一通り写真を撮った後の帰り道、道ばたに腰掛けて本(※)を読んでいると、私が帰るべき方角からひとりの男性が歩いてきて、声をかけられました。
「親水公園はこの道でいいんですかね?」
という感じだったでしょうか。
「そうですけど・・・、結構距離がありますよ。」
と、まぁこんな感じで答えたでしょうか。
その人は私の脇に腰を下ろして、途中で買ったというアメをいくつかくれ、しばらく話をしました。
埼玉から来たこと。
先月?行った半月峠(中禅寺湖の方にあります)から見た足尾がきれいだったので、写真を撮りに来たこと。
朝、4キロくらい散歩した後、急に足尾に行くことを思い立ったので、ひとりで来たこと・・・
そして10分ぐらいで左右に別れました。
私は途中振り返ってみました。
とぼとぼと歩いていく後ろ姿が小さくなっていきます。
思い立ってすぐに行動したり、半月峠に行ったり、元気そうだから大丈夫かな?
でも70歳半ばぐらいなんだろうな・・・
私は早足で車を取りに戻ると後を追いかけました。
目的地である親水公園の手前で追いつくことができ、車に乗ってもらいました。
そして親水公園内の飲食店で一緒に昼食を取りました。
そんなつもりはなかったのですが、結果ご馳走になることとなりましたので、こうなりゃとことん付き合おう、という気持ちになり、近くの渡良瀬川源流に行き、写真を撮ったりしました。
(その人もデジタル一眼を持っていました。)
そして帰路につきました。
間藤駅に着くと、次の電車まで1時間以上あります。
このまま放っていくわけにはいかないと思い、その人が埼玉に帰るのに都合のいい、東武線の赤城駅(ここから東京の浅草までは「りょうもう号」で2時間弱で行くことができます)まで送ることにしました。
駅に着くと電車が発車するまでわずか5分くらいしかありませんので、きちんとした挨拶も出来ぬまま見送ることとなりました。
「旅は道連れ・・・」などと言いますが、もうきっと会うことはないのでしょうね。
車の中でご本人が仰ったお歳は83歳でした。
若い!
朝思い立って、昼にはもう足尾に来ている・・・
その行動力に脱帽です。
※本
村上安正著 『銅山の町 足尾を歩く 足尾の産業遺産を訪ねて』(随想舎 1998年)
おわり
袖振り合うも他生の縁 とやら。
きっとその方も、いい旅ができたと思ってますよ!
で、何食べたの?(爆)
また写真楽しみにしています。
なんでだろう?