紐のし屋の日記

「紐のし」っていう瓦を作っている谷池健司製瓦所の四代目社長の瓦つくり日記。

薄紐のしを追いかけて IN  埼玉 その四

2010-01-24 00:30:11 | 瓦の屋根


以前、天神紐のしが使われた古民家さんを見学させてもらいました。

すごく立派な家に圧倒されました。



棟には、関東大青海。

このカッコ良さには、心の底から感動しました。

紐のしは、結構反っているのに屋根に上がってみてみると、
まっすぐに見えるのにも驚かされました。





この屋根を見て、
「遥々埼玉まで屋根を見に来て、本当によかった」
と、心の中で思いました。





職人さんの「技」がふんだんに使われたもの凄い屋根ですよね。





紐のしをすかして積むとこんなにもカッコ良くなるものなんですね。

こんなにカッコのいいものを作っていたなんて、
工場で仕事しているだけでは、気付く事ができないのです。








家の至る所に、お施主さんのこだわりが見えます。



家の中も、少し見学させてもらいました。

昔からあるなんて思えないぐらい新鮮に見えました。

この障子は、夏場は取り外しができるそうで、
カッコだけでなく、実用性のある
日本住宅の素晴らしさに心打たれました。



「大黒柱」
このぶっとい柱に家は支えられているのですよね。



ちょっと気に入ったのが、この外灯です。

傘のゆがみようがなんとも言えませんよね。
何もかもがカッコよく見えてきました。



みなさん家を見上げながら、
「あそこは、こうだった!」「あの部分は大変だった」
家へのおもいで話がはずみます。

お施主さん、屋根屋さん、製造元が
輪になっている姿を見ていると
紐のしは、「人と人を結ぶ」事ができる瓦なのですね。



帰り際にお施主さんがお土産にと、
葺き替え前の紐のしをいただく事が出来ました。

この瓦からはじまった物語でした。


関東の屋根文化を、肌で感じる事が出来ました。
埼玉の皆さま色々お世話になりました。


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薄紐のしを追いかけて IN  埼玉 その参

2010-01-23 17:28:21 | 瓦の屋根
埼玉の中山道をお洒落な屋根さんに案内してもらいました。



紐のしの原型ともいえる紐漆喰の使われた屋根が沢山ありました。



紐漆喰が使われた屋根達は、今では「お宝」みたいです。
とてもカッコよかったです。



紐のしの歴史がわかる街並みでした。





「日本各地の屋根は、それぞれ特徴があるのだな~」
瓦の屋根の面白さを再確認出来ました。



このガラスは、手作りだそうで
よくみると歪んで見えるものでした。

昔の人が、手間暇かけて作られたのが伝わってきました。

本当の価値あるものなんだなと思いました。









「天神で描く直線」

この家を拝見させてもらって、紐は付いていないけど
シンプルさの中にあるカッコ良さに感動しました。







他にも紐のしの使われている屋根を色々見学させてもらいました。

紐のしの文化って、奥が深そうです。
日本各地の紐のしの屋根を見学してみたいものですね。

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薄紐のしを追いかけて IN  埼玉 その弐

2010-01-22 00:29:47 | 瓦の屋根


薄紐のしは、このような古民家の屋根を復元するために作られました。



青海波の下で、薄のしに漆喰がほどこされたのし瓦を
紐のしで蘇らせようという事から始まりました。



日本の伝統的な屋根文化を、次の世代へ受け継がれるように。



そして完成したのがこの家です。



青海波で出来た大きな波の下には、紐のしの厚みではなく
少し控えめの薄紐のしが一番よく似合うという事でした。

これが普通の紐のしでは、この棟の感じはでないそうです。







いぶし銀の青海波でできた棟は、
まるで、お日様が波を照らして輝く大海原でした。











ちょっと気に入ったのが、
下屋の隅棟で、にらみを効かせいる鬼太郎が
どこか可愛らしく思えました。



お施主さんに少しだけお話をさせてもらうと、
「来る人みんなが、綺麗な屋根になった」
と、口をそろえて言うそうです。

この家に訪れた人は、誰もが屋根を眺める見たいです。

のんびりと、ただ屋根を眺めているだけで
心を和ませてくれました。

関東の「粋」を感じる事の出来た素晴らしい家でした。

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薄紐のしを追いかけて IN  埼玉 その壱

2010-01-19 11:08:36 | 瓦の屋根


「薄紐のしの葺かれた姿を見てみたい!!」

という事で、埼玉まで見学しに行ってきました。



新幹線に乗るのは、中学校の修学旅行以来。
いやぁ~ 一人で乗るなんて、大人になったもんだ。
(もう、おっさんなのにね…)

「一人で行けるかな~」
ドッキドキの旅がここから始まります。



朝早かったので、ウトウトしながら新幹線に揺られました。

ふと目を開けて外を見てみると、
「おぉ~ 富士さん!!」

少しの間でしたが、見入ってしまいました。
素晴らしい眺めですよね。

富士山で心を和ませていながら、
ふと、横を見てみると…

そこにいたのは…



護送中の犯人!?

偶然てあるんですね。
ほんと、都会は、怖いッス。

そんなこんなで、何とか埼玉に到着。

埼玉の屋根を色々と案内してもらいました。



まず始めに見学させてもらったのが、この神社です。
関東の紐のしとの初対面。



紐のしが沢山使われていました。



この紐のしの凄いところは、
「ツノが立っている」と、教えてもらいました。

ツノとは、紐の角がツンと突っ張っていて、
紐がくっきりとしてツノのように見えて
カッコがいいという事でした。

確かに紐がもの凄く主張していて、
良い感じですよね。



次に見せてもらっのは、この蔵です。



この棟には、紐のしの原点ともいうべき
漆喰が塗られていました。

この漆喰が進化したのが「紐のし」なのです。

立派な漆喰が付けられていました。



次に見せてもらったのは、この家です。



関西では見た事がない、
紐のしをすかして葺いてありました。

自分の目で、直に見たのは初めてだったので、
もの凄く感激しました。



カッコイイですよね。
紐のしは、関東ではこんな風に葺かれているなんて
凄い事ですよね。

日本各地で、屋根の飾られ方が違う
瓦屋根の地域性って素晴らしい事だと思いました。

日本の屋根文化は、世界に誇れるものですよね。

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