WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

徳仙丈なう2022①

2022年05月04日 | 今日の一枚(A-B)
◎今日の一枚 579◎
Bill Evans
You Must Believe In Spring

 思い立って、つつじの名所、徳仙丈に登った。今、山頂である。
 昨年入院してからすっかり体力が落ちてしまった。退院して以降、冬だということもあり、トレッキングはサボっていた。もうそろそろトレーニングを開始しようと思い立ち、軽めのコースということで登って来たのである。
 予想通り、まだつつじは咲いておらず、山麓、中腹のツツジはこんな感じだ。後2週間程度で咲く感じだろうか。


 第一展望台からの「つつじが原」の眺めは、こんな感じである。最盛期にはつつじの絨毯となる。
 
 
 山頂からの眺め(上:本吉側と下:気仙沼側)である。太平洋と気仙沼湾が見える。

 やはり、ブランクは大きく、途中、胸が痛くなったりしたが、休み休み登り、何とか山頂まで辿り着いた。ハードなコースにチャレンジするためには、もう少しトレーニングが必要のようだ。今、山頂付近に横になって休みながらこの記事を書いている。
 さて、下山するか。(14:30)

 帰宅した。追記したい。下山は、膝と太ももに負担がかかり、ちょっとしんどかった。明日、傷みだすかもしれない。市街地から気仙沼側登山口までのアクセス道が整備され、昨年に比べてずっと行きやすくなった。最盛期ないにもかかわらず、駐車場には車が10台程度止まっていた。

 今日の一枚は、ビル・エヴァンスの『ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング』である。録音は1977年、リリースはエヴァンスの死の翌年1981年である。エヴァンスの作品の内、五指、あるいは三指に入るほど好きな作品である。山歩きをしている間、なぜだか無性にJazzが聴きたかった。Bluetoothスピーカーを持参しなかったのを悔やんだほどだ。
 帰宅してこのアルバムを聴いている。なぜエヴァンスの、このような《暗い》作品を選んだのか、自分でもよくわからない。帰りの車の中で、このアルバムを聴きたいと、頭に浮かんだのである。たった一人の山歩きの中で、いい年をして内省的になったからかもしれない。

古いアコースティックギター

2022年05月04日 | 今日の一枚(A-B)
◎今日の一枚 578◎
Live Adventures of 
Mike Bloomfield & Al Kooper
 古いアコースティック・ギターがある。アコースティック・ギターというよりフォーク・ギターという感じかもしれない。最近のアコギと比べると、ちょっと大型のようだ。おそらくヤマハのFGシリーズだと思うが、ラベルがないので型番はわからない。高価なものではない。恐らくは当時2万円程度のものではなかったかと思う。高校生の頃、「天国への階段」を演奏するために買ったのだ。その後、弾くのはエレキギターばかりだったので、大人になり、酔っぱらったときにたまに手にするぐらいだった。最近、ダイナミック・ギター(→こちら)やエレガット(→こちら)などアコースティックギターを弾くことが多くなり、このフォーク・ギターにも手を入れてみようと思った。ただ、スチール弦のギターにはそんなに興味はない。新しいものを購入しようという気はおきない。
 とりあえず、ピンとサドルを交換してみた。ピンを真鍮製のものに交換し、サドルーを牛骨のものにした。牛骨サドルは紙やすりで削ってフィットさせたが、実際に弦を張ってみると、ちょっと弦高が高い気がする。まあいい。この次に弦を交換するときに調整しよう。音は凄く響くようになった。ただ。、ちょっと響きすぎである。サスティンが長すぎて、不自然に感じる。音もキラキラしている。私が最近ナイロン弦のギターに興味を感じるのは、柔らかな音色とともに、今にも消え入りそうな響きにあるのだ。
 とはいえ、せっかく手を入れたのだ。たまには手に取って弾いてみようと思う。
 今日の一枚は、アル・クーパー&マイク・ブルームフィールドの1969年作品、『フィルモアの軌跡』である。いいギターだ。ああ、最高だ。興奮している。過剰なディストーションをかけず、原音に近いトーンで奏でられるブルースフレージングに魅了される。
 恥ずかしながら、このマイク・ブルームフィールドというギタリストをこれまで聴いたことがなかった。最近アル・クーパーを聴き(→こちら)、彼の他の作品をapple music で聴いているうちに出会ったのだ。渋谷洋一『ロック~ベスト・アルバム・セレクション』によると、このアルバムは、『クリームの素晴しき世界』とともに、60年代のインプロビゼーション主体のブルースロックの記念碑的作品、なのだそうだ。知らなかった。私はクリームももちろん好きだが、このアルバムを聴いてこっちの方に共感を感じている。渋谷陽一の評価は過大なものではないと思う。
 もっと若い頃に聴いていたらどうだっただろうか。マイク・ブルームフィールドというギタリストに熱中しただろうか。そうなったような気もするが、今の年代だからこのシブいギタリストを正当に評価できるという気もする。