WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

気仙沼に帰ってくんだね

2021年09月23日 | 今日の一枚(A-B)
◎今日の一枚 546◎
Bobby Jaspar
Clarinescapade

 人の話はお帰りモネである。
 入院中は、BS7:30からのものを見て、さらに朝食を食べながら地上波8:00からも見るのが日課になってしまったようだ。
 先週、菅波先生がモネにぶっきらぼうにプロポーズをし、今週の話では、菅波先生が心に引っかかっていたかつての患者と和解、モネも気仙沼に帰る決意をしたようだ。モネも菅波先生も自らの挫折と和解し、物語は終末へと向かっていく。海の人は海へと戻っていくのだ。
 気になるのは、モネと菅波先生との関係だ。先週の話では、菅波先生は東京の大学病院へと帰るオファーを受けており、モネも東京で生活するような雰囲気もあった。亀島(大島)にも診療所があるので、そこに菅波先生が赴任するというのがとりあえず無難な道なのだろう。けれどもそれはあまりに短絡的というものだろう。挫折と和解し、個として自立した2人には、それぞれの道が待っている。いつか2人で暮らすことはあっても、ここはそれぞれの道を進んでほしい。それが愛ある別れとなってもである。女性が男性のために進むべき道を変えるというのは、この作品の趣旨に反するのだ。
 一方、登米の問題はどうなるのだろう。コロナ禍だが、登米市もお帰りモネで盛り上がっている。登米での展開も最後にひと花咲かせてほしいとこだ。

 今日に一枚は、ボビー・ジャスパーの1956年録音盤、『Clarinescapade』である。かつては幻の名盤言われた希少盤なのだそうだ。applemusicで見つけて聴いている。ボビー・ジャスパーはもちろん名手であり、なかなか渋い演奏を聴かせるサックス奏者だが、私にとってはブロッサム・ディアリーの元夫という印象が強い。ブロッサムのアルバムでも、テナーサックスのほかクラリネット、フルートと、その多芸ぶりを披露していたが、このアルバムでもそれらの達者な演奏が展開される。
 最近、比較的新しいジャズを聴いていたので、古風で渋いアルバムと感じてしまう。けれども、古風なアルバムもいい。心が落ち着く。入院中だが、ウイスキーを飲みたい心持ちになった。退院したら是非そうしよう。ウイスキーを飲みながら、このアルバムを聴こう。バーボンでいい。メイカーズマークを小さなウイスキーグラスに注ぎ、ロックで飲みたい。

Bobby Japar(ta, fl, cl), 
Tommy Flanagan(p), 
Nabil Totah(b), 
Elvin Jones(ds), 
Eddie Costa(p),
 Barry Galbraith(g), 
Milt Hinton(b),
 Osie Johnson(ds)


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