日の予定は夜だけなので、朝から写真を撮り歩くのが毎度のお決まりである。
例によって「押入れ」の中を片付け、身支度を整える。
雨は降りそうだが、カメラもあるし少しぐらい降っても気にならないので、傘も持たずに9時30分、町内へと出動する。
まずは鏡町を抜けて忍び道を通って中小路から西町通りへ。

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そして四十物横丁で右折して東町通りへと出る。
さて、今日の写真のテーマは路上観察学会の向こうを張った、町内の「おわら物件」探しである。
目に入ってくる「おわら物件」をカメラに収めていく。

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下新町へ

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福島へ

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坂のまち大橋は対岸に当たる天満町側の道路が未整備とのことで、おわらの期間は全面通行止めとなっている。

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駅まであと少し、というところで雨がぽつぽつと落ちてきた。

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2008.09 八尾にて 21

2008年09月26日 | 風の盆

23時55分 おたや階段下での本日最後の踊りが終わる。
一旦車に戻り小休止。

25時25分 公民館発
昨夜と同じように和泉屋の坂を上っていく。
この坂は狭いので、一本隣の通りから合同の坂に出て和泉屋の坂の出口(もしくは入口)で鏡町衆が上ってくるのを先回りして待つ。
やがて踊りの列は目の前を通り過ぎ、柳清水に入っていく。
柳清水も狭いので、合同の坂を早歩きで上りきり、上新町の中央通りを通って祐教寺の前から柳清水の出口(もしくは入口)付近にまたまた先回りして待つ。
昨晩はここで写真を撮ったが、今日は撮らない。
そしてまた再び目の前を通り過ぎていく、それからはおとなしく列の後に付いて曳山会館前に至る。

西新町、東新町を経て諏訪町に入ったのが27時過ぎ。
近年には珍しく観光客が少ないようだ。
夜の町流しに付いて今夜撮った、たった1枚の写真がこれだ。

2008owara122



諏訪町本通りから蟹沢通を抜ける頃から小雨が降り出した。
ここで中止か、と思ったが、もうじき鏡町だからか、そのまま進んでゆく。


28時15分
どうにかおたや階段まで持ちこたえた、という感じだ。
雨がだんだん本降りとなってきた。

28時30分 就寝

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