紐のし屋の日記

「紐のし」っていう瓦を作っている谷池健司製瓦所の四代目社長の瓦つくり日記。

便所プロジェクト  職人さん

2010-04-18 11:35:41 | 工場の様子


便所の隣の展示スペースに棚を付けて
いよいよ大まかに仕上がってきました。



全体を見ると、こんな感じになっています。

あとは、壁を塗ればほぼ完成です。
自分の所の商品をカッコ良く飾ってみたい!
いろんな種類の瓦が組み合わさって屋根になってるのを知ってほしい!
こんな思いからの展示スペースです。

イメージ通りに仕上がってきました。



この便所プロジェクトをする事によって色々と学ぶ事が出来ました。

まず思ったのは、私は今まで屋根ばっかり見ていたような気がします。
家を全体的に見ていなかった事に気付かされました。

その上、自分所が作っている部分の屋根しか見ていなくて、
鬼の種類ですら全然知りませんでした。

大工さんがいて、左官屋さんがいて、屋根屋さんがいて…
いろんな職人さんたちがいて家って建っているのですよね。
当たり前の事にき気付いていませんでした。

次に思ったのは、職人さん達の仕事への想いです。

大工さんにしろ、屋根やさんにしても休憩しながらも
ずっと現場のでき具合を眺めながら、
「この部分は、もう少しこうのほうがいい」
こんな感じで、休みながらも仕事の事ばかりでした。

職人さん達が一生懸命工夫した家こそが
ほんとうに最高の家なのではないでしょうか。

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便所プロジェクト  屋根屋さん

2010-04-15 23:02:05 | 工場の様子


便Pいよいよ屋根工事の始まりです。
気安い仲の西田瓦店さんに施工してもらいました。



普段とは違い
屋根に上がったときの姿はホント見違えます。
カッコよく見えるのがちょっぴりくやしいです。

あっというまに地葺きを済ませてしまいました。



のしは、何にしようか迷いましたが、
新製品の薄紐のしを葺く事にしました。





もっとすかしたかったのですが、スレートの隙間がそんなになく
出来る範囲での隙間です。



鬼瓦も何にしようか屋根屋さんと相談した結果
角張りに決定しました。

なぜこの鬼にしたかというと…




よ~く見るとハートがついてるんですよ。
(ほんとは違うそうです)

ちょっとハッピーな気分になれそうなので、
迷うことなくこの鬼にしました。



便所の小さな棟も積まれていきます。



短い棟ですが、立派な棟に葺きあがりました。

薄紐のしの少し上品で高級感ある感じがとても気に入りました。



葺きあがった屋根を見る人、見る人が、
「瓦葺いたらカッコ良くなったな~」
こんなうれしい言葉を聞けるようになりました。

瓦葺きってカッコイイ♪
みんなに思ってほしいものです。


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便所プロジェクト 大工さん

2010-04-11 11:26:50 | 工場の様子


便所にいよいよ屋根を作ってもらうことになりました。

そこで、色々とお世話になっている原田大工さんに頼む事にしました。
屋根の勾配、軒の長さなど、お話しさせてもらいました。

大工さん「ワシやったら、これぐらいの長さがカッコエェと思う!」

色々な意見を聞かせてもらいながら、屋根づくりは進みました。



ついでに便所のとなりも瓦展示スペースに改造してもらうことになりました。

ここのひさしは、もともとスレートのとてもゆるい勾配の屋根でしたが、
思い切って瓦葺きにすることにしました。

なんてったって瓦屋だもん



この場所は、道に隣接していて
大型のトラックやダンプが良く走っています。

このために軒は、そんなに出せないのが弱点。





ゆるい勾配の元スレート屋根と、
新たにできた便所屋根が合わさるこの部分を
どう屋根にしていくのか屋根屋さんと大工さんの腕の見せ所っすね。



便所の扉も以前のものは結構痛んでいたので、
新しいものに変えることにしました。



この戸を原田大工さんに作ってもらいました。

これなら、開けてぼっとん便所が出てきてもおかしくないですよね。
むしろ水洗便所のほうがおかしいぐらいです。

「大工さん、私が子供の頃の便所についていたような戸を作って」

こんな思いもよらぬ発言にも大工さんは、

「以前作った戸があるから、見につれていこわ」

お客さんの突拍子もない発言にもすぐさま対応し、
思っていたイメージのものを作り上げてくれました。

お施主さんの満足する家を作るために
一生懸命協力してくれる大工さん。

こんな職人さん達が作ってくれる家って、最高のものなのではないのでしょうか。


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便所プロジェクト  壁装飾材

2010-04-05 23:41:09 | 工場の様子


便所に開けられた穴には、この木でできた枠をはめ込みます。

これは何かといいますと、
明り取り、風通しをよくする、壁を装飾する、
この3つを叶えるすぐれものなのです。

これをどう使うかといいますと…



いぶし瓦の屋根には、
日本に昔からある紋様がよく使われています。



紋は装飾するだけでなく、
長寿、繁栄、末広がりなど、様々な願いが込められて
人の住む家が幸せになるように屋根を飾ってきました。

こんな素晴らしいものを
他に使い道は無いだろうか?

紐のし屋は、いぶし瓦で出来た紋様を壁材として使う事を考えました。
いぶしで出来た紋様だから、
いぶしもんよう(仮名)です。



いぶしもんよう -輪-



いぶしもんよう -松-



小さな木の枠の中に
大きな屋根を納める気持ちで
枠の中にボンドでひっ付けて納めていきます。



棟瓦同様に、半端な部分はサンダーで切って加工します。



出来あがるとこんな感じ。
青海波の紋様が瓦で出来ました。



次は、-松-です。
これには、ひと工夫して穴をあけます。



そして、輪と同様にボンドで固定していきます。



穴を開けた部分にプラスチックの棒を埋め込みます。
これは、何かといいますと…



このプラスチックは、瓦を固定するためのものなのです。
例えるならば…ソロバンのような感じになります。

この枠が、風通しを良くするためのモノなのです。



完成した枠達をいれるとこんな感じになりました。

紐のし屋が考えた和の壁材です。
目指すは、ここにしかないモノづくり。

便所プロジェクトは、ドンドンカッコよくなってきています。

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便所プロジェクト 左官屋さん

2010-04-02 23:56:36 | 工場の様子


お便所の壁を前田塗装さんに塗っていただきました。
自分で挑んでみようかと思いましたが、カッコ良くするには
プロにたのむしかないとおもい、お願いいたしました。



「古い家の壁の感じにしてください」
簡単な説明でしたが、イメージは伝わり
納得のいく壁へとしあげてくれました。



綺麗な壁へと生まれ変わりました。
まだ異国の建物の感じはしますが、
まだまだ完成には程遠いので仕方ありません。

どんなお便所になるかは、お・た・の・し・み♪

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便所プロジェクト ~ぼっとん便所をカッコ良く~

2010-04-01 22:14:31 | 工場の様子


これは、工場にある便所です。

私が子供のころからあり、
ブロックを積んでコンクリートを塗ってある
簡単な便所です。



用を足せばおつりが返ってくるぼっとん便所です。

私は、このトイレが嫌いでした。
なぜ嫌いかというと、やはり臭い…
ウォシュレットが無い… (当たり前ですが)

400年祭に向けて思い切って水洗に!!
しかし、水洗便所にするには莫大なお金が必要らしいです。

そんなお金をかけるぐらいなら、
「日本一カッコ良いぼっとん便所にしてやろう!」
そんな思いから便所プロジェクト(略して便P)は
去年の夏から始まりました。



便P最大の敵は、やはり臭いですよね。

原因は、窓が一つしかないので風が通らない事から、
余計に臭いがこもると考えました。



という事で、下書きをして…



壁に穴をあけてしまおう!!

ドッドッドッドッドッドッ
機械で壁にデッカイ穴を開けていきます。



お~スッキリと穴があいた♪



ドンドコ穴を開けていきます。

道行く人々は、みな覗いていきます。

「遂に、ここのお兄さん頭にきたか…」

皆様の顔には、そんな表情が浮かんでいました。



そんな目にも負けずにドンドン開けていきます。

どんな便所になるか、乞うご期待!!

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