WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

ただ本を読む

2021年09月21日 | 今日の一枚(Q-R)
◎今日の一枚 545◎
Ron Carter
The Man With The Bass
 入院中である。昨日はしばらくぶりによく眠れたが、ステロイドの副作用で眠れない夜が続いた。夜も昼も眠っていないのに、全然眠くならないのだ。ベットに横たわって目をつぶり、眠る努力をしてもダメな時は、あきらめて起きることにした。椅子に座り、静かな暗い闇の中で本を読むのだ。kindleのフロントライト機能のおかげで暗闇の中でも本を読むことができる。昨夜は、ヴォネガットの『スローターハウス5』を読み終え、『母なる夜』に取りかかった。役に立てようとか、何かの資料にしようとか、そういう余計な考えをもたず、ただただ本を読む。まるで学生時代のようにだ。そういえば、こういう読書体験はしばらくぶりだ。そもそも、じっくり小説を読んだことなどここしばらくなかった気がする。
 入院の効用である。

 今日の一枚は、ロン・カーターの『ザ・マン・ウィズ・ザ・ベース』、1985年作品である。今も、自宅のレコード棚のどこかに眠っているはずだ。Apple musicで聴こうと探したが、見当たらない。どうも、オリジナル盤ではなく、例のサントリーホワイトのCMに使われた2曲を軸に、他のアルバムから数曲を摂った日本盤のコンピレーションアルバムだったようだ。仕方がないので、you tubeでdouble bass を聴いた。ベースもさることながら、ピアノの響きがいい。私は、このアルバムでケニー・バロンというピアニストを知ったのだった。今ではケニー・バロンはお気に入りのピアニストだ。その意味でも忘れ難いアルバムである。
 サントリーホワイトのCMには、ハービー・ハンコックが出演したものもあった。もっと以前には、サミー・デーヴィス・ジュニアのものもあった。お洒落で、センスのいいCMだったと思う。もう、ああいったCMを作る社会の余裕はないのだろうか。


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