気がつけば2007年も暮れ、新しい年がもうそこまで。なのに本ブログの今月の記事は1件のみ。このままでは気持ちよく、良い年が迎えられないのでとにかく更新を、とはいっても足のケガのせいでネタが拾ってこれません。なので2007年撮影の在庫画像でやっつけ仕事。
「これはこれは、うちの娘が危ないところを・・・なんとお礼を申し上げてよいやら・・・誠にありがとう存じます。」
「いやいや、何はともあれ、無事でなにより。」
「ところでご隠居様方は、旅のご一行とお見受けしましたが・・・」
「はい。店を倅夫婦にまかせてから、年寄りのわがままで気ままに旅をしております。越後の縮緬問屋の隠居で、光衛門と申します。えぇ、番頭の助に、手代の格、それに八兵衛です。」
「それはそれは。ところでご隠居様、今晩のお泊まりはどちらかにお決めですか。」
「いや、それは宿場に着いてから探すつもりで居りますが・・・」
「それではご隠居様、この近くに私の家がございます。いえ、田舎ゆえ大したおもてなしも出来ませんが、是非とも私どもにお泊まりください。」
「いや、このように大勢でお伺いしても・・・」
「ご隠居~っ、あっしはもうくたびれて歩けませんよ~。せっかくこう言ってくださってるんですから、お言葉に甘えましょうよ~っ。」
「これっ、八兵衛」
「そうそう、そうでございますよ、ご遠慮なくどうぞ。これっお美代、早く皆様をご案内しなさい。」
「はい」
「ご隠居様。あれに見えるのが我が家にございます。ささ、どうぞ。」
「ご隠居~っ。立派な家ですね~。助さん、格さん、これなら料理の方もさぞかし・・・」
「これ、八兵衛、いい加減になさい。」
「へぇ、すいません。」
「ささ、どうぞどうそ。」
「さあさあ、どうぞこちらでおくつろぎくださいませ。」
2007年2月
国指定重要文化財 彦部家住宅(群馬県 桐生市)
『おっとぉーが、無理やりお役人たちに連れていかれたぁーー、うぇ~~ん』
『おとっつぁん! 信兵衛さんが連れて行かれたんだって!』
『何っ! 信兵衛さんが!? あの性質の悪い役人か・・・』
『ご主人。ここはひとつ、私たちに任せてもらえませんか』
『ご隠居さまたちに?・・・・・』
『助さん、格さん、様子を見てきてください』
そこへ、弥七の風車が・・・・!!!
『まあ、ご主人、今、供の者に見張らせていますが、すぐのすぐにどうということはないでしょう。
ここはまず相手の出方を見ましょう。』
『あ、あなたさまは一体・・・』
『なあに、ただのお節介焼きの年寄りですよ。ですが亀の甲より年の功とも言いますからな・・・ここはこの年寄りに任せてみたらいかがですかな・・・』
つづく・・・か?