14時15分 目が覚める。
目は覚めたが、外は相変わらずの雨。
例年通りならば昼間に予定のない3日の日は、町中をうろうろして写真を撮ったり、城が山を展望台まで(夜、ライトアップされている「あれ」)上ってみたりと、精力的?に活動しているはずで、今日のように涼しければじっとはしていられないのである。
しかし雨が降っていてはどうもできない。
押入れの中でおとなしくしている他はない。
なのでマンガ本など読んでみるが、そうするとまた眠くなってきてうとうとしてしまう。
そして目が覚めると再びマンガの続きを読み、またうとうと・・・
その繰り返しをしていると、聞名寺?の鐘の音。
時計を見るとすでに16時20分を過ぎている。
押入れの天井を見ながら鐘の数を数える。
丁度10回鳴った。
数え終わって外を見ると、雨が上がっている。
このまま降らなければいいのだが・・・
しかし空を見れば雲は低く垂れ、いつまた降り出してもおかしくない状態だ。
救急車のサイレンが遠く聞こえる。
17時15分 知人宅を訪問
外はだんだんと暗くなり、街灯が灯る。
その街灯に照らされて、雨が再び降り始めたのを知る。
本日の予定は19時30分から、おたや階段下での輪踊りである。
しかし雨は止まない。
何度も何度も外の街灯を見る。
小降りになる様子もなく降り続いている。
そういえば去年のこの日も、雨が降っていたなぁ。
さて、知人宅ではそんな天候を余所に、おわらの準備が進んでいる。
ある地域から来た団体さんに披露するためである。
二間続きの和室をぱっと見約30名の団体さんのために開放し、その奥のリビングにあるソファなどを移動してステージに仕立てる。
私もスタッフ?のひとりとして会場設営に協力させていただく。
21時50分
唄 男女各1名
囃子 男1名
三味線 男2名
胡弓 男1名
踊り 男女各1名
総勢8名によるおわらが始まる。
約20分のステージ?に団体さんは満足し、お礼の言葉をいいながら去っていく。
特設ステージ?は原状回復され、いつもの様子に戻る。
外の雨も相変わらず。
今はただただ、雨の上がるのを切に願い、その時が来るのを待ち続けるしかない。
26時15分 最早町流しが行われることはないだろう。
自分自身の気持ちにけりをつけるべく、知人宅を辞去する。
外に出ると民家の軒下などに佇んで雨を避け、所在なさげにしている人達の姿がある。
夜の町流しを見るツアーで来ているのだろうか。
観光バスが戻ってくる時間まで、こうして過ごさなければならないのだろうかと思うと、気の毒な気がする。
しかし、これもまた「おわら」なのである。
さて、かく言う私も簡単に気持ちの整理はつけられない。
往生際悪く、町中へと向かう。
柳清水・曳山会館・蔵並通り・西新町・東新町・諏訪町・合同の坂・・・
中止とならなければ通ったであろう道順を辿ってゆっくりと歩く。
過去2日間のそれぞれの場所での光景が思い出されてくる。
踊り手を先頭にして、その後に胡弓、三味線、そして唄い手が続いている。
「鳴くなこおろぎ淋しゅうてならぬ お前ひとりのオワラ秋じゃない」
今、私の目の前には確かに町流しが・・・
あきらめきれない思いを引きずりながら車に戻る。
あと数時間後には八尾を離れなければならない。
27時30分 就寝